『ノロイ』『蝋人形の館』『日曜日は終わらない』『樹の海』『ルート225』『心中エレジー』『サイレン』『交渉人 真下正義』の遅ればせながらこれだけは言いたい

ここ1年ぐらい、余計なこと考え過ぎてぜんぜん感想書けないでいるけど、日が経っても頭の隅にこびりついてることがあるんで、この際まとめて書き出しとこかなと思う。いや、書かないかも(どっち?)。とりあえずタイトルだけ列記。無駄にアンテナあがりまくるかもしれないけど、テキトーに無視してください。よろしくです。

ノロイ

時々「ノロイ 謎解き」で検索かけられるけど、しませんから!(笑) 意外とうまくつながんないのよ、コレ。観直した時にいけそうだったらいきます。自分の中でこの作品は「ロード・オブ・ザ・リング」と被る(フロド=まりかちゃん、サム=小林さん、ガンダルフ=堀さん、ね。いや、単に「ガンダルフ=堀さん」って書きたいだけなんだけど)。そして『ノロイ』の半分は「少年ジャンプ」で出来ている。だから小学生はどんどん観るべき!(世田谷ハト大量死事件で「ノロイごっこ」できなかった君らは負け組) 作品において最も賞賛されるべきことは、胡散臭さ200%の電波おやじ・堀さんが「ホンモノだった」という事実。「カゼッタ岡さんが本当の宇宙人だったらいいのに…」と心の隅で願い続けてきた人々に夢と希望を与えてくれた功績は大きい。太った人ほどかっこいい役でキャスティングされてるのは監督と一瀬Pの陰謀だろう。DVD特典を見ると、痩せてきた監督の顔が微妙に「かぐたばのお面」と似てきていた。ま、まさか・・・!? 


ちなみに白石監督の新作は『口裂け女』。主演は、事務所移籍でフットワーク軽くなった水野美紀。キャスティング理由はきちんと本人に伝えたんだろうか。「水野さんって、笑うと口が裂け(ry」。

蝋人形の館

主演は『24』のお騒がせ娘、キム。本作でもあいかわらずだった。その友人役でパリス・ヒルトンが出ているが、キムと並ぶと育ちの良さが歴然としてることにビックリ。あばずれてもお嬢様。庶民と比べると品がある。モンスターの悲哀って大好きなので、引き裂かれた兄弟が再び重なるシーンにグッときた。

日曜日は終わらない(再見)

後になって、実は「特定の人物」にものすごく感情移入しながら観てたことに気づき愕然とすることがある*1。どうやら自分、この作品を初めて観た時、主人公の水橋研二にものすごく感情移入してたようで(自覚ナシ)、昨年再見するまで、ピンサロのお姉さん(林由美香)も水橋研二に「気がある」んだと思ってた。ところが見直したら全然違うわけ。こっちは「なんなら駆け落ちでも」ぐらいの気分で観に行ったのに、向こうは全然そんな気なくて、なーんか無性に失恋気分(どんだけ感情移入してんだよ)。公開が決まったとき、ここで「とにかくピンサロのお姉さんが可愛いんだ!心のオアシスなんだよ!」と散々煽ったけど、「いや、そんなでもなかったよ」という人がいたらごめんなさい。あの時は完全に「恋は盲目」状態でした。ほんとスイマセンでした。キャバクラ行っても勘違いしないように気をつけようっと(行かないけど)。でも、2年ぶりに見たピンサロのお姉さんはやっぱり可愛かった。一度かかった恋の魔法はなかなか解けないのです(そしておそらくもう永遠に…)。
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樹の海

公式サイトに載せられた監督コメントに興味をもち、「ここで書かれてることがそのまま作品に生かされているのなら」と観に行きダダ泣きさせられた映画。ちゃんと感想書こうと思うと頭の中いっぱいになっちゃうので2つだけ。


様々な想いを抱えて自殺の名所といわれる青木ヶ原樹海に足を踏み入れた人々を描いた本作は、独立しながらも微妙に絡み合う4つのエピソードによって希望への道筋がつけられてゆく。その中のひとつに、公金横領に手を染め組織にボコボコにされたあげく樹海に遺棄された男が自殺死体と一晩過ごすことで生きる意欲を取り戻すエピソードがある。萩原聖人演じる主人公が、「田中さん」という中年の首つり死体相手に、己のさえない人生を愚痴りまくるというユーモラスなシーンが続くのだが、観ているうちにふと「ああ、これってアリだな」という感覚に襲われた。つい先日もニュースになったけど、病気で突然死んでしまった家族をフトンに寝かせたまま、医者も呼ばず、火葬もせず、何ヶ月も一緒に暮らすって事件があるじゃない? 普通だったら、腐敗して白骨化してく人間をそのままにしておくなんて、キモイし、臭いし、ちょっと常人には理解しがたい行動だけど、樹海という隔離された世界で「田中さん、田中さん」と親しげに死体に話しかける萩原聖人の姿観てたら、ふと、数ヶ月前に死んだ父親の遺体姿思い出し、「ああ、全然アリじゃん」と納得できた。これまでニュースになってきた人たちもさ、毎日毎日、こんな風に、ひきこもった家の中で死んだ家族に話しかけてたのかもしれないよ。井川遥主演のパートでは見慣れたあのキヨスクの狭い空間を、そこで働く人の「城」と捉えていたのが新鮮だった。

