祝!再放送記念『ドキュ嘘』イベントレポ(@新宿ロフトプラスワン)

中途半端にしか覚えてないので下書き途中で放置してたんですけど、再放送もされることだし、「今年のことは今年のうちに!」ということで5/8(月)に行われたトークイベント、第2回ガンダーラ映画祭「ドキュメンタリーの森達也は嘘をつく!」の模様を(一部ですが)こっそりUPしておきます。

もちろんネタバレ全開なので、まだ『ドキュ嘘』をご覧になられてない方は自己責任で。


イベント内容は以下の通り。

イメージリングス PRESENTS Vol.9
第2回ガンダーラ映画祭「ドキュメンタリーの森達也は嘘をつく!」

ガンダーラ映画祭、、、それは「この世のユートピアとは何か?」を徹底追求した短編ドキュメンタリーの特集上映。今回はついに、その顧問を務めるドキュメンタリー監督・森達也が登場! 今年3月にテレビ東京で放映したメディア・リテラシー特番〈森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」〉制作時に森さんがやらかした舞台裏のスッタモンダを、公開形式で反省していただきます!

【上映作品】森達也主演シークレット作品、『犯罪学会』(監督:村上賢司
【登壇者】森達也(企画・監修・主演)、プロデューサーK(テレビ東○)、村上賢司(監督)、 水木ゆうな(リポーター・吉田恵子役)、向井康介(脚本)、松江哲明(編集)、スキャット後藤(音楽)、朝生賀子(村上の妻・エリ役)、真利子哲也(自主映画監督・松山慎一役)、山下敦弘(写真のみの出演)
【司会】しまだゆきやす(イメージリングス

瀬々監督(松山慎一の父役)も来場予定だったが間に合わず残念(松山親子2ショットならず)。


まずは、今回のイベントを企画し、司会・進行役を務めるしまだゆきやす氏(イメージリングス)が登場。3月に某局で放送された森さん最新主演作(※うちではアクセス少ないのをいいことにばんばんタイトル書きましたけど「シークレット扱いにしてくれ」ということなのでタイトルは伏せておきます)を上映する。席はだいたい埋まってる感じで、女子は10人ぐらい。森達也ファンが多いのかと思いきや、半分以上(?)が今日初めて見るという客。かといって、半月ほど前に行われた「第1回ガンダーラ映画祭」に行ったという客もあまりいなくて、みんな誰目当てに来てるのかよくわからない。


上映が終わると、森さん、Kプロデューサーの二人が登場。「ドキュ嘘」が作られた経緯について語る。森さんのトーク内容は以前にもお伝えした通り『創 6月号』に詳しく書かれているのでここでは省略。

創 (つくる) 2006年 06月号 [雑誌]

創 (つくる) 2006年 06月号 [雑誌]

トーク中、固有名詞が思い出せず隣に座ってたKプロデューサーに始終フォローしてもらってた森さんだが、この本の中でも、Kプロデューサーの名前やら村上監督の作品名やらをしっかり間違えております(爆。トークイベントならまだしも、活字媒体でやられるとシャレにならない気が・・・。これまでに執筆してきた記事も怪しいですね。「きっとこうやって読者のメディアリテラシーを試してるにちがいない!さすが森さん!」なんて言わないw)。二人が喋ってる途中で村上監督と緑ジャージを着た“吉田サン”こと水木ゆうな嬢が客席をうろうろ。「吉田サン、緑ジャーだ!(嬉)」とつい目を奪われ、壇上の会話の内容が飛んだのは私だけじゃないはずだ。


二人の話が一通り終わると、村上、水木両氏も壇上にあがり、吉田役オーディションの話や撮影時の苦労、教団撮影時の面白話(これは言えない。あそこの人は天然すぎですよw)について語られる。水木さんが、「ドキュ嘘」での自分を「ものすごく感じの悪い人に映ってるんじゃないか」とひどく気にしてたのが意外。全然そんなことないのに。後半の「事件現場めぐり」は彼女にとってスケジュール的なものはもちろん、精神的にもとてもきつかったそうで、本編ではカメラを持って現場を映してるだけだったけれど実際は他にもいろいろとやっており、その苦労が全部カットされたということで、ちくちくと攻められる村上監督でした。ちなみに森さんをゴルフの打ちっ放しに行かせたのは、森さんが大学の講演に行くのでついていったら、出迎えてくれた学生さんが森さんが高級ハイヤーで来なかったことにひどく驚いていたことにヒントを得ての演出だそうです。森さん自身はゴルフなんてしたこと無いとか。



