『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』に行ってきた(@東京現代美術館)

去る9月19日(水)に、7月10日から10月8日まで東京都現代美術館で催されてる企画展示『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』に行ってきました。さっきニュースが出てましたけど、今日でついに来場者20万人を突破したようです。それを記念し9月28日、29日にイベントが催されるそうなのでまた混みますねえ(苦笑)。
庵野秀明“館長”『特撮博物館』来場者20万人突破に感謝


まず最初に訂正をひとつ。先日、「平日も結構混んでるから土日に行く人は気をつけて〜」と軽く言いましたが、9/22(土)に行った人のブログを読んでその現状を目の当たりにした結果、速やかに訂正させていただきます。


土日には絶対に行かないでください!


平日も結構混んでるとか言って悪かったよ。土日に比べたらがら空きだったよ。なにその「チケット買うのに20〜40分待ち」「入場するのに20〜30分待ち」「ミニチュア撮影ルートに入るのに1時間待ち」って(驚愕)。私が平日行ったときはちょうどお昼の1時半頃だったけどチケットだって並ばなかったし、「巨神兵東京に現る」だって3回も見れちゃったし(土日は通り抜けすら困難らしい)、混んでて物理的に逆走が無理だったのは地下の「特撮美術倉庫」ぐらいでそれも単に道幅が狭かったからだし、唯一15分並んだ「室内ミニチュア撮影ポイント」は土日だと何時間並んでるの?(怖)。とりあえずそれでも土日にしか行けないという人は以下のブログに写真付のレポが載せてあるので、それ見てそれなりの覚悟を決めて出かけてください。
http://blog.livedoor.jp/minhir3151/archives/51223841.html 
http://jaydash.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-aa93.html
http://bunkasaikibun.hamazo.tv/e3857194.html
ちなみにチケットは事前購入もできます。またガシャポンで500円玉を使うことになるので、あらかじめ何枚か用意していかれると、両替の列に並ばずに済みます。また昨日みたいにどしゃぶりだと日曜でもそこまで混雑してないようです。


以下、長いので畳みます。混み具合や所要時間等は平日に行かれる方のみ参考にしてください(といっても残り2週間を切ったので今後どこまで参考になるか)。


新宿経由で大江戸線に乗り「清澄白河」駅で下車(美術館までの交通案内はこちら)。他に半蔵門線清澄白河」駅というルートもあるようですが、時間があったら通り道にある『深川江戸資料館』にも寄りたかったので大江戸線で行きました(結局寄らなかったけど)。降りて「A3」出口より地上へ。出て左に曲がると「深川資料館通り」の手前にMO+のかかしが置いてあり「現代美術館はあちら」と案内してくれています。
 
駅から美術館までは約13分。駅に着いたのが12:50頃だったので13時過ぎには着けるかなという読みをあっさり覆してくれたのが、運悪くこの時期だけ異形の住人が立ち並ぶ《魔道》と化した「深川資料館通り」でした。


これが入り口なんだけど、左に青いへんなのが映ってるよね。どう見ても「ドラ」的ななにかが。道端に変なものが落ちてると確認せずには居られない性分なのでもちろん近づいて見てみたわけです。


なんだろこのいいしれぬ何かが芽生える造形物。名札がついてるので見てみると「明治小学校2年2組 努力賞」って書いてあった。努力賞って何? なんなのこれ? 見回すと似たような造形物が道の両側に点々と置かれている模様。



「オッケ〜」って、ローラかよ(作品名見たらローラだった)。奥にある緑の看板をみると、どうやら「第15回かかしコンクール」なるものが行われており、9月17日に現代美術館で優秀賞の発表があったらしい。なるほど、それを飾っているのか。こちらの記事によると9月17日まではこの通りに150体も並んでたとか。いまは優秀作品しか並んでないのでちょっと悔しい。



