『3つの雲/辻直之監督作品集』を観た(@アップリンクX)


木炭画アニメーション『闇を見つめる羽根』『3つの雲』で、2年連続カンヌ映画祭に正式招待された辻直之監督の作品集。メインは木炭画だけど、実写あり、ペン画あり、人形アニメーションあり。モチーフや登場するキャラクターはどれも一環しているので、同じものを別の手法で見せられているようで面白かったです。特に人形アニメーションが思いの外良くって、また作って欲しいなあ。造形がチェコ系で素敵だし、背景の粘土の動きに木炭画と共通するモノを感じる。新作『3つの雲』は「雲」をモチーフにしたオムニバス。そのうちの2つは物語性のあるもので、『闇を見つめる羽根』を観た時に「木炭画の動きは、物語をきっちり作って見せるより、監督のバイオリズムにあわせて描いていく手法の方が合ってるような気がする」って言ったけど、前言撤回(笑)。物語性のあるのも面白いです。


今回観て、なんでこの人の木炭画の動きにこんなにも惹かれるのかわかりましたよ。なんかね、「霊体」っぽいんだよね(最近そんな話ばっかだなあ。呆れないで。笑)。エクトプラズムが動いたらこんな感じ!って動きなんですよ。ホームビデオに映った幽霊ってそうそうこんな動きだった!って動きなんですよ。『学校の怪談G/木霊』の校内図を動き回る黒いシミの動きが好きな人は絶対気に入ると思う。は〜、監督、こっちの世界に来ませんか? 木炭画心霊アニメーションが観たい・・・


公開は9/2(金)まで。詳しくは『3つの雲』公式ブログを参照されたし。