逆流性食道炎になる油、ならない油

筋トレしたい欲が高まり腕立て伏せをちょっと頑張ったら、久しぶりに「誰かアイスピックでこめかみ刺しに来て欲しい」系肩こり頭痛に悩まされる。うーん、やっぱきつい。頭痛、きつい。胃腸炎になったとき「これの苦しみに比べれば、肩こり頭痛なんて屁みたいなもんですよ」って言ったけど、あれは嘘だ。いやでも、どっちか選べって言われたら肩こり頭痛の方がまだ我慢できるかな。寝れるし。胃腸炎は寝れなかった。ただ、こないだの胃腸炎はどう考えても痛み止めの飲み過ぎが原因だったので、食後すぐ以外に頭痛薬を飲むのはまだちょっとびびる。胃に関しては、痛くなるのは胃の入り口付近で胃の本体はたいして痛くならないことは自分の実感としてあるので、逆流性食道炎、すなわち胃酸の出過ぎで食道に胃酸が逆流してくるのを防げばなんとかなるやろと、刺激物をいろいろ試し試し食べてるわけだけれども、その結果、生クリームたっぷりケーキとか肉の脂身はなかなかダメかなと。ただ私の好物である高カロリー餃子(たっぷりのオリーブオイル&にんにく&醤油で焼き上げるが、具となる豚肉は90%赤身で脂肪の代わりにオリーブオイルでこねてパサつきを抑えるギトギトした自家製餃子(こちら)は全然胸焼けしないんだよね。一度に20個とか食べても(カロリーは皮だけで500超えるけど。震)。

同じ油でもオリーブオイルは大丈夫らしい。実際、調べてみたら「オリーブオイルは動物性脂肪に比べ消化が楽なので胃酸があまり出ず、下部食道括約筋(食道と胃のつなぎ目)もほとんど緩まない」って書いてあったから心置きなく使えるわ>こないだ血液検査で悪玉コレステロールが危険水域って言ってなかったっけ?>そこはいまは気にするな。好物を食べて得られる心の安寧の方が大事。あと普通のインスタントカレーは牛脂豚脂混合脂を使ってるからなのか日によって微妙に胸焼けするんだけど、好物のヤマモリのインスタント「タイカレーイエロー」だけは大豆油ぐらいしか書いてないせいか、いつ食べてもノーストレスで消化される。

関連:逆流性食道炎に油は大丈夫?オリーブオイル、ごま油、サラダ油、米油、えごま油、マヨネーズ、バター、マーガリン、ショートニング、ラード(豚脂)やヘット(牛脂)
あと、「胃酸中和」で検索すると、アルカリ性の飲み物を飲めって言われるんだけど、豆乳か低脂肪牛乳ぐらいしかないのよね。どっちも嫌いなんですけど。飲むヨーグルトじゃダメですか?(懇願)


追記:
「オリーブオイルは動物性脂肪に比べ消化が楽」とはつまりどういうことなのかについてもうちょっと調べてみた。
脂肪には肉や乳製品、ココナッツなどの熱帯植物の油脂に多く含まれる飽和脂肪酸(融点が高く、常温で固体)と、ごまや大豆等の植物や、魚に多く含まれる不飽和脂肪酸(融点が低く、常温で液体)とあり、オリーブオイルは成分の70〜80%がオレイン酸という不飽和脂肪酸であり(残り10%が飽和脂肪酸)、オレイン酸の含有量が植物性油脂の中でも突出している。不飽和脂肪酸飽和脂肪酸に比べ、胃の滞在時間が短いため、胃酸の分泌量が少なく抑えられる。言い換えると少ない胃酸で消化が行えるため、胃への負担が少ない、ということらしい。胃と食道のつなぎ目にあり、胃酸の逆流を防いでいる下部食道括約筋は、食べ物が胃に滞在してる時間が長いと徐々に緩んでくる性質があり、オリーブオイルは消化が早く胃の滞在時間が短いから緩みにくいということらしい。
ただここでひとつ疑問が。そもそも脂質ってどこで消化されるの? 調べると脂質は胃で胃液によって粥状に分解され、その先の十二指腸で胆汁により乳化され、小腸にて膵液リパーゼという酵素により分解・吸収されると書いてある(尚、オレイン酸は小腸では吸収されくいので大量に摂ると大腸まで送られるとのこと。ただし、いくら探しても小腸で吸収されにくい理由を説明してる記事やサイトが見つからないので注意が必要)。飽和脂肪酸は胃で消化され、不飽和脂肪酸は十二指腸で消化されるっていうなら、不飽和脂肪酸の方が胃に負担をかけないって理屈はわかるんだよ。でもオイル状であればどっちも胃に負担をかけることなくすんなり十二指腸に運ばれるわけで、「だったら脂質の種類と胃液は関係なくない? なのになんでオリーブオイルはOKで生クリームがダメなんだ?」て思うんだけど、更なる探求が必要な気がする。ちなみに牛肉・豚肉の脂身にもオレイン酸はたくさん含まれています。


脂質の消化管機能調節作用-日本油化学会誌 第46巻 第10号  (1997) -(pdf)
↑胃に滞留している食物粥は、小腸での消化吸収速度に応じて自律的に調節され順次小腸に送り出される。この速度を「胃排出速度」という。 油脂は消化吸収に時間がかかるため、油脂を多く含む食事を摂取した場合、胃の運動を抑制し、胃排出速度が遅くなる。「小腸での消化吸収に時間がかかり胃排出速度が遅い」ことを「腹持ちがいい」と言っている。 すい臓に蓄えられた消化酵素は脂肪摂取という刺激により小腸管腔内に分泌される。このとき、脂肪消化酵素だけではなく、すい臓で作られる消化酵素のすべてが分泌されるため、脂肪の摂取は糖や蛋白質の消化も促進するといえる。

特定保健用食品 | 薬事情報センター | 一般社団法人 愛知県薬剤師会
食用油の成分は、トリアシルグリセロール(90%以上)+ジアシルグリセロール(1〜10%)+その他から構成されている。このうち小腸から吸収された後、体内で中性脂肪に再合成されるのがトリアシルグリセロールで、ジアシルグリセロールは再合成に必要な構成要素を満たしていないため小腸から吸収されたあと中性脂肪へと再合成されにくい。このジアシルグリセロールの含有率がパーム油は5.8%、オリーブオイルは5.5%で、他の油に比べて高い。

構造脂質-日本油化学会誌 第48巻 第10号 (1999)-(pdf)
↑ 短鎖および中鎖脂肪酸からなる油脂(乳脂やココナッツオイル・パームフルーツ油等)は胃リパーゼでもかなりの部分を分解できるが、長鎖脂肪酸からなる一般的な油脂(脂身・魚油・オリーブオイル・大豆油等)が吸収されるため にはすい臓リパ ーゼの加水分解を受ける必要があり、すい臓リパ ーゼの作用は長鎖より短鎖・中鎖でより活性化するため、トリアシルグリセリンの分子構造(すなわちグリセリンに結合する脂肪酸の鎖長 および不飽和度)が油脂の消化・吸収に影響する理由になっている。ジアシルグリセロールはトリアシルグリセロールよりもエネルギーとして使われやすく、また中性脂肪に再合成されにくいことから、小腸から吸収後はエネルギーとして使われやすく脂肪として蓄積されにくい脂質といえる。

