『サンクチュアリ』トーク、瀬々敬久×光石研

念願の生・光石研を見にユーロスペースへ行ってきました。劇場に着くと今日のトークショーを知らせる張り紙が、無い。。。ここまで来て日にち間違えたかと冷汗たれた。ユーロスペースのサイトでは小さい方の劇場で上映されてるということだったけど、今日だけは(?)隣の大きい劇場へと移動。客は開場時に50人ぐらい。その後もちょこちょこと増え最終的には70人ぐらい? 男女比は9:1。ほんとに女性客少ない(苦笑)。


司会を担当したのは瀬々監督のトークショーでよく見かけるおいちゃん。毎回「いったい誰なんだろう?ユーロスペースの人なんだろうか?」と気になっていたが、同じ日に会場に来ていたらしいmolmotさんのレポ(id:molmot:20061016:p1)により、この人がかのタコ社長だと判明。



瀬々監督と光石さんは同じ九州出身で同世代、ということから話が始まった今日のトークショー。大分の田舎町の生まれだと話す瀬々監督に対し、北九州の「都会です」と自慢げな光石さん(笑)。瀬々さんの見た目が見た目なだけに二人が同世代と言われてもピンとこないのだが、常に「瀬々さん」と呼んでた光石さんが一度だけ「瀬々くん」と呼ぶ場面がありなんとか納得。上映前ということで『サンクチュアリ』に関する突っ込んだ話はほとんどできず(観れば納得。確かにこれは話せない)、それなら『ユダ』の話でもしてくれよと思うのだが、どうも自作の話はしたくないらしく、ことあるごとに『紀子の食卓』を始めとする光石研出演作品の話にすり替えようとする瀬々監督。そのたびに「だからサンクチュアリーー!!!」と軌道修正を試みる光石さんとの息のあったコントのようなやりとりに客も大笑い。


園監督と瀬々監督との出会いはmolmotさんのレポを読んで頂くとして(レポ内に登場する頭脳警察のあの歌は瀬々監督によると当時の「助監督ソング」だそうです)、こちらでは光石さんと園監督との出会いを補足。園監督は非常に酒癖が悪いらしく(瀬々監督も「飲んでるときには会いたくない」と)、光石さんが園監督と初めて会ったのもまさにベロンベロンに酔っぱらってるときで、実に最悪な印象だったらしい。『紀子の食卓』のオファーを受けて再会したときも、お互いにちょっとムッとした感じで「出る?」「出るけど?」と素っ気なく言い合い出演決定。しかし撮影が始まってみると印象がどんどん変わり「こんなに可愛い人だったのか」と。いつも夢中になって映画を撮ってる園監督の姿に、役者として心撃ち抜かれたようです。


『ユダ』『サンクチュアリ』、1月に同じ劇場で公開される『刺青 堕ちた女郎蜘蛛』と立て続けに瀬々作品に出演し、すっかり瀬々組の一員となった光石さんだが、一番最初に参加したのがこの『サンクチュアリ』だという(『ユダ』はその後)。撮影は3年前。シーンは2日で撮り終わったが、トラクターに乗ったりバーのシーンがあったりとやること盛りだくさんだったせいか、光石さん自身は今日ここにくるまで4日ぐらい撮っていたと記憶してたらしい。撮影中はペンションに泊まったそうだが、そこのオーナーに役者であることを告げると「NHKには出たことあるのか?」と聞かれ「出てない」と答えるとまだまだ半人前の役者だと思われ、翌日撮影があるのに親父にめちゃめちゃ飲まされたなんてエピソードを明かしていた。瀬々監督曰わく、「光石さんの役は、あちら側にいるような人ばかり出てる中で唯一こちら側にとどまり「すまん、そっちには行けないんだ」と土下座してるような男」だそうで、監督自身を投影しているとのこと。今後光石さんにどんな役をやらせてみたいか?と問うと、女に振り回される役が続いたので次こそはあちら側にいってもらうと答える瀬々監督だったが、どうなることやら。



トークは15分ぐらいで終了。意外に短かったなあ。