奥に見える赤い巨人は言わなくてもわかりますね。和田アッコさんではありません。謎の人物から旬の芸能人までいろいろと立ち並んでおります。そんなこんなで我を忘れてかかし確認を行ってるときにふと目に入ったのが・・・

そうだ。そうだった。私は今日コレを観にきたんじゃないか。既に13時20分。何をやっているんだ! 我に返り、帰りにまた見ればいいよと欲望を抑え込んで目的地へ向かっていざ直進(したかったけど路地裏とかもいい感じでなかなか歩みが進まないのよね。汗)。



右手に花屋が見えたら目の前にある大通りを右折。まっすぐ行くと左手に今日の目的地「東京都現代美術館」が見えてきました(やっとついた)。


そうっスよ。これを今日は観に来たんですよ。しかし既に時刻は13時半。閉館(18時)まであと4時間半。結局、立ち並ぶかかしに誘惑され続けた結果、13分でこれる道程に40分もかかってしまいました。大誤算です(その割に写真ほとんど撮ってなかったんだよね。見てただけ? なにその時間泥棒)。


というわけでいざ中へ。ここから先はしばらく写真がないので口頭説明でいきます。まずは入ってチケット売り場へ。平日だけに全然並んでなかったです。チケットは大人1400円。このチケットで常設展も見ることができます。また隣の会場では同時期に「Future Beauty 日本ファッションの未来性」という企画展もやっていて、特撮博物館のチケットと一緒に買うと500円で見れたような気がします(値段はうろ覚え)。道端で出会ったオシャレな若者たちはみんなそっちに行ってしまいました(爆)。


いざ中へ入ろうと思ったら、美術館のお兄さんが「いったん中に入ると地下に行くまでトイレがありません! 中に入る前にすませといてください!」と声を張り上げてお知らせしてくれてたので、まずは1F奥にあるトイレへ。ここは図書館もあるんだね。ちなみに言うまでもありませんが、展示会場内は飲食禁止。そんな中、水も飲まずに4時間5時間過ごす人がざらにいる特撮博物館。ダイエットにはちょうどいいと思います(実際、この日ちょっと痩せたわ)。


入口受付でチケット切ってもらったら、そのすぐ左手の壁に順路を記した展示MAPが置いてあります。忘れず1枚引き抜いてください。時間配分を考えるのに絶対必要です。裏面にも美術倉庫の解説とかいろいろ書いてあるので、キレイな状態で持ち帰りたい人はクリアファイルを忘れず持参(このすぐ先にも樋口監督の手書き紹介文が置いてあるし、音声ガイドを借りるともっと詳しい展示MAPがもらえます)。
 
左が1F、右がB2Fの見取り図です。入り口入ってすぐのところ(「挨拶」の手前)で「音声ガイド」(1人500円、ペア800円)の貸し出しを行っています。こちらに写真がありますが、電話の子機みたいに耳に当てて聞くタイプで(ペアで借りるとヘッドフォンも貸してくれるとか)、長時間だと結構腕が疲れるのでイヤホンを自前で持って行くことをオススメします。解説件数70件(約60分)、清川元夢さんのナレーションでほとんど全てに特撮音楽のBGMが入ってます。会場はもちろん音楽などかかってないので、展示と関係のないところでもBGMとしてかければ雰囲気作りに貢献してくれます。


展示はほんとにもりだくさんで、1F展示の前半は様々な特撮映画で使用された模型やヒーローマスク、劇中で使用された新聞記事に、宇宙船やウルトラマンの原画・デザイン画も多数飾られており、じっくり見てたら「巨神兵東京に現る」の映像視聴コーナー(1F見取り図左上)にたどり着くまでに1時間半もかかってしまいました(汗)。残る時間は3時間、うち1時間はミニチュア撮影コーナー用に取ってあるので、実質2時間で残り全て回らなければいけないという過酷なスケジュールです。


