謎解きやミステリーが好きなくせに、犯人と結末をすぐ忘れる問題

私の中の『TENET』まつりが一段落ついて早2週間。正直淋しい。また謎解きしたい(長江さん、年末に小説出して)。まつりのフィナーレはここにしようと思っている池袋のIMAXレーザー『TENET』は、良い席が瞬殺すぎて取れる気がしない。このままだと気付いたら公開終了してそう。記憶があるうちにもう一回だけ疑問点の書き出ししておこうかなあと思う反面、フリーポートの見取図描いたらだいぶ満足しちゃって、モチベーションが日に日に薄れてきており、Blu-ray発売の頃にはどうでもよくなってそうな気配が高まってきた。とりあえずこんだけ楽しませてもらったのであと2ヶ月あるけど今年のベストワンは『TENET』にします。


なんだろね、50年近く生きてると、忘却の“彼方”って意外とすぐそこなんですよ。もはや彼方じゃなく“此方”です。脇腹のポッケに仕込んであるんじゃないかと思うぐらい身近になってます(ラッコかよ!)。3ヶ月ももたんもん。ドラマも一気見しないと伏線なんて覚えてないしね。溜め込んでる「日曜劇場 危険なビーナス」いつ観るべきか。Yahooニュースのネタバレ避けに必死ですよ。


そういえば『TENET』観に行くと、ケネス・ブラナーつながりでもれなく予告が流れていた『ナイル殺人事件』。無期限延期になったそうなので、犯人わかってるんだから日本だけでも12月に公開してくれよと思うけどダメなんだろか。ま、犯人分かってるっていっても私は覚えてないけどね(苦笑)。同じく予告かかりまくりでめちゃ楽しみにしてた『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』も来年に延期されちゃったし淋しい限り。


アガサ・クリスティといえば有名な『オリエント急行殺人事件』。その犯人を定期的に忘れるんだけど、なんでかな。リメイクのたびに新鮮な気持ちで観れるのは良いことなんだけどあまりにも忘れすぎだと思うの。ノーランの『プレステージ』も「結末は絶対誰にも話さないでください」と注意書きまでされたあの衝撃のトリックを忘れてたし、「メメント」も衝撃の真相のことをすっかり忘れてたし、途中のシーンはすごく覚えてるのに肝心の犯人や結末を忘れてることが多いのは何故なんだろう。実はそこに至るまでの“過程”が大好きなだけで、犯人も結末もどっちもたいして興味がないのかもしれない(だから忘れちゃう)。


同じ作品を何度でも新鮮な気持ちで楽しめるのでメリットしかないように見える「犯人や結末を忘れちゃう問題」だけど、ひとつ大きなデメリットがあって、感想を書くときにネタバレ避けで「あんなことになるなんて」「アレはないだろ」みたくぼかして書いたら、数年経って再読したときに「あんなこと」や「アレ」がなんなのかすっかり忘れてもやもやするっていう。。。『TENET』のクライマックスのアレもそのうち完全に忘れると思うし、いまとなっては「観たけど“アレ”がなんなのかわからなかった。“アレ”って結局どれ?」っていう事態が訪れるコトの方が怖い。


めっちゃドン引きした『湯を沸かすほど熱い愛』(2016年公開)の最後のアレも忘れちゃうのかな。忘れちゃうんだろうな。「ドン引きした」っていう感情だけいつまでも覚えていて、再見時に改めて衝撃を受けるのか。未来の私よ、覚悟して。涙腺が閉まるほどの熱い愛、だよ。


同じく2016年に観た『ドント・ブリーズ』はどうだろうと思ったけど、大丈夫。ドン引き箇所とイラッときた箇所はいまだ鮮明に覚えてる。人間、怒った方が繰り返し反芻するから記憶の定着力がよくなるのかもしれない。



ちなみに2004年に観たイタリア映画『ぼくは怖くない』。当時観て号泣放心するぐらい衝撃の結末だったにもかかわらず、もう何年もどんな結末だったのか思い出せない(汗)。小麦色の草原がサーチライトで照らし出される映像は覚えているんだけど、捕らわれていた少年が実は宇宙人で、ラストに巨大UFOが深夜の草原に現れることでそれが判明するって結末だったのかなあ(もしくは彼は本物の天使で翼が生えて神々しく飛んでゆくとか)。ネタバレ気にせず結末をちゃんと書いておけばよかった(涙)。いつか再見できる日がくるのだろうか。くるといいな。