もうすぐ父の葬儀から1年が経つ。うちは父の希望もあって身内と親しい友人を呼んでの家族葬という形をとったのだけど、自分が取り仕切って葬儀を出すこと自体初めてだった。家族葬なんて全く経験のない葬儀で、右も左もわからないうちら家族を終始サポートしてくれたのが当時の葬儀屋さん。今でもほんと感謝してる。やっぱね、葬儀がうまくいくって大事だね。いろいろ大変だったけど、いい葬儀ができると終わりよければ全て良しって気にすらなるから不思議。
以来、葬儀屋という職業に親しみを感じリスペクトしまっくてるわけですが、この葬儀屋という職業、皆さんはどれぐらいご存知でしょうか? 医者と葬儀屋は誰でも一度はお世話になると言われながら、医者に比べほとんどメディアに取りあげられることの無い葬儀屋の世界。あっても「いま流行りの葬儀はこれだ!」とか片平なぎさの『赤い霊柩車シリーズ』とかそんなんばかり。しかしあそこで見せてるのはほんの一面。知れば知るほど新鮮な驚きが得られ且つドラマの宝庫で、非常に奥深いのがこの世界。ネタ切れネタ切れと騒ぐドラマ業界が、何故いまだ葬儀屋ドラマの制作に着手しないのか実に不思議。ほんとに不思議(共テレさん、なんなら企画書書くよ!)。
葬儀前日にかかってきたヘンな電話の記事を書いたとき、葬儀屋の観点からコメントくださったid:mo-ku-sonさん。以来、日記を拝読させて頂いてたのだけれど、転職を機に“葬儀屋さん”としてのブログはひとまず終了されるとのことで、「お仕事お疲れ様でした。1年間、目から鱗な裏話で楽しませてくれてありがとう」という感謝の意を込め、移転orリニューアルされる前に、ここで改めて紹介したいと思います。
葬儀屋という仕事の中身は実に多様。ご遺体の火葬だけでなく、人体標本や手術で切除された体の一部の処分まで、遺体・死体に関するあらゆることを請け負っている。しかもひとつひとつのエピソードが目新しく新鮮で面白い。エレベータのない建物の3階からご遺体をだっこしておろしてきたときのこと、無縁仏さんの遺骨を自宅にお預かりしたときのこと、韓国から空輸されてきた遺体が鉄棺に収められてたがためにその棺の処分に一苦労した話など、葬儀に纏わる様々なエピソードがユーモラスな語り口で、趣味の株や日々の日記の合間にほのぼのと綴られています。
また、
- 葬儀費用は最低どれぐらい必要?
- 亡くなると肌の色が白くなるのはなぜ?
- ドライアイスはなんのためにあてるの?(腐敗を防ぐのは二の次)
- 遺体の目蓋を閉じる方法は?
といった素朴な疑問から、
- 12週に満たない中絶胎児はゴミとして捨てられる。その理由は?
といった少しショッキングな内容にまで言及されててためになる。
ちなみに、1ヶ月単位で記事をまとめて読むときは、サイドバーにあるカレンダーの下、
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更に興味をもたれた方は、mo-ku-sonさんの日記の左サイドバーにある【mo-ku-sonのアンテナ】に葬儀屋さんブログがいくつかリンクされてるので辿ってみてください。
さあ、あなたの知らない葬儀屋さんの世界へ!