生命:中学理科教科書「未来へひろがるサイエンス」Q&A
↑今までの教科書では,脂肪は消化酵素により「脂肪酸グリセリン」に分解されるとしてきたが、近年の研究によりそこまで分解が進むことはないことがわかり、平成24年度用教科書から脂肪が消化されてできる分解産物は「脂肪酸とモノグリセリド(グリセリン1分子に脂肪酸1分子がくっついたもの)」ということになった。食品中の主な脂肪であるトリアシルグリセロール(グリセリン1分子に脂肪酸3分子がくっついたもの)は、トリアシルグリセロールリパーゼによって,ジグリセリド1分子と脂肪酸1分子に分解。さらに,ジアシルグリセロールリパーゼによって,ジグリセリドは,モノグリセリド1分子と脂肪酸1分子に分解され、小腸から吸収される。

脂肪酸:農林水産省
脂肪酸の分子構造についての詳しい説明。炭素間の二重結合が多いものほど酸化しやすい。

すぐにわかるトランス脂肪酸:農林水産省
不飽和脂肪酸の分子構造についての詳しい説明。


脂肪の消化・吸収に関するサイトいろいろ。今度じっくり読む。
胃腸のしくみと働き|胃と腸の事がよくわかる胃腸の健康
栄養に関する基礎知識 | 栄養・食事について | 循環器病について知る | 患者の皆様へ | 国立循環器病研究センター病院
脂肪はどのように消化・吸収される? - よくある質問 - 財団法人日本食肉消費総合センター
胃の健康と栄養素
タンパク質はどのように消化・吸収される? - よくある質問 - 財団法人日本食肉消費総合センター
脂肪はどのように消化・吸収される? - よくある質問 - 財団法人日本食肉消費総合センター
胃もたれの原因|タナベ胃腸薬ウルソ|田辺三菱製薬株式会社
国産オーガニック化粧品のアムリターラ
http://www.j-milk.jp/kiso/eiyou/berohe000000efh2.html
コレステロールを多く含む食品 | 脂質異常症(高脂血症)の食事 | 食事療法のすすめ方 | 東京都病院経営本部
食事からの摂取基準が撤廃されたコレステロール ――しかし注意しなければいけない点は? | はじめよう!ヘルシーライフ | オムロン ヘルスケア
アルコールと高脂血症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
アルコールの消化管への影響 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
脂質異常症 病気のガイド – 寿製薬株式会社
HDL機能に関する研究 | 病態代謝部 | 各部のご紹介 | 国立循環器病研究センター研究所
中性脂肪、コレステロールを含む「脂質とは?」 エパデールTについて | エパデールT | 大正製薬
コレステロール|中性脂肪|LDL|HDL|高脂血症
体の中で作られるコレステロール/コレステロールの体内移動


www.nhk.or.jp
医学豆知識-肝臓・胆のう・膵臓のしくみと働き|東栄病院


http://www.j-milk.jp/kiso/eiyou/berohe000000efcp.html
中性脂肪 - Wikipedia
コレステロールは脂質の一種だが、脂肪や油とは異なりエネルギーにはならない。細胞膜やホルモン、胆汁、ビタミンDの材料として使われる。
運動によって燃焼される脂肪は肉の脂身や乳脂肪、植物油として摂取した中性脂肪の元になる脂質のこと。
体の中の脂肪
↑カイロミクロン(中性脂肪10:コレステロール1)、VLDL(中性脂肪5:コレステロール1)、HDLコレステロールの生成方法。長文。
コレステロールは体内でつくられる? - よくある質問 - 財団法人日本食肉消費総合センター
コレステロールは主に肝臓で、脂質・糖質・タンパク質を分解する際に発生するアセチルコエンザイムA(アセチルCoA)を元に作られる。コレステロール1個作るのにアセチルCoA18個とたくさんの酵素が必要なため、生成はアセチルCoAが十分蓄積できる休息時に盛んに行われる。
糖尿病の人は「アルコール」に注意 年末年始に飲み過ぎないための6つの対策 | ニュース | 糖尿病ネットワーク
FFA / 遊離脂肪酸 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
↑適度なアルコールが身体に良いと言われるのは、アルコールにHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす作用があるから。また、大量のアルコールを摂取すると脂肪組織からの遊離脂肪酸の放出が促されるのだが、血中を漂う遊離脂肪酸はしらふの状態なら運動してエネルギー消費することも可能だが、酔ってるとそれができない。アルコール代謝作業で脂肪酸から中性脂肪が作られやすくなってるところに大量の遊離脂肪酸が送られてくるため、過剰となった中性脂肪が結果的に肝臓に蓄えられることになり、脂肪肝へとつながる。
カルシウム摂取量と形態の違いが腹腔内脂肪蓄積に及ぼす影響
↑ラットによる実験だと、カルシウム(炭酸カルシウムだろうがミルクカルシウムだろうが形態に差はない)の摂取量が多い方が肝臓をはじめ各種組織に脂肪を溜め込まない(ただし糞便内の脂肪量に差はないのでカルシウムを多くとったからといって吸収量が減るわけではない。吸収したあとに溜め込みにくくする何らかの作用がある)


日本油化学会誌第46巻第10号(1997) 脂質栄養学の最前線〜脂質栄養と動脈硬化〜(pdf)
酸化LDLが危険度を増す! | おかめ納豆 タカノフーズ株式会社
酸化LDL | e-ヘルスネット(厚生労働省)
動脈硬化で問題なのはLDLコレステロールそのものではなく酸化変性したLDLである。LDLコレステロールを細胞内にとりこむためのLDL受容体には受け入れ限度があるため多すぎるLDLは細胞に取り込まれず血液中に滞留する。行き場を失ったLDLは動脈の血管壁に入り込む。血管壁は血液中よりも活性酸素が発生しやすいため、血管壁に侵入したLDLはほぼ酸化変性する。酸化したLDLは異物と見なされ、免疫機能が働く。白血球の一種・単球が血管壁に入るとマクロファージに変わり、酸化したLDLを食べて処理しようとする。この状態が続くと食べ過ぎで肥大したマクロファージが泡沫細胞(泡のような形状の細胞)に変化し、血管壁の中で膨れ上がると破裂し死亡。その死骸が壁内の脂質等と一緒に溜まってプラークを形成。
(白血球に関する詳しい説明ははたらく細胞 - Wikipedia参照。単球(=防護服を着たマクロファージさん)が血管壁に入ると防護服を脱いでメイド服のマクロファージさんとなり酸化したLDLを貪り喰ってたら膨張して破裂するイメージ)
血管の病気|脳梗塞について|いいお医者さんネット
老いは血管から?!動脈硬化と糖尿病
プラークが肥大し血管壁の内部で破裂すると血管の内膜がはがれ、プラークの中身が血液中に流れ込む。すると血小板がやってきて血栓を作り、ますます血管内が狭くなり、時に血栓が剥がれて血管を詰まらせる。


脂質の代謝〜帯広畜産大学農産科学科 藤野安彦(pdf)
栄養学雑誌Vol.54 脂肪の消化と吸収(pdf)
高HDLコレステロールの成因と意義(pdf)


