DVD『ブース』『心霊調査班レポート(1)』『死を呼ぶ幽霊船』『雨の町』『サイレン島』を見た

昨日から喉が痛くて映画はお休み。ツタヤが半額キャンペーン中ということもあり、Jホラーいっぱい借りてきました。「今日中に見終わるのか?(>自分)」と思いつつも、できたら久しぶりにまた感想一気書きしたいなと思っています。つーか、いま見てる『ブース』。時間的にもうそろそろ終わるはずなんだけど、全然結末が読めねー。

『ブース Booth』(監督・脚本:中村義洋)※内容は以前の日記を参照

えーと、中村監督、公開時劇場に足を運ばず大変失礼いたしました(だって開始時間遅かったんだもん、と言い訳。『ルート225』は観に行ったので許して〜)。これはスゴイです。「上手い!」の一言。マジで鳥肌立ったっつーか、いやホントやられました。ネタバレするとアレなんで詳しくは言えませんけど、観始めた時に予想した内容からどんどん話がズレていき、どこに着地させるつもりなのかまるで掴めなくなる展開が良い(しかもこれはこれで面白いんだ)。にもかかわらず「結局最初の話は伏線でもなんでもなく、投げ放しで戻ってこないブーメランもどき? 単なる掴みってことでOK?」とこっちがもうすっかりエンディングモードに入りかけた頃、遙か彼方から「ビュンビュンビュンビュン!」と近づく聞き慣れた音。「ん?」と目をこらすとわーい!ちゃーんと戻ってきたー!(感動!) これは見事な回収劇・・・・つーかいま私、ネタバレしたな(汗)。いや、大丈夫。観始めたらここで書いた話なんて忘れるから。そしてあの人の出現には「・・・へ? あんた誰?(戸棚バターン!)ああーっっ!オマエかああああ!!!」って絶対なるに決まってる(ならなかったらゴメンネ。いや、でも大丈夫。注意の引きつけ(逸らし)方が非常に上手いし、あの話からあのビジュアルを想像するヤツなんてまずいない)。それから本作には私の好きな「幽霊に視認される」というシーンが入っており、そこだけ繰り返し観てはいつも眼力に負けてつい目をそらしてしまう。ここは劇場の大画面で体験したかったが今更言ってももう遅い。行かなかった私が悪いのです。


『心霊調査班レポート 実際に起こった!最恐の心霊現象』(監督:継田淳 脚本:山崎圭司、藤本博之)

シリーズものらしく続編も置いてあったが借りたのはこちらのみ。実際に起こった心霊現象を体験者のインタビューと再現ドラマによって見せる4話構成の心霊ドキュメンタリー、、、と言いたいところだが、ありきたりなタイトルやパッケージとは裏腹に、内容も構成も随分と変わってる。故に『ほん呪』あたりを期待して借りると、拒否反応を示すか、どう受け止めたら良いのかわからず戸惑う人もいるかもしれないが、これは新しいジャンルです。ありのままに受け止めてください。


まずは、オープニングが恐いので目をそらしつつ(笑)、一話目の体験者の顔に“黒いぼかし”が入ってることに軽く驚く。“黒いぼかし”って久しぶりに見たなあ。それが逆に新鮮で、いかにもホームビデオな“明るい画面”との相乗効果もあって何やら「裏ビデオ」っぽい雰囲気を醸し出す。「再現ドラマ」って言ってるけど、二話目、四話目は「短編ホラー」に体験者インタビューをくっつけたって言う方がしっくりくる。再現ドラマとインタビューのバランスがあまり良くないのでテンポはいまいちなんだが、各話ともに異なる種類の予想外のネタを扱ってるので飽きることはない。映像表現としては第二話『田舎道』のクオリティがダントツ。脚本も画作りも非常に映画的だし、継田監督、これもうちょっと手元で暖めといてここぞってときに出した方が良かったんじゃない?(笑) 古澤監督の『怯える』を観たことある人は、体験者Y.Mさん(イニシャルそのまんまかい!w*1)が通りがかった車に逃げ込む様に「ああもうこれでこの人、死んだな」と思うだろう(笑。いや死んでないけど。インタビューに答えてるしw)。


そろそろフェイクにも飽きてきたし「なんじゃこりゃ!?」っていう予想外のヘンなもの、新しいタイプのOVホラーが見たい人にはオススメ。ただし、第四話『憑かれた女』は非常にエグいため、血とかゲロとか生理的にダメって人にはあまりオススメできない。そして、どうでもいいことだが、第三話に出てくる彼女は私が最近はまってるビリー○・ブートキャンプCMに出てる“せっかく痩せたのに「太ってた方がかわいい」と評判の20代体験者・宇高さん”に似ている(追記:本人でした)。


『壮絶!禁断の心霊スポット 死を呼ぶ幽霊船』(構成・演出:遊法仁)