平成ガメラ日本沈没のミニチュア模型コーナー(ここも写真撮りたかった…)を抜けると、約9分の短編特撮映画「巨神兵東京に現る」の映写会場です。ドアなどで仕切られてはおらず(故に音声は外にダダ漏れ)、映像は約3分ほどのインターバルを置きながら常時流れており、途中で出るのは無理ですが、途中から入るのは全然OK。ラストの「火の七日間」シーンはほんとに素敵で結局3回も見てしまいました(ここでまた30分のロス。残り1時間半)。スクリーン前には50席ほどのイスが置かれており、私が行ったときは、常時10〜30人程度の立ち見が出てるといった感じ(まだまだ後方に余裕有り)。席がスクリーンに近いためイスに座るとかなり見上げる形になり、ぶっちゃけ足が疲れてなければ立ってた方が見やすいです。カメラの目線が、家の中からだったり、地上からだったり、巨神兵に襲われる様を見てる人間たちの目線で撮られていることが多いため、会場後ろのほうから見てると、途中から入場してくる観客や、立ち見のお客さんたちのシルエットが映像に重なり、まるでニュース映像を伝える街頭テレビに群がる人々や、ビルの中から巨神兵の破壊を見守る人たちのようにも見えてとても不思議な気分でした。ちなみにこの空間だけ異常に冷房が効いているので、途中トイレに行きたくなるかもしれません。が、ここで残念なおしらせ。見取り図を見てもらえば分かるとおり、この先にもまだ15分のメイキング映像コーナーと展示物が待ち受けており、地下のトイレにはまだまだたどり着けません。なんとか我慢してください(ほんとにダメなときは美術館スタッフに泣きつけばなんとかしてくれると思います。たぶん)。


短編映画の後「軌跡」と題されたコーナーでいま見た映画の絵コンテや巨神兵のデザイン、背景画が展示されており、メイキング映像(15分)もここで見ることができます(インターバル無しで流れっぱなし。イス有り)。ちなみに日テレの特番で流れたメイキング映像とは別モノです(たぶん。もう年取るとるとさ、記憶力が弱くなるのよ)。いい年こいたオッサンたちがスッゲエいい笑顔でキャッキャキャッキャはしゃぎながら作ってる様を羨ましく見ることができます。巨神兵の操演の模様が詳しく紹介されているのでマリオネット好きにはたまらないかと思います(そういやいま公開中の『白雪姫と鏡の女王』にもマリオネット出てきたよ。ティペット・スタジオ制作の)。また脇に展示されてる東京のミニチュア模型が森ビルの例のやつで、これがね、どんだけ見てても飽きない。できることならバイトで潜り込んで一緒に作りたかった。知ってる人は知ってると思うけど、建物を実物と同じ形状で切り出して、着色ではなく、そこに航空写真や外観写真を加工したものを貼り付けて作ってるんだよね。だから精巧なの。で、切り出すことが出来ない草木だけは、モコモコ(って余所でも言うのかな。私が模型工房でバイトしてたときは食器洗いに使うナイロンスポンジ(スコッチブライト)をミキサーで砕いて着色したものを使ってました)をはりつけて高さとふくらみを出してる。


んで、ここを出るといよいよB2Fのフロアです。降りるともう1Fには戻れないのであしからず。尚、トイレに行きたい人は、エスカレーターを降りたところにあるので、「特撮美術係倉庫」の外観に気を取られてうっかり見落とさないよう気をつけてください(倉庫内部は道幅が狭いので、人波に逆らってここを逆戻りしてくるのは結構大変)。


倉庫内部は、戦艦・戦車・機関車、ゴジラキングギドラの着ぐるみなどが展示されてます(「巨神兵〜」に出てきてキャンキャン騒いでた例の子もちゃっかり保管されてました)。そこを抜けると円谷英二のコーナー。そして「技」「研究」と題された特撮技術の紹介展示に入ります。ここも各所に数分程度の映像コーナーが設けられてるので以外と時間食います(汗)。日テレの特番で流れたメイキングの一部(崩れ落ちるビルや回る火炎)はここで見ることが出来ます。有名な零戦飛行の特撮模型もあり。大好きなオプチカル合成の合成方法がしっかりと紹介されてたのも嬉しかったです。