国産オーガニック化粧品のアムリターラ
脂肪酸には、「飽和脂肪酸」(肉の脂身、バター、ココナッツなど)と、「不飽和脂肪酸」(植物油、魚の油など)に分けられる。脂肪酸は炭素が鎖のように連なっており、そこに水素がくっついている構造をしているが、この水素がぎっしりとくっついて酸化しにくい構造をしているのが「飽和脂肪酸」。水素がところどころ抜け落ちて穴が出来て酸化しやすいのが「不飽和脂肪酸」。不飽和脂肪酸の中でも水素の穴が1つだけしかないものを「一価不飽和脂肪酸」、水素の穴が複数あるものを「多価不飽和脂肪酸」と言い、穴が1つだけしかない脂肪酸は穴が多いものより酸化しにくくなる。「飽和脂肪酸」は酸化しにくいというメリットがある反面、常温で固まりやすく、特に人間は牛や豚より体温が低いため、動物性脂肪を摂ると体内で固まりやすいというデメリットがある。
(pdf)
↑中鎖脂肪酸は胃リパーゼで速やかに加水分解され、小腸から吸収することができる。小腸から吸収後は、門脈を通って直接に肝臓に送られ肝細胞のミトコンドリアでのβ酸化を受けエネルギー代謝に利用される。そのため中鎖脂肪酸は脂肪として蓄積されにくい。長鎖脂肪酸は、胆汁酸の協力を得て膵リパーゼで加水分解された後、小腸から吸収。その後、肝臓につながる門脈へは入らずリンパ管を通って鎖骨下の静脈から血液中に入り、最終的に肝臓に戻される。


カルニチン | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
↑「カルニチン」とはアミノ酸由来の物質で、身体のほぼすべての細胞に存在する。長鎖脂肪酸ミトコンドリア内に運搬し、酸化(燃焼)することでエネルギーを産生。さらに生成された有毒な物質をミトコンドリアの外に運びだし、蓄積するのを防いでいる。健康な小児および成人は、1日に必要なカルニチンを肝臓および腎臓でアミノ酸のリジンとメチオニンにより十分な量を合成するため、食物やサプリメントから摂取する必要はない。カルチニンを食物から摂取する場合、赤身の肉、魚肉、鶏肉、牛乳などの動物性食品に豊富に含まれている。通常、肉の色が赤ければ赤いほど、カルニチン含有量が高くなる。乳製品では、主にホエー画分に含まれる。食物から摂取したカルチニンのほとんど(54~86%)は小腸で吸収され血中に入り込む。カルチニン量は腎臓にて体内バランスが保持され、血中のカルチニン濃度が高まると過剰分は尿として排泄される。カルチニンの過剰摂取は吐き気、嘔吐、腹部痙攣下痢、「生臭い」体臭などの副作用を引き起こす。またビーガンに比べ肉食の人がカルチニンを過剰に摂取すると、腸内細菌の影響で心血管疾患を誘発する可能性が高くなることが懸念されている。
カルニチンと脂質代謝(pdf)
↑「カルニチン」は骨格筋内での脂肪燃焼に必須であることから、カルニチンを含有したサプリメントが広く流通しているが、健常者が単純にカルニチンを摂取しただけでは脂肪燃焼を促進しないことがわかっている。何故なら、カルニチンの生体膜輸送は厳格に制御され、たくさん摂取しても必要分しか使われず、過剰分は尿中に排泄されてしまうからだ。ただし、インスリン抵抗性が1.5以上ある糖尿病の人に6ヶ月間投与した結果、劇的に改善した。また、骨格筋におけるカルニチン代謝は加齢と共に減少するが、この場合もカルニチン投与によって改善が見られるという動物実験結果がある。加齢や高脂肪食の摂取によって筋細胞内に悪性脂質(細胞内での糖代謝を抑制する脂質「アシルCoA」)が溜まるとインスリン抵抗性が高くなり代謝障害を引き起こすが、カルニチンには筋細胞内の悪性脂質を細胞外に排出する働きがあるため、細胞内での糖/脂質代謝に関わる酵素群の活性が改善する(ただし、筋細胞内に悪性脂質が溜まってるわけではない健常体の人がカルニチンを摂取しても必要分は既に足りてるため過剰分とみなされ尿内に排泄される)。
運動時には骨格筋のエネルギー代謝が増大し、糖代謝脂肪酸のβ酸化が亢進してアセチルカルニチンが生成される。アセチルカルチニンは血液脳関門を通過し脳に働きかけることができる。
『カルニチン欠乏症の診断・治療指針 2018』(pdf)
カルニチンは赤身の肉類、魚、乳製品などに豊富に含まれ、必要量の約 75%を食事から供給。残りの 25%は体内(肝臓、腎臓、脳)で生合成される。体内にプールされてるカルニチンの98%は骨格筋や心筋の筋肉中に、残り約 1.6%は肝臓、腎臓に、0.6%は血中に存在するため、骨格筋量が少ない乳幼児、女性、高齢者などは成人男性に比べると欠乏しやすい。カルニチンの生成には、食品の蛋白質中に含まれる2つの必須アミノ酸(リジンとメチオニン)と、 3 つのビタミン(C、ナイアシン、B6)と金属イオンの鉄が必要。ひとつでも欠けると生合成に支障をきたす(※カルニチンについてはこの記事が一番詳しいが、専門的すぎるので上2つの記事を理解してから読むとわかりやすい)
栄養素としてのL-カルニチン | L-カルニチン | AAプロジェクト
↑日本人のL-カルチニン摂取量は約48mg/日(2013年調べ)。食物100gあたりのL-カルチニン含有量は羊肉167.8mg、牛肉76mg、豚肉21mg、鶏肉10.2mg、豆類5.7mg、牛乳2.6mg。よって羊肉の摂取量の多いニュージーランドやオーストラリアの1日摂取量は約300mg、モンゴルは約425mgとなっている。
⾁⾷の⼼⾎管病リスクに関する「カルニチン論争」―腸内細菌叢のエンテロタイプが鍵?(pdf)
↑「⾚⾁に含まれる栄養素のL-カルニチンは腸内細菌叢の代謝を受けてアテローム動脈硬化を促進する」という報告がもたらしたカルニチン論争についてまとめてある。脂肪の消化・吸収に必要な胆汁は肝臓でコレステロールを元に作られるため、余分なコレステロールは胆汁酸に作り替えて腸から体外に排泄するのが血中コレステロールを低下させる有力な方法のひとつとされている。しかしカルチニンは腸内細菌によって腸内でトリメチルアミン(YMA)に変換され、これが酸化によってトリメチルアミンNオキシド(TMAO)となり、TMAOが増えると肝臓での胆汁の⽣成量が抑制されるため、血中のコレステロールが減らず動脈硬化を促進させる。ただし腸内細菌の型は人それぞれで、カルニチンを同量摂取しても肉食よりベジタリアンの方がTMAOが増えにくいことから、TMAを増やす腸内細菌が少なければカルチニンを過剰に摂取してもTMAOは増えないのではないかと言われている。
腸内細菌 - Wikipedia
↑胆汁酸は細菌の細胞膜を溶解する作用があるため、小腸内や胆管での腸内細菌叢の形成を妨げている。毎日、合計で20-30gの胆汁酸が腸内に分泌され、分泌される胆汁酸の約95%は回腸で再吸収され、腸管から肝臓や胆嚢に移動し再利用される(これを「腸肝循環」と呼ぶ)。殺菌作用のある胆汁酸が回腸でほとんど吸収されるため、腸内細菌は回腸以降の大腸を主な活動場所としている。また大腸にいくとほとんど無酸素状態となるため酸素が嫌いな細菌が増える。主な細菌分布:小腸上部→ 乳酸菌、レンサ球菌、酵母など。大腸→ほとんどがバクテロイデス属、ユーバクテリウム、ビフィズス菌、クロストリジウム属など。小腸下部は小腸上部と大腸の細菌が混在してる状態。
ヒトの腸内にはどのような微生物が棲んでいるのですか?|よくある質問|腸内細菌学会
↑腸内細菌についてわかりやすくまとめてあるサイト(初心者向け)。


