『鉄男 THE BULLET MAN』を観てきた(@立川シネマツー)

週末に観てきました。場所はワタクシ御用達のシネコン、立川シネマシティの新館シネマツーです。わざわざ塚本監督のみならず専門家まで呼んで音響調整しただけあって「爆音ぶりがパねぇ」との情報が多数あがってたこともあり無性にwktkが止まらなくなってきたのでやることほっぽり出して雨の中観に行きました。


劇場につくと監督のサイン入りポスターがお出迎え。


そこには「監督の意図により壁や床が振動するほどの音量で上映します。体調がすぐれない方、心臓が弱い方は十分にご注意ください」との注意書きが…。

ちなみに、予告もなくいきなり始まるのでこれから観に行く方は遅刻しないように気をつけて。


結論から言うと、《爆圧体感映画》と銘打つだけあって、いやあもう思わず笑ってしまうぐらいの《音撃》!w 爆音なんてもんじゃない。まさに《爆圧》ですよ《爆圧》! 音量もさることながら、時には心臓に鈍い痛みが走り、服の裾がびりびりするほどの波動に、ひじかけを掴む両手に思わず力が…。座席にぶち当たった音撃が背もたれを通じて背中を押し上げてくるなど、前から後ろからやられたい放題。クライマックスになると「着陸態勢にでも入ったのか?」と思うほど振動がヒートアップし、謎の地鳴りが定期的にやってくる特殊効果まであって(たぶん劇場の傍を走るモノレールのせい)、アトラクション映画として非常に楽しい空間に仕上がってました。


作品自体は『鉄男』リメイクというより、『鉄男』をベースにここ数年の監督の嗜好(志向)をさまざまに盛り込んだ集大成的作品になっており、『ヴィタール』や『悪夢探偵』など最近撮られた作品と重なる部分がとても多かったです。「CGを一切使わない」という話に期待も高まったのですが、1作目のような「ピクシレーション(実写コマ撮り)」オンパレードとはならず…。日頃より「『鉄男』の魅力・勢い・スピード感の6割はコマ撮りで出来ている」と思い込んでる身としては、(説明的な展開も含め)コマ撮りがほとんど無く、鉄男がツリーマン化してる時点で本作の魅力も6割減といった感じでしょうか。まあ、今回は《爆圧体感映画》なのでね。そこが楽しめればいいんじゃないかと。実際音響面に関しては「絶対DVDじゃ再現できない!」と断言できるぐらい最高の環境で観れて満足です(でも1回観ればいいかな)。


まあそんな感じで劇場を後にしたのですが、駅までの道程をてくてくて歩いてるときにふと気づいたんですよ。「そういや、スクリーンの中央真下にむきだしで置かれてたあのでかい物体はスピーカーだよな」と。「前から10列目でこれだけの《音撃》を受けるんだから、一番前、あのフロントスピーカーの真ん前の席で観たらどうなっちゃうの?」。・・・気になったらいてもたってもいられなくなり、日を改めてもう一度観に行くことにしました(また1800円払ったの?>いや、会員価格の1300円。水曜だとレディースデイ1000円になるけどそれまで待てなかった)。今度は一番前で…といけたらよかったのですが、さすがに首が痛くなるので前から5列目の席を確保し再チャレンジ(もちろんど真ん中です)。


そしたらあーた、もうビックリ。もうビックリですよおおお!!!


「同じ作品か?」と思うぐらい印象が違う。スクリーン(およびスピーカー)からの距離を半分に縮めただけでこうも変わるのかと。音撃は前回の5割増し。振動もパワーアップ。首が痛いからと首の後ろにカーディガンを枕代わりに挟んでたら、ことあるごとにビリビリビリビリ震えて可笑しいったらありゃしない。何よりも、プチIMAX状態で観た『鉄男』は映像への没入感がまるで違う。前回「え?この程度なの?」とがっかりしたシーンに鳥肌立ててる自分にビックリ。近づいてわかったけど、これ、本来はIMAXで観るべき映画なんですよ。己の視界を埋め尽くしてはじめてその効果も最大限に引き出される。あえて動きを追わず、視野全体で映像をとらえていると、鉄男と化した主人公や目前の彼に怯える敵方の視界が突如自分のものとなり「おおっ!」と感嘆の声がもれそうになる。いや−、席ひとつでこうも変わるのかと。これを体験しちゃうともはや後ろの席には戻れない。視界って大事だね。次はどこの席で観るかな?(え? 1回でいいとか言ってなかった?>それは言わない約束です)


というわけで立川まで観に来る時間的金銭的余裕のある方は是非一度体感しにきてくださいませ(できるだけ前の方の席で)。一応、初めて来られる方のために詳しい行き方を説明しておきます。6月に『THIS IS IT』再上映もありますので参考になさってください(館内写真・説明はこちらを参照されたし)。

立川シネマツーへの行き方


JR中央線立川駅」下車。立川駅北口(写真(1))を出て左手の道をモノレール(写真(2))の方に向かって歩いて行き、HMVやライトオンが入ってるビル(写真(3))の右脇の階段(写真(4))を下りて少しいったところに立川シネマツー(写真(5))があります。駅から徒歩7,8分。写真(6)は旧館立川シネマワン(本来邦画はこちらで上映されることが多い)。写真(3)のビルにはオリオン書房ノルテ店があり、ここのラウンジでは1杯150円でコーヒー・紅茶・ココアといったドリンクを提供(持ち込みは不可。追記:2015年に改装しラウンジは喫茶店に変わりました)。ちなみに5/30(日)にはこのラウンジで『バンド臨終図巻』のトークショーが行われる模様。「『鉄男』を観るためだけに立川くんだりまで行くのはちょっと…」という方は併せてどうぞ(予約受付中)。

ノルテ店 バンド臨終図巻刊行イベント
『バンド臨終図巻』(河出書房新社)刊行記念トークイベント「納棺GIG at 立川2010」
2010年5月30日(日)
午後4時〜(開場午後3時半)
場所:オリオン書房ノルテ店ラウンジにて
料金:500円(メールか電話で要予約)
ゲスト:速水健朗栗原裕一郎長嶋有
関連:http://twitter.com/bandrinju


立川シネマシティ(シネマツー)公式サイト


関連過去記事:やはり『鉄男 THE BULLET MAN』@立川シネマシティの音響はすごいことになってるらしい