ジャパニーズ・ホラーの行方

『ミートボールマシン』最終日に行われた山口雄大×高橋一生トークショーと、8月に行われた古澤健×黒沢清トークショーのレポです。ふたつ並べたのは山口・古澤両監督が70年代生まれの80年代ホラーブーム世代であり、心霊モノではない新たなホラーを築くべく動き出してる次世代監督だからなんですが、以下に紹介する黒沢清豊島圭介、山口雄大×西村喜廣特技監督)インタビューも併せて読んでもらうと、ジャパニーズ・ホラーがジャンルとして閉塞していくことへの思いや「心霊以外のホラーにも挑戦したい」という作り手の欲求みたいなものを感じていただけるのではないかと思います。


『LOFT』黒沢清監督インタビュー
『ミートボールマシン』山口雄大監督・西村喜廣特技監督インタビュー
『怪談新耳袋 ノブヒロさん』豊島圭介監督インタビュー



ぶっちゃけ、来年で映画版『リング』公開*1から丸9年になるんですよ。心霊ホラーは確かに好きだけど、さすがに9年も同じ味ばっか喰ってるとちょっとやそっとじゃ美味い!とは思えないっつーか、かつて食べた別の味も恋しくなる。。。いまの小学生なんか物心ついた時点で既に貞子がいたわけで、目にするのは心霊ホラーばかりだし、「ホラーなのに幽霊が出てない」と怒り出す子もちらほら出てきていたり、またその上の世代でも「ホラー好き」と自称しながら心霊以外の異物や奇形・異形を目の当たりにしたときに受け付けられない・理解できない・それが何か判断できないという受け手がいる、かなりいる、というちょっと深刻な問題も存在するんで、ここらで多様性見せつけて受け手の柔軟性を養っていかないと、今後いろんな意味でまずいんじゃないかと思います。


映画版『リング』生誕10周年にあたる再来年は、何の因果か策略か、火付け役となった高橋洋監督の新作がJホラーシアター第6弾として公開される予定になっている(はず)。そこで高橋監督には、何が何でも10年前に自ら産み落とした化け物をその手で葬り去っていただきたいのです*2。どうせキャッチコピーの出だしは「『リング』から10年…」でしょ? やはりそれぐらいのことはやってもらわなきゃ。ねー。どうですか、一瀬P?


というわけで以下トークショーレポです。


*1:1998年1月31日公開

*2:「ムリ!」とか言わなーい。