コーヒー(カフェイン)のメリット・デメリット11個(健康・美容・ダイエット) | HOTNEWS
↑カフェインは人体内において、「アデノシン」が「アデノシン受容体」に結合するのを防止する働きをする。アデノシンがアデノシン受容体に結合すると神経が鎮静するため、この結合をブロックする(=神経の鎮静を抑える)カフェインは、結果として神経を興奮させるようになる。このとき、脳からはアドレナリンが分泌される。
カフェインはどうやって目覚まし効果を発揮するのか?アニメで解説 - GIGAZINE
↑カフェインがアデノシン受容体に結合することで神経が興奮する過程をアニメを使ってとてもわかりやすく説明しているサイト。
アドレナリンとノルアドレナリンについて – 医教コミュニティ つぼみクラブ
↑アドレナリンはα受容体・β受容体に対してともに親和性が高く、β2受容体に対する作用は、血管の拡張、気管支の拡張などが挙げられる。消化管の平滑筋にはβ2受容体があり、これにアドレナリンが作用すると、平滑筋が弛緩し、消化に必要な蠕動運動などを妨げるため、消化機能の抑制につながる。
中枢神経系のお話し | アセチルコリン系 | アドレナリン系 | セロトニン系 | ドーパミン系 | ノルアドレナリン系 - Akira Magazine
↑アドレナリンとノルアドレナリンについて専門的にすっきりまとめられてるサイト。外部ストレスにより刺激を受けた視床下部室傍核ニューロンが交感神経を刺激し、ノルアドレナリンの分泌を促進する。ノルアドレナリンは副腎に作用し、副腎髄質からのアドレナリン分泌を促す。アドレナリンはグリコーゲンからの糖代謝を活性化し血糖値を上げる。ノルアドレナリンは脂肪細胞、消化管、肝臓や骨格筋に作用する。
ホルモンと受容体 | アドレナリン、ノルアドレナリン等について
↑ホルモンとは何か、受容体とは何か、アドレナリンとは何かについて一から順序立てて説明しているサイト。大まかな流れが理解できるので専門用語が頭に入らず躓いたときにオススメ。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸が身体に与える効果・効能 | HackCoffeeBeans
↑コーヒーで胃が荒れるのは、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」が胃酸の分泌を促進するから。カフェインで胃酸の分泌が促進されるわけではない。「クロロゲン酸」は浅煎りの方が多く、深煎りだと10%程度しか残らない。
【基礎】リポたんぱく質リパーゼ/ホルモン感受性リパーゼ – SGSブログ
↑体内の中性脂肪を分解する酵素「リポたんぱく質リパーゼ」「ホルモン感受性リパーゼ」である。血中の中性脂肪を細胞組織に取り込む時に働く酵素「リポたんぱく質リパーゼ」。血中内の脂肪濃度がもっとも高まる食後に放出され、血糖値が上がったときに放出されるインスリンによっても働きが促進される。逆に細胞組織内に貯蓄された中性脂肪を分解し遊離脂肪酸として血中に放出する時に働く酵素「ホルモン感受性リパーゼ」。空腹時や運動時など体内のエネルギー不足が起こるとアドレナリンが放出され、貯蓄された中性脂肪をエネルギーに変えるべくホルモン感受性リパーゼの働きが促進される。
脂肪組織由来ホルモンによるエネルギー代謝調節(pdf)
↑血中のブドウ糖グルコース)や遊離脂肪酸(FFA)を脂肪組織に取り込み中性脂肪に変換することを「脂質合成」、脂肪組織に蓄えられた中性脂肪を遊離脂肪酸(FFA)に分解しエネルギー源として血中に放出することを「脂肪分解」という。放出された遊離脂肪酸(FFA)が筋肉組織に取り込まれると、ミトコンドリアに取り込まれβ酸化によりエネルギーを生じたり、熱産成を起こしたりする。尚、かつては褐色脂肪細胞で熱産生が行われるのではないかと言われていたが、ヒト成人にはわずかしか存在しないことから別の細胞組織によって行われていると考えられる。
褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞の制御機構と臨床的意義(2017年12月25日発行論文)
↑余剰エネルギーを中性脂肪として貯蔵する白色脂肪細胞とは異なり,ミトコンドリアに富む褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞は脂肪をもとに熱産生を行うことができる。白色脂肪細胞は全身の皮下・内臓周囲、ベージュ脂肪細胞は鎖骨上窩下部や腋下部,傍脊椎部、褐色脂肪細胞は肩甲骨や腎臓周囲に分布している。ベージュ脂肪細胞は寒冷刺激により活性化し、夏に最小、冬に最大となるが、褐色脂肪細胞は寒冷刺激の影響を受けない。尚、ヒトにおいて褐色脂肪細胞が存在するのは乳幼児期まで。成人にはほとんど存在しないことからヒト成人の褐色脂肪組織は主にベージュ脂肪細胞により構成されていると考えられる。

↑顕微鏡でとらえたベージュ脂肪細胞の姿(白色脂肪細胞・褐色脂肪細胞の姿もリンク先にあり)。三者の違いについて初心者にわかりやすく説明しているサイト。
褐色脂肪組織でのエネルギー
消費と食品成分による活性化 - 化学と生物 vol.50 No.1 2012(pdf)

↑褐色脂肪組織の働きについてよくまとまってるpdf。ベージュ脂肪細胞(文中では褐色脂肪細胞と表記している)の存在部位を示したPET写真あり。褐色脂肪‒UCP1による熱産生が高まると,脂肪酸のみならずグルコースの利用(2-デオキシグルコースの取り込み)も亢進することから、寒冷刺激(室温19℃,足裏冷却)を2時間行いPET検査を行ったところ,肩部や傍脊柱部の脂肪組織へのFDG集積が認められたが、温暖条件(室温27℃)で同一被験者に対し同様の検査を行ってもまったく検出されなかった。ちなみに男女で違いは認められず、加齢によって減少する。また食事摂取後の反応を調べたところ、1時間後のエネルギー消費が高いことがわかり、寒冷刺激のみならず食事誘導熱産生にもベージュ細胞が関与し、多食に適応してエネルギー消費を増やし,結果的に体脂肪の過剰蓄積を防いでいるとされている。
ノルエピネフリン異化による脂肪増加 | Science Signaling Japan by COSMO BIO
↑空腹や寒冷刺激に晒されると、脂肪組織を神経支配する交感神経細胞からノルエピネフリンノルアドレナリン)が放出される。ノルエピネフリンは、トリグリセリドの脂肪分解(中性脂肪をグリセロールと遊離脂肪酸加水分解すること)を促進し、この過程は、白色脂肪組織塊および体脂肪蓄積全体を減少させ、褐色脂肪組織による熱産生を可能にする。
交感神経・副交感神経・運動神経における神経伝達物質のまとめ[ストレスと自律神経の科学]
↑副腎髄質ホルモンであるアドレナリンとノルアドレナリンの違いについて書いてある。(※読んでもよくわからないので要熟読。カフェインについて調べてると「アドレナリンの分泌を促す」と書いてあるサイトと「ノルアドレナリンの分泌を促す」と書いてあるサイトがあるが、アドレナリンとノルアドレナリンでは脂肪燃焼や消化運動に与える影響に違いがあるので、アドレナリンとノルアドレナリンの両方に作用するのか、どちらかにしか作用しないのか、両方ならどちらにより強く作用するのか特定する必要がある)
肥満の科学 [Ⅱ]肥満のメカニズム 5.脂肪細胞の増殖(pdf)
↑脂肪細胞は直径にして約1.3倍までしか肥大できない。軽度の肥満(BMI 約 27)までは脂肪細胞はその数を増やすことなく肥大のみでも対応できるが、これ以上太るには,脂肪細胞は分裂して数を増やす必要がある。肥満は主に 1.肥大優勢型,2.肥大・増殖型,3.増殖優勢型,に分類され、 1.⇒ 2.⇒ 3.へと進行する。すなわち脂肪細胞は程度まで肥大すると、分裂し、増殖へとステージが移行する。


