『スウィングガールズ』を観た(@シネコン)

感想書かなきゃならん映画は他にたくさんあるけれど、今日観に行ったこれ、気持ち吐き出しとかないと何も手につかないので先に書いちゃいます。近所のシネコンで観てきました。客は老若男女入り乱れの8割入り。


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映画の詳細は以前の日記を参照。


−注意−
スウィングガールズ』は大人気映画でキーワードたどってここに見に来られてる方も99%、好評価を期待してこられてるのでしょうが、私はこれから個人的な感情により、罵倒モードに入ります。本作が好きな方は気分を害されるだけだと思うので、これ以上読み進めることはオススメしません。想い出は綺麗なままとっておいてください。


んで、感想です。


要所要所で笑ったし、イノシシのシーンにはやられたし、バンド姉ちゃんとフォーク兄弟のくだりも面白かったし、楽器を教える講師役で谷啓を配したキャスティングはナイスで、ラストの演奏には感動して泣いたけど、終始むかついてしょうがなかった。いったいこの映画は何がしたかったんだ。ディテールはしょって、上っ面なぞって、頂点だけ見せられたって面白くねーの。楽器を始めて上手くなってゆく過程、「ジャズなんておっさんがやるもんじゃん」なんて全く興味を示さなかった子たちがその魅力にはまってゆく過程を放棄してどうすんだ? そりゃあ、監督は傍で彼女らが上手くなって行く過程を観てるから必要ないのかもしれないけど、こっちだって監督のギャグよりそれが一番に観たいんだよ。ずるいよ。はしょるなよ。それに、監督、金管楽器やったことねーだろ。ディテールぼろぼろだぞ。中古で買った楽器がポロポロ壊れてゆく様は別にいいよ。でもさ、初めて自分の楽器を持ったんだぞ。そういう喜びとか全然描いてないし、楽器がいつまでたっても黒ずんだままっていうのも許せない。あれはなあ、磨けばもっと綺麗になるんだよ。そりゃあ、新品には追いつかないけど、頑張って頑張って磨けばもっと近いとこまで届くんだよ。自分の楽器が汚れてるのにそのままにしとくやつなんていないって。特に、演奏が下手な時ほど、楽器だけはキレイにしときたいって思うもんなんだよ。それになんだ、雪合戦するときは、ケースの蓋ぐらい閉めてからやれ。楽器が濡れたらどうすんだ。初めて音が出る感動のシーンがあれだけかい。先生が付いて、スーパーの前で再度演奏するまでのくだりは良かったけど、その後また逆戻りだし。


この映画って、音楽を通して、演奏することの楽しさとか、上手くなってゆく喜びとか、みんなで一緒に何かを成し遂げる達成感とか、そういうのを表現したかったんじゃないのか。いや、たぶん違うんだなー。別にそんなことは二の次でどうでも良かったんだ。女子高生が一から楽器を覚えてみんなの前で演奏するまでを描くバンド映画だっていうからさ、勝手にそうだと思いこんで観に行った自分が悪かったんだ…。


今年は他にもいくつかバンド映画が公開されてる。『アイデン&ティティ』『ドラムライン』、あと、自分は観に行けなかったけど大絶賛されてる『スクール・オブ・ロック*1とか。でも、それらにあったものはこの映画には無い。だから同じジャンル映画としてこれらとひとくくりにされることだけは絶対認められない。認めたくない。


ラストの彼女たちの演奏には感動したよ。そして泣いたさ。でも、自分が感動したのは映画じゃない。演奏してる時の彼女たちの表情、ドラムの子のスティックさばき、トロンボーンの子のリズムに乗ってる姿、演奏が終わって拍手を受けてる時の達成感に満ち溢れ喜びを噛みしめてるひとりひとりの表情、そしてもちろん彼女たちの演奏してる姿そのもの、それらに感動して泣いたんだ。だってそこには<本物>が存在していたから。本作は魂のないエセ・バンド映画だけど、最後の演奏シーンだけは本物だった。だからそれに感動して泣いた。同時に悔しくて泣いた。同じ尺を使うなら、『スウィングガールズ』のメイキング映画を公開してくれれば良かったのに。そこには間違いなく、自分が求めていたものが存在してるから。。。



追記:
日を置いて読むとかなりの愚痴りっぷり。ま、原作ファンが「こんなの原作と違う!」って怒ってるのと根は同じですから(苦笑)。



*1:追記:『スクール・オブ・ロック』観ました。良かったです。やっぱ『スウィングガールズ』はしょりすぎ。