パッケージに写る「錆びついた巨大廃船」の姿に惹かれて借りました。ナビゲイターが心霊オーガナイザー・池田辰雄ということで怖さなど始めから求めておりません!w 案の定、池田氏が女性リポーターと一緒に鹿児島の観光&心霊スポットを巡り、その地にまつわる歴史を紹介してゆくという「いい旅夢気分」にオカルト風味なBGMをさりげなくつけた仕上がりで、ロケ当日は天気も良く、桜島がとってもキレイでした(違っw)。西南戦争の遺蹟めぐりや、巨大なクスノキ(!)、イッシーでお馴染み池田湖といった観光地の紹介がメインとなるため、これから鹿児島に行かれる方には非常にオススメですね。いや、マジで。私もこれ見てちょっと行きたくなりました。ものすごーーーーく長いトンネルが出てくるんですよ。DVDでは明示されなかったけど「旧開門トンネル」っていう鹿児島では有名な心霊スポット(写真はこちら。音楽が鳴るので注意)。1本目のトンネルを抜けた所にあるアーチもステキなんだよなあ。そしてラストに出てくるのが本日のメインイベントでもある種子島の巨大廃船(写真はこちら)。ああ、最初から最後まで「いい旅夢気分」でした(一応最後に自殺霊とのコンタクトなどあるけどつまんないので割愛)。


『雨の町』(監督・脚本:田中誠)※内容は以前の日記を参照

公開時、監督×小中千昭トークショーの回に行くつもりで渋谷まで出かけたのに、『ウォレスとグルミット』を見てる最中に体調不良に襲われ、その後の日程調整がうまくいかず鑑賞を断念した作品。DVDでの初見となったが、これはなかなかの拾いもの。きちんと原作は読んだわけではないのでまっとうな比較はできないけれど、短編を引き延ばしたという割には、オリジナルで入れ込んだと思われる親からの虐待エピソードが本編と上手い具合に混じり合い、効果的に働いている。子供を使った《侵略もの》だけに、監督が意識したという「50~60年代の洋モノSF映画」の不穏かつ淡々としたテイストは、〈異形のもの〉となって還ってきた無邪気な幼子たちと、愛するわが子に非情な決断を下さねばならん年老いた親たちとの間のもの悲しい運命を際だたせるのにとてもよくマッチしていたと思う。〈異形のもの〉を『まだらの少女』でお馴染み成海璃子が演じたことにより、彼女が異形の姿を露わにしながら主人公と対峙する場面で日本の古い怪奇映画の雰囲気をも垣間見ることができたのだが、これは予定外の副産物なんだろうか。やはりこの子の古風な顔立ちは貴重。もう少し大人の女性になったらまた怪奇映画に出てほしい(海女さんモノとか…。いや別に脱がんでもいいですw)。本作で主演を務めた和田聰宏真木よう子はアフレコのせいもあって、あまり演技が上手くない(苦笑)。ただ、和田君は昨年撮られた『刺青』で「いままで悪かった。ようやく君の魅力が分かったよ」と頭下げたくなるぐらいの確変を見せてるし、真木よう子も『パッチギ!』では非常にいい芝居、存在感を見せてるんで、過ぎたことには目をつぶる。撮影時、本当に雨が降ってくれれば尚良かった。


『サイレン島』(発売元:クリエイティブアクザ)

旅番組のロケで伊豆を訪れた番組関係者が「音無島(おとなしま)」と呼ばれる無人島へ渡りゾンビに襲われるというフェイクドキュメンタリー。タイトルからも分かるとおり、本作は映画『サイレン』の便乗企画ですw。早送りすれば10分で見終わるZ級ホラー。「んじゃ『ノロイエ』クラス?」と思ったそこのあなた! それは『ノロイエ』に失礼。レベルでいえば『幽霊インタビュー』と同じ最下級クラス。ほんとしょーもない。クリエイティブアクザよぉ〜、いくらなんでもこれは手抜きすぎるだろ。借りるとき「どんなにつまらなくても早送りせず見届けよう」と心に決めたはずなのに、だらだらと続くデブ虐めのしょーもないミニコントに開始10分でギブ。スキップしながら斜め見してると30分過ぎたところでようやく本題へ。
詳しい内容はこちらを参照してもらうとして、唯一の見所は、真夜中、ひとりゾンビに捕まったデブ男がパンツ一丁で燃えさかる炎(焚き火)の中へと吊され焼かれゾンビたちに食される様を、逃げのびたカメラマンらが遠くから実況&撮影しているシーンだろうか。このデブ男の太り具合が絶妙で、わずかにずり落ちたパンツからはみ出るたるんだ脂肪がとってもセクシー(つーかリアリティ求めるなら全裸だろ!全裸!)。デブ男の至近距離で燃え上がる炎が尋常じゃない勢いになる瞬間があり、「いま、マジで焼けただろ?」とせっかく騙されてあげてんのに、直後に映されたデブくんが1ミリも焼け焦げてないってどういうことよ? どうせカメラ遠すぎてよく見えないんだし、首から上ススだらけにして頭髪からチロチロッと煙あげとけば十分楽しめるんだがなあ。出来損ないの偽ゾンビドキュメンタリーとみせかけて、実は低予算であるが故にキャスト死亡の大惨事映像をそのまま使ったスナッフビデオとして売り出す気はないのかっ!(笑) クリエイティブアクザさん、次はそんなのをお願いします。そしたら、本編60分中58分がしょーもない出来でも許しますって。



というわけで、今回はここまで。


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*1:理由が知りたい方はDVD画像をクリックしてリンク先の一番下を見てみてね。