有酸素性エネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
↑ヒトの体の中では、エネルギー源となるアデノシン三リン酸(ATP)が作り出され、そのATPが分解されることにより生産されるエネルギーを利用して生命を維持している。ATPの生成経路には、酸素を必要としミトコンドリア内で行われる「有酸素性エネルギー代謝」(主なエネルギー源は脂肪酸)と、酸素を必要としない「無酸素性エネルギー代謝」(主なエネルギー源はグルコースブドウ糖))に大別される。
www.kango-roo.com
↑細胞内部にあるミトコンドリアの働きについてわかりやすく説明しているサイト(初心者向け)。
ミトコンドリアとは|構造や機能をわかりやすく解説 | 生命系のための理工学基礎
ミトコンドリア内部でどのようにATPが産生されているかをもう少し専門的にきちんと説明しているサイト。


三大栄養素(タンパク質・糖質・脂質)+食物繊維

三大栄養素の基礎知識 タンパク質|すこやかネット
三大栄養素の基礎知識 糖質|すこやかネット
三大栄養素の基礎知識 脂質|すこやかネット
↑タンパク質(肉・大豆など)、糖質(米・小麦等のデンプン、果糖、オリゴ糖など)、脂質(肉の脂身、植物油、乳脂肪など / 卵などのコレステロール
http://www.j-milk.jp/kiso/eiyou/berohe000000efcp.html
↑卵の黄身などに含まれているコレステロールは脂質の一種だが、脂身や乳脂肪、植物油由来の脂質とは異なりエネルギーにはならない。細胞膜やホルモン、胆汁、ビタミンDの材料として使われる。※よって摂り過ぎたコレステロールはこれらの材料として使う以外に減らす方法がない。
「糖質」と「糖類」はどう違う?|品質のアレコレ|WEB品質保証室|安全・安心への取り組み|キリン
↑炭水化物の内訳(炭水化物から食物繊維を除いた分が糖質であり、糖質のうちぶどう糖・果糖などの単糖類と、砂糖・乳糖など単糖が2個連なった二糖類を糖類と言う(リンク先に図解あり)。
食物繊維の歴史と定義|大塚製薬
↑当初の定義は「ヒトの消化酵素で分解されない植物細胞壁成分」だったが、研究が進んだ結果、現在は「(植物性食品だけでなく、動物性食品起源も含めて)人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」を【食物繊維】としている。
食物繊維の分類と特性|大塚製薬
↑食物繊維には穀物や芋・野菜・豆・きのこ類由来の「不溶性食物繊維」と、海藻や果物・大麦由来のねばねば・サラサラした「水溶性食物繊維」がある。「不溶性」は吸水性があるため、大腸内で便の嵩を増やし蠕動作用を活発化させる。「水溶性」は吸着性があるため、小腸で胆汁酸やコレステロールを吸着し体外に排泄。また発酵しやすいため、大腸内でビフィズス菌が働きやすくなる。

消化の流れ

消化器官「消化管と消化腺」 / 中学理科 by かたくり工務店 |マナペディア|
↑「消化器官」とは、「消化管(口→食道→胃→十二指腸→小腸→大腸→肛門)」と、消化液を生成し消化管に送り込む「消化腺(胆のう・すい臓等)」からなる。
消化器(しょうかき)の勉強をしよう。
↑消化の流れ、栄養素別に消化・吸収の部位、時間をわかりやすく図解説明してるサイト。口から肛門までの全体図あり。
食物が吸収される部位:胃(アルコール・薬)、小腸(経口摂取した水の大部分・ほとんどの栄養素)、大腸(残った水分)
胃の不思議|胃自身が消化されない理由 - 第一薬品工業株式会社
↑胃液は一回の食事で約500~700ml分泌される。胃液の主成分は殺菌を行う塩酸(HCI)、タンパク質分解酵素であるペプシン、胃液から胃壁の粘膜層を守る粘液、および水分で構成されており、蠕動運動により食物と胃液が混ざり合い、食物の消化と殺菌が行われる。
胃腸のしくみと働き|胃と腸の事がよくわかる胃腸の健康
↑胃粘膜のどこから塩酸、ペプシン、粘液を分泌してるか図解してるサイト。
便の形成・体内から腸管への水分の移動|消化・吸収のメカニズム|排便のメカニズム|排便ケア|排泄ケア 実践編|排泄ケアナビ
↑口から入った食物は胃の中に一定時間とどまり、強い酸性の胃液と混ざり粥状になって十二指腸へと送られる。十二指腸では胆のうから送り込まれたアルカリ性の胆汁とまざり胃酸と中和。更にすい臓から膵液が送り込まれ栄養素への分解が進み、胃液・胆汁・膵液と共に小腸へ移動。消化器官から分泌される胃液・胆汁・すい液は1日に約6リットルと言われ、経口摂取した水分や唾液と合わさり、1日約9リットルの水分が小腸に送られ大部分がそこで吸収される。
便の形成・体内から腸管への水分の移動(2)|消化・吸収のメカニズム|排便のメカニズム|排便ケア|排泄ケア 実践編|排泄ケアナビ
↑便の形と移動時間の図解説明。大腸の移動時間が早すぎると残った水分が大腸で吸収されないまま外に出るため下痢になる。逆に滞在時間が長すぎると水分が吸収されすぎてちぎれたコロコロの固い便となって排出される。