つづいて、スタッフ陣(向井、松江、スキャット後藤氏)が壇上に加わり更にスパーク。


まずは編集を担当した松江氏から、素材テープの多さとホワイトバランスのせいで如何に本作の編集作業が大変だったかが力説される(ホントに大変だったみたい)。確かに1時間の番組を作るのに素材テープが50時間近くあるというのは見るだけでも大変な作業。でも、まあそれはしょうがない。ドキュメンタリーなのだから、、、と松江氏のブログで書かれてたときは思ったけど、「シナリオがあるのに何故そんな量になるのか」と言われハッとする。確かにそれは酷い(賞味45分の番組を作るのに50時間も何を撮っていたのか・・・気になる)。ホワイトバランスに関しては「そもそも森さんだって取り方知らない」という話になり、「森さんはテレビ出身でカメラは他の人がやってくれてたから知らなくてもしょうがない」としまださんがフォローするも、森さんたら「自分でカメラ回すようになってからもホワイトバランス取ってない」とぶっちゃけ、せっかくのフォローが台無し。


脚本家として本作に参加することになった向井氏は、メディアリテラシーについてはよくわからないのでエンターテイメント部分を担当すればいいんだなと思っていたらしい。メディアリテラシー担当として脚本作りに携わっていた村上監督によれば、最初に出来上がったシナリオは、撮影してるうちにどんどん森さんがおかしくなってゆき、村上監督が自宅に戻ると家でテレビを見ていた奥さんから「狂った森さんが「ワールドビジネスサテライト」に乱入してきたよ」と伝えられたり、リポーターの吉田サンがKプロデューサーを除くスタッフ全員と男女の関係になり森さんの子供を妊娠したり、逃亡中の森さんをスタッフが見つけ追うカーチェイスシーンが盛り込まれるといったエンターテイメント作品に仕上がってたが却下される(そもそもこの話だと、スケジュールが確保できないから監督降りたのに森さん出ずっぱりだし、「メディアリテラシー」とか一個も関係ないしとのダメ出しを受ける)。その後、渡辺文樹バージョンとか出た後、今の形に落ち着いたらしい(それも見たかった)。


音楽を担当したスキャット後藤氏は、あの「忘れなーいで お金よーりも 大切なものがある♪」というCMソングを作った人で、以前からこの歌が好きだったというKプロデューサーは、作ったのがスキャット後藤さんだと後で知ってとても嬉しかったとのこと。「ドキュ嘘」のエンディングテーマは本来オリジナルソングを予定しており、曲を後藤さん、歌詞を村上監督が担当し、出演者全員で歌うはずだったそうだ。しかし歌詞が間に合わずシンガーソンガーの「初花凛々」に落ち着く。歌詞については、「ドキュドキュドキュドキュ ドキュメンタリーは嘘をつくー♪」というサビだけは出来ていて(歌詞担当なのに何故か既に節がついてるという…笑)、その他の部分はドキュメンタリー作品のタイトルを並べ「ウィ・アー・ザ・ワールド」形式で本人たちに歌わせようと考えていたらしい(本気と妄想の境目はもうよくわからなくなってます・・・いや、本気です。すべて本気です。実現できなくて残念)。


登壇者(朝生、真利子)が入れ替わり、村上家シーンの撮影話など。撮影の合間に朝生さんが振る舞ってくれた手作り料理がえらく旨かったらしい。劇中で森さんのことを知らないと慇懃無礼な態度に出て周囲をヒヤヒヤさせる自主映画監督役で出演していた真利子監督だが、演じた本人も実はほとんど森さんの作品を観たことなかったということが判明してゆく。


その後、松江監督と安岡卓治氏が登壇して5月20日から公開される『ガーダ 〜パレスチナの詩〜』の宣伝。村上監督の『犯罪学会』の上映(『ドキュ嘘』の後だとこれも全てウソなんじゃねーの?と心の隅で疑ってしまう自分がいるのが悲しい。皇室の皆様があまりに動かないので「もしや瞬きしてる間に写真とすり替えられた?」と疑い始めたところでゆるゆると動き出したのでホッとする。室内なのに真冬並の上着着たままのしまださん。エアコン直す金もないのかと心配になる。お子さんが生まれたばっかりということでわが子の写真を知り合いに見せて回るという親バカマル秘映像も公開。目を細めてひゃ〜と喜ぶ井口監督がかわいらしかった)と続き本日のイベントは終了。ちなみに当初予定されてた『背徳コンクラーベ』の上映は、トークが盛り上がりすぎて時間が押してしまったためナシになりました。