森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」、明日3/26（日）朝10:30より放送

フジ『NONFIX 憲法シリーズ〜１条・天皇〜』の放送中止から約１年、ドキュメンタリー作家・森達也による待望の新作『森達也の“ドキュメンタリーは嘘をつく”「映像の真実って何?」』が明日3/26（日）朝10:30よりテレビ東京にて放送される。本作は、テレ東が2003年から数回にわたって制作してきているメディアリテラシー特別番組のひとつで、著書『ドキュメンタリーは嘘をつく』のテレビ番組化に森氏自ら挑んだ意欲作だ。

ドキュメンタリーは嘘をつく

テレビ東京といえば、世界的な大事件も微動だにしない独自の編成で、数々の伝説を築き上げてきたテレビ局*1。真面目なことには関心薄そうなこの局が、“メディアリテラシー”を題材にしたドキュメンタリーの制作を、よりにもよって『Ａ』『Ａ２』『放送禁止歌』の森達也にオファーしたってんだから、こんな刺激的かつ画期的なことはない（つーか、それがそもそもの間違いだったんじゃ…）。特に、今回は参加スタッフがすごい。メイキングディレクターに村上賢司、編集に松江哲明、構成に向井康介と、日本映画界を背負って立つ若手映画人が森達也氏と一緒になって番組作りにあたっているのだ（・・・ピーピーピー！メディアリテラシー警報発令！メディアリテラシー警報発令！　この一文から想像される森さんの役割は全く事実とは異なってます！異なってます！）

この番組、森さんがひとりで作ってれば、もしくは森さんがちゃんとお仕事してれば、何事もなく当日放送を迎えたであろう。しかし、ディレクターであるはずの森さんが起こす「天然」という名の暴力、オトナとしてありえない行動の数々によって、撮影は順調に遅れる…。それに伴い、直接的に被害を被ってる村上賢司（id:MURAKEN）、松江哲明（id:matsue）、Ｋプロデューサーの３名が、各々の日記で衝撃の舞台裏を大告白！　これが抱腹絶倒の面白さで（もしかして本編よりも面白い？）、特に、想定外の文才で村上・松江両氏を凌駕する番組プロデューサーK氏の制作日記がいまじゃ一番トンデモないことに（さすがテレ東。社員のクオリティ高杉。まさか「テレビ東京」公式サイトの一番下、「会社概要：よりよい放送をめざして」をクリック、「メディアリテラシー」をクリックすると目に入る高尚な「企画意図」、その足元にある「>>放送内容を見る」でたどりつくあんな地下深い場所にこんな日記が書かれていようとは!!!!）。
番組見れない人も是非読むべし。いや、読むべき！　（注意：森達也ファンだけは放送後に読んでね）←撤回。必ず事前に読むべし！

●メイキング担当・村上賢司監督の日記
http://d.hatena.ne.jp/MURAKEN/20060228
●編集担当・松江哲明監督の日記
http://d.hatena.ne.jp/matsue/20060226
（※両氏共にリンク先の日付が初出し。読んだら「次の日>」をクリックして25日の日記までずずっと読むべし）
●Kプロデューサーの制作日記
http://www.tv-tokyo.co.jp/literacy/060326_diary.html
（※いったんスクロールで一番下まで移動してから読むべし）

あーーーー、森さんって、確かに「うしろの正面だあれ？〜かごめかごめの謎」*2の人だー。やっとイメージつながった。

事実と微妙に異なる番組の詳細は以下の通り。

2005年度テレビ東京メディア・リテラシー特別番組
森達也の“ドキュメンタリーは嘘をつく”「映像の真実って何?」
放送日時：3/26（日）　朝10:30-11:25　テレビ東京
“ここ数年、さまざまな場所でテレビに対して多くの疑問を投げ掛けてきたドキュメンタリー作家の森達也氏。著書「ドキュメンタリーは嘘をつく」のテレビ番組化に当たり、旧知の映画監督の村上賢司氏に協力を依頼する。これまでの教育的な番組とは一線を画し、視聴者にテレビが伝える真実とは何かを問い掛ける……”

ディレクター:森達也 　プロデューサー:替山茂樹（Kプロデューサー）
メイキングディレクター:村上賢司　編集:松江哲明　構成:向井康介 　音楽:スキャット後藤
レポーター:吉田恵子　アシスタントディレクター:杉田くん
出演:藤原ヒロシ、原一男、安岡卓治、佐藤真、緒方明、綿井健陽 他あっと驚く人たち

当日録画必死！（じゃないと絶対見忘れるよ。ダイジョブダイジョブと思っても、気づけばサンジャポ見てるよ。あー習慣って恐ろしい）

そういえば、『ドキュ嘘』制作における森達也“１割”ディレクターの真の姿を余すことなく収めた至極のメイキングドキュメンタリーは、いつ放送されるのですか？（ウキウキ）　まさか放送されないなんてことはないですよねえ。ねえ。ねえ・・・・？（怪しい）

関連：『ドキュ嘘』関連過去記事一覧

*1:最近では、「ハッスルマッチョ三つ巴」「ダブル・ゼータ・ヴァンダム」等の名文句が乱れ飛ぶ「木曜洋画劇場」予告CMによって一部熱狂的なファンを獲得している

*2:2000年９月2日にフジテレビ『NONFIX』枠で放送されたドキュメンタリー作品。CX『奇跡体験アンビリバボー』の人気シリーズ“杉沢村リサーチプロジェクト”の第１回放送（2000年8月24日）の翌週に放送されたこともあり、多くのオカルトファンが様々な期待をこめて見ていたと思う。しかし、「かごめかごめ」「徳川埋蔵金」という特盛りネタを扱いながら、お父さんが書いた夏休みの絵日記みたいな展開に何度も何度も脱力させられ、撮った森さんですら過去から消去しようと目論んでいたのを、昨年「ガンダーラ映画祭」が阻止。再び白日の下に晒す。ちなみに本映画祭は4/3（月）〜4/14（金）までの期間、大阪・梅田PLANET studyo＋1でも開催予定。お近くの方は是非。