口|からだとくすりのはなし|中外製薬
胃|からだとくすりのはなし|中外製薬
十二指腸|からだとくすりのはなし|中外製薬
胆のう|からだとくすりのはなし|中外製薬
肝臓|からだとくすりのはなし|中外製薬
すい臓|からだとくすりのはなし|中外製薬
小腸|からだとくすりのはなし|中外製薬
大腸|からだとくすりのはなし|中外製薬
↑消化器官の働きと食べ物や胆汁・すい液の流れをGIF画像で非常にわかりやすく説明しているサイト(初心者向け)。


https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1859
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1876
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1880
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1881
↑各種栄養素がどの消化器官でどの消化酵素によりどこまで分解されるかをもう少し専門的に図表で説明しているサイト。口から肛門までの全体図もあり。横隔膜の左下に胃があり、右下に肝臓がある。
食物が食道を通過するのに要する時間は、液体で約1~6秒、唾液とよく混ぜ合わせられた固形物で約30~60秒。胃では食物の粉砕・殺菌とタンパク質の分解が行われ粥状にして十二指腸(小腸の一部)に送り出される。すべての食物が送り出されるのに要する時間は約4時間(脂肪が多いともう少し長い)。食後5〜6時間もすると、1〜2時間の間隔で胃の空腹期収縮が起こる(残りかすを十二指腸に送る胃の清掃作業)。胃液は自律神経もしくは胃に食物が入ってきたときに出る消化管ホルモン(ガストリン)により分泌が促される。
粥状になって胃から送り出された食べ物は小腸(十二指腸→空腸→回腸から構成)を約4~8時間かけて通り消化吸収される。脂肪の分解を助ける胆汁は肝臓でコレステロールから作られた後、胆のうに送られて貯蓄・濃縮される。脂質・糖質・蛋白質核酸を分解する消化酵素はすい臓で作られる(一日当たり500~1,000mL)。十二指腸に食物が入ってくると消化管ホルモン(コレシストキニン)が分泌され、胆のうの収縮を促し、絞り出された胆汁が胆管を通って十二指腸に放出される。当時にこのホルモンはすい臓から消化酵素を多く含んだすい液の放出をも促し、膵管を通って十二指腸に放出される。尚、胆汁とすい液は十二指腸に放出される手前で一旦合流しファーター乳頭から十二指腸へ放出される。すい液には塩酸を中和する重炭酸イオンも含まれており、十二指腸に胃から酸性の物質(塩酸)が流れ込んでくるのを感知すると消化管ホルモン(セクレチン)が分泌され、重炭酸イオンの分泌を促すようすい臓に働きかけ、同時に胃酸の分泌を抑えるよう胃にも働きかける。
通常、大腸内の糞便はS状結腸で待機しており、直腸は空。胃に食物が入ると反射的にぜん動運動が起こり、糞便が直腸へ移動。直腸内圧が上昇し直腸壁が伸展し、その刺激で排便反射が起こる。排便反射は毎食事起こるがいちばん大きな蠕動運動が起こるのは朝食時。

補足:消化器官内における食べ物の通過時間

摂取した食物が残渣物として排泄されるまでにどのくらい時間がかかるの?|看護roo![カンゴルー]
↑一般的に胃に入った食べ物が十二指腸に送られる所要時間は約3時間。十二指腸から小腸で消化吸収され回盲部に送られるまでに約7~9時間。回盲部から上行・横行・下行結腸およびS状結腸までは約25~30時間、直腸に停滞しているのは約30時間を要するといわれている。
美BEAUTE(ビボーテ) | - キレイを発見する、Webマガジン -
消化にかかる時間は、胃の中で約3〜5時間、小腸の中で約5〜8時間、胃に食べ物が入り、肛門から排泄されるまで約40時間かかると言われています。食べ物によっても消化の時間は異なり、果物は約40分、野菜は約2時間、ご飯などの炭水化物は約8時間、肉は約12〜24時間かかる。
第5回 夕食のかしこい摂り方
↑消化にかかる時間は、ご飯・パン2~3時間、肉・魚は3~4時間、揚げ物は4~6時間。就寝時は副交感神経が働き腸の吸収作用が活発になると同時に、脂肪合成も盛んになるので、夕食後すぐ寝る人は体脂肪・内臓脂肪を溜めやすくなるので注意。


補足:アルコールの吸収

アルコールの吸収と分解 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
↑アルコールは胃から20%、残りは小腸上部から吸収される。消化酵素による分解を必要としないため、飲酒後1~2時間でほぼ吸収。吸収速度は小腸の方が速く、何も食べずにアルコールを飲むと酔いやすいのは胃に停滞することなく小腸まで一気に届き直接吸収されるため。胃・小腸から吸収されたアルコールは門脈を通り肝臓に送られる。

補足:消化管ホルモンの働き

消化管ホルモン
【人体】消化管ホルモン – SGSブログ
胃もたれの原因|タナベ胃腸薬ウルソ|田辺三菱製薬株式会社
コレシストキニン - Wikipedia
セクレチン - Wikipedia
↑消化管ホルモンの代表的なものは、ガストリン、セクレチン、コレシストキニンがある。

  • ガストリン:胃に食べ物が入ってくると反応。胃酸の分泌を促進。
  • セクレチン:胃から酸性の粥状液が送られてくることによって十二指腸の pH が低下すると反応。酸性を中和するため重炭酸イオンに富んだ膵液の分泌を促進し、同時にガストリンの分泌を抑え胃酸の分泌を抑制する。
  • コレシストキニン:十二指腸内に流れ込んだペプチド、アミノ酸脂肪酸に反応。消化酵素に富んだ膵液の分泌を促進させ、胆のうを収縮させることで胆汁の分泌を促進。同時に十二指腸にこれ以上食物が入ってこないよう胃の運動も抑制する。

そのほかにインクレチン(胃抑制ペプチド、グルカゴン様ペプチド)、血管作動性腸管ペプチド、モチリン、ソマトスタチン、グレリンなどがある。

  • 胃抑制ペプチド:十二指腸内に糖・脂肪・酸が流れ込むと反応。インスリンの分泌を促進し、胃酸(塩酸)やタンパク質分解酵素ペプシンの分泌・胃の運動を抑制する)
  • グルカゴン様ペプチド:小腸内の糖、食物繊維、ω3系脂肪酸EPAなど)に反応。すい臓のランゲルハンス島β細胞の増殖を促進させインスリンの産生・分泌を促進し、インスリンとは反対の働きをするグルカゴンの分泌を抑制する。
  • 血管作動性腸管ペプチド:体の部分によって様々な役割を持つので詳しくはリンク先参照
  • モチリン:空腹時に胃腸の運動を促進させ、消化管に溜まった各種の消化液を大腸に追いやる。空腹時にお腹が鳴るのはモチリンの分泌によって胃腸が収縮するから。
  • ソマトスタチン:消化管からの栄養分吸収抑制、胃酸やインスリンやグルカゴンなどの分泌を抑制。
  • グレリン:絶食すると胃から分泌。食欲を促進させる。

脂肪は消化に時間がかかるため、脂肪が長いこと十二指腸に停滞していると、胃の運動を抑制するコレシストキニンが分泌され続けることになり胃での消化が進まず胃もたれを起こす。食後、血糖値が上がる前に血中インスリン濃度が上がるのはこの胃抑制ペプチドが十二指腸内の糖に反応してインスリンの分泌を促進するため。

インスリンとグルカゴン(血糖値のバランスを保つホルモン)

1.なぜ、糖尿病では血糖値が高い状態が続くの?|患者さんのための糖尿病ガイド
↑血糖値が高くなると、インスリンが分泌され、血液中の糖(グルコース)を取り込むようにさまざまな細胞に働きかけるため、インスリンには血糖値を下げる働きがある。逆に血糖値が低下すると、活動のためのエネルギー源が血中に不足するため、グルカゴンが分泌され、肝臓内にグリコーゲンとして蓄えられた糖(グルコース)を血液中に放出するよう肝臓に働きかけるため、グルカゴンには血糖値を上昇させる働きがある。

