『天才バカボン』の恐怖オムニバス

幽霊の白腕で思い出したが、『元祖天才バカボン』にも怖い話があった。第142話「ショートギャグでコニャニャチハ」という3話オムニバスの1本。タイトルは「かわった友だち」。

大学時代の友人の家に遊びに行くバカボンパパ。ところが、家に上がったものの、友人もその家族(妻、息子)も「恥ずかしいから」と言ってなかなか姿を見せてくれない。扉やのれんの陰から腕だけ出して応対する家族。夕方になり食事をご馳走してくれると言うので、すき焼きを頼むパパ。これで姿が見れるとほくそ笑んだが、家族も考えたもので、隣の部屋の境までテーブルを移動させ、襖の陰から腕を伸ばし鍋をつつく。段々いらいらしてきたバカボンパパは、なんとか姿を見ようと友人らを追っかけまわすが、すばしっこくて捕まえられない。追いかけっこはヒートアップし、思いあまってすき焼き鍋の置いてあるテーブルをひっくり返してしまったパパ。ガスコンロの火は瞬く間に床に燃え広がり、すかさず家の外に逃げ出すパパだったが、家族は「助けてー」と叫ぶだけでなかなか外に出てこない。火はどんどん燃え広がり、窓から手を振り助けを求める家族。「そんなとこにいないで早く出てくるのだ〜」と必死に声をかけるパパ。しかし無惨にも助け出される前に家は焼け落ちてしてしまった。


焼け跡から消防隊が見つけたのは、焼けこげた3本の腕だけだった。