ルート225

ダイゴ、かわいいよダイゴ。うちの弟とトレードしようw。嶋田久作(父)、石田えり(母)、多部未華子(姉・エリ子)、岩田力(弟・ダイゴ)この4人を親子としてキャスティングした人は神だ! 信じられないことだが、間に石田えりを挟むだけで多部未華子嶋田久作が実の親子に見えてくる。似てるんだ(顔が!)。弟・ダイゴも石田・嶋田夫妻にこれまたよく似ており、子供たちの顔がさほど芸能人ズレしてないおかげで、4人並ぶと本当の家族みたい。必死になって両親のいる元の世界へ戻ろうとする子供たち、というシチュエーションも余計リアルに迫ってくる。この作品は予想に反し悲しいオチがつく。もしかしたらこれは、「子供達だけパラレルワールドに飛ばされた」なんてファンタジックな話じゃないかもしれない。もっと現実的な、例えば、突然両親を事故で亡くした姉弟が、現実を受け入れひとり立ちしてゆく過程を、パラレルワールドを用い寓話的に描いただけかもしれないぞ!なーんて気にすらさせられる。

『心中エレジー

心中の話かと思いきや途中で違う方に話がすり替わり個人的に消化不良な作品。しかし、冒頭でみせた「なかなか眞島秀和の顔を見せない」という演出は面白かった。姿は見せてる、会話もする、だが顔だけ映さない。それでも成立する。眞島くんってのは、結構いい声してるんですよ、男前な。しかも顔より表情豊かなんで、あえて顔見せなくてもあまり違和感がないという。どの時点でこういう演出でいこうと思ったのか知りたい。

サイレン FORBIDDEN SIREN

サウンド・ホラー」と銘打って制作されたにもかかわらず、音によるこけおどしがほとんどないという珍しい作品。サイレンの呻り声は良かったけど、「サウンド・ホラー」と聞いて期待したようなこと、例えば『宇宙戦争』のように終始不快な重低音でストレス与えるとか、耳元で誰かが囁くとか、観客の周囲をナニモノかがグルグル駈け回るとか、音だけで空間の広さを演出するとか、視覚的に注意を引きつけた場所と違う方向から声がするといったものがほとんどなく、平面的な音作りに終始していたのが残念(無いこともないけど付け足し程度。微妙に流れから浮いてる)。また、本作にはかなりの数のショッカーシーンが仕込まれていた。にもかかわらず、ことごとく失敗しているのがイタイ。「あれ?」って思うぐらいタイミングがずれてる。心地よくないの。成功したのは、、、3、4カ所かなー(松尾スズキが1カ所と、残りは森本レオのシーン)。映画館で見てこれだから、ビデオで見る人は覚悟した方がいい。ただ、設定は好き。最後のオチも良かった。やっぱ島自体に何かないと面白くないっすよ。そこは死守してたからね(万が一妄想オチなんかで終わらせられたら殴ってた)。禍々しい空の雰囲気も良かった。そしてなんといっても一番というか唯一の収穫は 森本レオ! 灯台もと暗しとはこのことかと。本作の元ネタはゲームの「サイレン」だよね。私、ゲームやらないんでよく知らないけど、おそらくこのゲームの元ネタは伊藤潤二の「サイレンの村」だよね? この映画、サウンドホラーとしては「失敗」してるが、伊藤潤二ものとしては意外と「成功」してる。それもこれも全てはレオのおかげ。森本レオ伊藤潤二世界の住人を見事なまでに体現してるんだ。これで終わりは勿体ない。せっかく見つけた伊藤家の住人(笑)。また誰か出して。

交渉人 真下正義

クモがかっこいい、クモがかっこいい、クモがかっこいい×100。これは漫画ちっくなオチでよかった。たとえどんな犯人が出てきてもクモのかっこよさを汚すだけ。東京の地下にはああいう魔物がいまだ棲んでいるんだよ。そう思いながら地下鉄の最前列に乗ってると楽しいよ。深夜番組好きとしては、マエストロ役の西村雅彦がボレロを指揮する姿に泣きそうになった。CX『MAESTRO』大好きだったの。小木茂光が既に「踊る」シリーズに出てなければ、コンサートマスター役であの舞台に立たせたかった。マエストロと一緒に。本広監督、覚えていてくれてありがとう。



タイムアウトによりここで打ち止め。


*1:ロスト★マイウェイ』とかもそうだね。「松重豊ふがいないふがいない」と文句垂れてたら、後でそれがまんま翔太(中学生)目線だったことに気づき凹んだ。30にもなってまだ中学生気分かよと。10年後の自分はいくらか松重(大人)目線で観られるようになっていてほしい。