補足:胆汁の働き

脂肪はどのように消化されるの?|看護roo![カンゴルー]
脂肪を消化するのは膵液中のリパーゼという消化酵素。しかし、リパーゼはタンパク質でできた水溶性の消化酵素(水に溶けることで機能する性質をもつ)。脂肪は水と混ざり合わないためこのままでは酵素の働きを十分にいかすことができない。胆汁は石けんのような界面活性作用を持つため、脂肪の分子を水の分子で取り囲みリパーゼが働けるようにする。
胆汁(たんじゅう)とは - コトバンク

補足:すい臓・すい液

http://www.htc.nagoya-u.ac.jp/~ishiguro/lhn/level2.html
胃から十二指腸へ流れ込んだ胃酸、脂肪酸アミノ酸が、十二指腸粘膜内にある内分泌細胞を刺激して消化管ホルモンが血中に放出される。それが直接または自律神経を介してすい臓の細胞に働く。膵液は、高濃度の重炭酸イオンを含むアルカリ性(pH8以上)の等張液に消化酵素を混ぜたもの。このアルカリ分泌(重炭酸イオンと水の分泌)によって、十二指腸内で胃酸が中和され消化酵素の至適pHに保たれることにより、栄養素の消化吸収が効率よく行われる。
膵臓のしくみとはたらき(すいぞうのしくみとはたらき)とは - コトバンク

補足:十二指腸

補足:肝臓の働き

https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1884

補足:胃の働き

胃の役割|オリンパス おなかの健康ドットコム
↑胃は入り口から噴門(ふんもん)、胃底部、胃体部、幽門(ゆうもん)前庭部、幽門とよばれる部位で構成されている。胃に食物が入ると【噴門】から【幽門】にむかってぜん動運動がおこり、噴門が閉じるとすぐ左下にある【胃底部】から胃液が分泌され、胃のぜん動運動により食物がすりつぶされ、胃液中の酵素ペプシンによりたんぱく質が分解される。胃で消化された食物がかゆ状になると幽門が開いて、少しずつ十二指腸に運ばれる(リンク先に図解あり)。
空腹のときにこそ胃は働く|ヘルスUP|NIKKEI STYLE
↑お腹がすくと胃がキュッてなる理由を説明してるサイト。(1ページ目)胃の筋肉は空腹時も毎分3回程度の自律的な収縮をゆったりと休みなく繰り返している。(2ページ目)空腹時の収縮は微弱で、消化のためにより強い収縮が必要になると迷走神経(自律神経の一種)が加勢する。大事なのは、1分3回という胃のリズムと、迷走神経のシグナルが同調していることで、ストレスなどで自律神経が乱れるとうまく同調できず胃が正常に動けない。(3ページ目)胃がすべての消化物を十二指腸へ送り出してから70~80分後、迷走神経がふたたびシグナルを発し強い収縮の波が毎分3回、5~10分間にわたって続く。これにより食物残渣(ざんさ)や古い粘膜をそぎ落とし、胃腸の中をきれいにする。空腹が続けば、強収縮は約90分ごとに起きる。
(※「迷走神経」とは脳神経の中で唯一腹部まで到達する神経)
http://www.myclinic.ne.jp/ishida_i/pc/faq.html
↑「空腹になるとよくお腹が鳴る」という相談に対する回答。長時間の空腹時に起こる胃のぜん動運動を「飢餓収縮」という。また食後何時間も経ったり、あるいは絶食時には、過量になった消化分泌物や腸内廃物を大腸に移動させる為の胃から大腸に向けてのぜん動運動が周期的に発生している。※「遊走運動」という言葉を使っているがここ以外で使ってるサイトが見つからないので専門用語ではないらしい。
過敏性腸症候群 - 徳島県医師会Webサイト
↑おなかが鳴るのを「腹鳴(ふくめい)」という。腸管内に存在する液体やガスがぜん動運動を伴って移動するときに発生すると考えられる。空腹時に胃が「グー」と鳴るのは胃内に生じた胃液が胃粘膜を刺激して胃の運動が活発化するときに発生することが多い。

胃が痛くなる理由

ストレスは胃にどのような影響を与えるの? 「ドクターQ&A」|セルフドクターネット
↑自律神経が乱れると、副交感神経が胃のぜん動運動を促進させ、胃液をたくさん分泌させる。その一方、交感神経が血流を減らし、粘液の分泌を減らす。結果、胃が荒れる。
エーザイのセルフケア製品情報 | エーザイの一般生活者向けサイト | Eisai.jp
↑「胃もたれ」とは、胃酸の分泌が減ったり胃のぜん動運動が弱まるなどしてなかなか消化が進まず、胃の中に食物が長いこと停滞してる状態のこと。
けんこう教室 胸やけを感じたら – 全日本民医連
↑「胸焼け」とは食道と胃の境(横隔膜のあたり)にある「噴門」を閉じるための下部食道括約筋が何らかの理由によって緩み胃酸が食道に逆流している状態のこと。食道がたるんだり(猫背等で背筋が丸まる)、胃を圧迫したり(肥満による出っ腹で腹圧が高い、下を向いてしゃがみ込むなどの姿勢をとる)、食道が胃と平行もしくは胃より下になる(食後すぐ横になる)ときに起こる。
睡眠課題・不眠の原因や改善方法を知る情報サイト | フミナーズ


クスリの服用と消化器官への影響

日医工株式会社
↑「食後」とは食後30分以内のことで胃に食べ物が入ってる状態。「食間」とは食後2時間以降で胃の中に食べ物が入ってない状態。(※つまり、食べたものは食後2時間もすると胃から次の十二指腸へと移動している・・・のかと思ったが、2時間程度だとまだ無理で、空になるには3〜5時間と書いてあるサイトが多い。理由は十二指腸での消化作業に時間がかかると胃から食物が送られてこないようストップをかけるためで、その間胃に食べ物が停滞し続ける)
日医工株式会社
↑服用の際にコップ一杯(180〜200cc)程度が必要な理由は、薬は水と一緒に飲むことで胃の中で壊れて吸収されやすくなるので、水が少なすぎると薬が食道にへばりついて炎症を起こしたり、薬が壊れずに薬の効き目が遅くなったり低下したりする。尚、唾液だけで溶ける薬も、吸収される場所は「胃」なので、溶けたあとはきちんと水を飲んで胃に落とし込む必要がある。
胃腸障害と薬の服用 | DRP
↑痛み止めと胃炎の関係。消炎鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)は痛みのもととなる物質を作り出す酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)の働きを妨げて、解熱や鎮痛、抗炎症作用を発揮するが、COXには痛みや炎症に関係するCOX-2だけでなく、胃粘膜を保護する物質を産生させるCOX-1も含まれており、COX-2の働きを抑えようとすると同時にCOX-1の働きも抑えてしまうため、胃が荒れやすくなってしまう。

糖の消化吸収の流れ(でんぷん→麦芽糖ブドウ糖→小腸で吸収)