そしていよいよ、本日のメインイベント! 特撮スタジオ・ミニチュア撮影コーナーです!(わーい)  なんとか17時前にたどり着けました。実はこの場所、1Fからも覗けるし、美術倉庫から円谷英二コーナーへ移動する際にも様子を見ることができるため、要所要所でテンションあげられてたんですけどね。


まずは肩慣らし。特撮スタジオ横にこじんまりと展示されてる小物コーナーです(ちなみに画像をクリックして別ページに飛び「オリジナルサイズで表示」をクリックするとより大きなサイズで見ることが出来ます)。

その脇の柱には特撮スタジオ・ミニチュアセットの説明書きが(手ぶれ補正のないカメラで撮ってるので大きなサイズで見ても文字はたいして読めないです。汗)。


そしていよいよ特撮スタジオの中へ。

意外と空が低いので、東京タワーのてっぺんまでキレイにおさめようとすると悲しい感じに仕上がるのが残念。


ちなみに平日閉館直前の混雑ぶりはこんな感じです。


そして私が唯一15分並んだ撮影ポイントがこちら。

並んでから半分ぐらいはけた状態です。閉館間際ということで並んでる人が皆撮れるようにという暗黙の配慮が働き、思ったよりサクサク動きました。時間に余裕の無い人は待ってる間心臓に悪いので、先にこちらを撮影してから特撮ステージの方を撮った方がいいと思います。


閉館まで残り5分。ショップ内を一瞥し図録買って巨神兵のミニチュアが入ってるガシャポン(500円)1回だけやって出てきました。このときも両替機には4人ぐらい並んでたので、あらかじめ500円硬貨をいくつか用意してから行った方が良いと思います(うっかり音声ガイドで支払わないように。あれも500円ですから)。



さらば特撮博物館(写真ブレブレやないか)。


外に出るともうすっかり夜です。今日は夕景がとっても美しかったのに空写真撮れなくて残念(場所によっては虹が出てたんだって?)。



というわけで、、、

またきましたよ。資料館通り。何故って? 夜のかかしを撮るためですよ!(いや、家に帰るためです) この時間だとさすがに不気味。ある意味肝試し。近所のコドモは泣かないのかしら。

ちなみにスペインの修復されたキリスト像もかかしになってたけど、撮るの忘れた(汗)。気になる方は樋口真嗣監督が撮っててくれたので(笑)、こちらでどうぞ。


かかしにまじってハロウィンが近いからでしょうか。扮装したお姉さんが立っていたので思わず話しかけてみました。


わたし「長袖暑くないですか?」
お姉さん「朝晩はだいぶ冷え込んできたので」
わたし「一瞬かかしかと思っちゃいましたよ(苦笑)」
お姉さん「かかしです」
わたし「はい?」
お姉さん「かかしです」


わたし「・・・なに言ってるのかなあ」
お姉さん「かかしです。よく間違えられるんです。」




壊れたお姉さんを振り切り大江戸線へ。

ローラは夜の方が魅力的でした。そんなわけでさらば深川資料館通り! さらばかかしどもよ!



ちなみに、ガシャポンであたった巨神兵は↓これだった。

一番欲しかったヤツ。でもちょっと頭下げすぎじゃね? せっかくだから遊んでみた(細かい造形を見たい方はクリックすると大きいサイズで見ることが出来ます)。
 
スッゲエいい被写体w。「俺様が巨神兵だ」「喰っちまうぞ」「ヒャッハァァァァアアア!!!!」「こ、腰が・・・」ってそんなキャラじゃないのに。