でんぷんがブドウ糖となって体に消化・吸収されるまでのしくみ / 中学理科 by かたくり工務店 |マナペディア|
↑でんぷんは唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)と混ざりあって麦芽糖に分解される。アミラーゼは膵臓から出される膵液にも含まれており、唾液で分解しきれなかったものは十二指腸で膵液と混ざり合い完全に麦芽糖(マルトース)に分解される。麦芽糖は小腸にたどり着くと小腸から出てる酵素(マルターゼ)によりブドウ糖に分解され、小腸の内側にある柔毛というひだの中にある毛細血管から血中に取り込まれ肝臓に運ばれ、一部はグリコーゲンとなり肝臓に貯蔵、残りはブドウ糖のまま体全体に送られる。
デンプンとは - コトバンク
↑でんぷんとは、ブドウ糖グルコース)が複数連なった多糖類。結合の種類によりアミロースとアミロペクチンに分類される。両者の比率はでんぷんの種類により異なり、アミロースの比率はトウモロコシ・オオムギ・米や豆類は30〜70%、ジャガイモ20%、糯米(もちごめ)や糯トウモロコシは0%(アミロペクチンのみ)。
小麦と小麦粉の科学 高橋明弘(pdf)
でんぷんは炭水化物の一種である。「でんぷん(澱粉)」という名前は「水より著しく重く、水の中では白色の粉状に沈殿する」という特性に由来する。ビールの原料となる「麦芽」、日本酒の原料となる「麹」には強力な作用を持つアミラーゼが含まれており、でんぷんをアミラーゼで加水分解(水の作用により分子が分解される)した際の最終形態に「麦芽糖」という名がつけられているのは、麦芽のアミラーゼが特に強力でこれ以上分解できないことから由来する。
植物中にある生デンプン粒は結晶構造で存在しβデンプンと呼ばれる。これに水を加えて温めると60℃あたりで糊状に変化する。この糊化(α化)したデンプンをαデンプンという。βデンプンは消化酵素(アミラーゼ)の影響を受けにくいが、αデンプンは消化しやすい。
アミロース」はブドウ糖グルコース)が直列でつながったシンプルな構造で、熱水に溶けず、水との加熱により糊状(αデンプン)になり、冷えると固くなる性質がある。「アミロペクチン」はブドウ糖グルコース)が分岐して連なった複雑な構造で、熱水に溶け、粘度を示さず、冷えるとゲル状に固くなる。
[https://safety.kirin.co.jp/yomimo「糖質」と「糖類」はどう違う?|品質のアレコレ|WEB品質保証室|安全・安心への取り組み|キリン
【食物繊維】を除いた分が【糖質】であり、【糖質】のうちぶどう糖・果糖などの単糖類と、砂糖・乳糖など単糖が2個連なった二糖類を【糖類】と言う(リンク先に図解あり)。デンプンや糖アルコール、オリゴ糖はただの【糖質】(※ただし、ネット上に溢れる記事を読む限り糖質と糖類を明確にわけて使ってるわけではないので読むときに惑わされないこと)。
20. 低血糖 | 糖尿病セミナー | 糖尿病ネットワーク
↑空腹時にブドウ糖(単糖1個から成る。血中に取り込む際に消化酵素による分解を必要としない)を経口すると約3分後ぐらいから血中に流れ出す。砂糖(単糖が2個連なった二糖類なのでつなぎ目を切って単糖1個に分解する必要がある)も同じだが分解に時間がかかるだめブドウ糖と同量を服用しても血中に流れ出す量は2分の1程度。
難消化性デキストリン|大塚製薬
↑特保飲料に使われている「難消化性マルトデキストリン」とは食物繊維不足を補うためにトウモロコシのでんぷんから作られた水溶性の食物繊維。食事と一緒にとるとでんぷんの消化過程で生成される麦芽糖を食物繊維が絡め取り小腸からの吸収を抑えることができる(リンク先に図解あり)。ただし果糖・ブドウ糖グルコース)には作用しない。またCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)の吸収を促進する(※促進する理由は記載されてないため更なる深掘りが必要)。
多糖類としての難消化デキストリンの特徴|農畜産業振興機構
↑「難消化性マルトデキストリン」が糖類なのに食物繊維と呼ばれるのは、でんぷんから製造する過程において既に消化酵素による分解を行っており、酵素の分解力に耐えて分解されずに残った部分を精製してできた糖類だから、小腸で吸収されることなく大腸まで通過し食物繊維と同じ役目を果たす。「食物繊維」の定義はいまだ世界的に統一されておらず、広義的には「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」がよく使われている。故に糖である「難消化性マルトデキストリン」も広義の意味で「食物繊維」なのである。尚、「デキストリン」自体はグルコースだけで構成されたシンプルな多糖類なので消化吸収されやすい。それが製造方法にひと手間加えただけで消化されにくいデキストリン「難消化性マルトデキストリン」に変化する。(※難消化性とついていない「マルトデキストリン」は甘味が低く吸収されやすいエネルギー源としてアスリート向けに商品販売もされてる。名前は同じだが難消化性とは効能が真逆なので注意)


インスリン・糖・動脈硬化の関係

消化吸収と血糖値について教えてください。 1、吸収について 水… - 人力検索はてな
↑「食事中に血糖値があがるのは何故か?」という質問に対し糖質の吸収速度について説明してくれてる。
GIについて学ぼう|大塚製薬https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E6%8C%87%E6%95%B0
GIについて学ぼう|大塚製薬
GI値とは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったもの。
インスリンの役割|糖尿病とは|糖尿病を知ろう|糖尿病情報サイトDMTOWN
↑糖質の中でも、消化酵素で分解しなくても血管を通り抜けられる【ブトウ糖】が最も吸収速度が速い。しかし血管に取り込むためには小腸で吸収される必要があるため、口に入れてから小腸に到達し血管に入るまでに若干のタイムラグが生じるので、点滴で直接血管に送り込むか、水と一緒に飲んで一気に胃まで落とし込むのが最も早く吸収させる方法となる。
血糖とインスリンの関係
↑食事を取り血液中のブドウ糖の量が増えると、膵臓から瞬時にインスリンが分泌され(追加分泌)、肝臓や筋肉・脂肪細胞へ糖が取り込まれると同時に、肝臓での糖の生成が抑制される。食事をしていないときでもインスリンは一定量分泌され(基礎分泌)、肝臓で余分な糖の生成が行われないように気を配ってる。遺伝や加齢で膵臓の細胞が壊れインスリンが上手く分泌できなかったり(インスリン分泌低下)、肥満により脂肪組織から出る悪玉物質が糖の取り込みを阻害するなどして(インスリン抵抗性)、血糖値のコントロールができなくなる病気が糖尿病。
アディポサイトカイン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
↑アディポサイトカインとは脂肪組織から分泌される物質で善玉と悪玉がある。善玉物質(アディポネクチン)はインスリン抵抗性を改善し血栓を溶かしやすくするため動脈硬化を防ぐ。内臓脂肪が溜まると善玉の分泌が抑制され悪玉の血中濃度が高くなるため、悪玉物質の種類により血圧を高めたり(アンジオテンシノーゲン)、インスリン抵抗性を高めたり(TNF-α、レジスチン)、血栓を作りやすくする(PAI-1)。
http://www.dm-town.com/insulin/check/check01.html
高血糖な状態が持続すると細い血管がまず損傷を受け、末梢神経にも影響をおよぼし足の壊疽などにつながる。太い血管も損傷を受けることで硬化し動脈硬化等につながる。
老いは血管から?!動脈硬化と糖尿病
↑食後高血糖インスリンの分泌、動脈硬化の流れがよくまとめられてるページ