『川っぺりムコリッタ』を観て遺骨について考える

よく笑うお年寄りに囲まれながら『川っぺりムコリッタ』を観る。

かもめ食堂』以降の荻上直子作品では一番好き。食べ物がひたすら旨そうで、空腹で観なくてほんとに良かった! 独りで凝り固まって抜け出せなくなってる人は、『かもめ食堂』における小林聡美片桐はいりの関係のように、一見相容れなさそうな図々しい他者を自分の生活に取り込んでみるのもひとつの手だよと改めて語っているようにも見える。笑いも多いが、思ってた以上に重い映画で、直前に孤独死をテーマにした『アイ・アム まきもと』の予告が流れてたせいもあり「2本立てで観るのがベストだったんじゃないか」と思えてきた(まだ観てないけど)。隣人・島田を演じるムロツヨシはハマリ役。太り具合もちょうどいい。中盤からふいに「島田が幽霊だったらどうしよう」と不安に襲われる。島田の友人のガンちゃん、「誰かに似てるなあ。どこで見つけてきたんだろう。知久くんも出てるし別業種の人かしら」と思いながら観てたらエンドロールで「黒田大輔」て出た(汗)。マジかよ。


うちの婆ちゃんの地域は遺骨ほとんど捨てちゃうから骨壺めちゃ小さいんだけど、友人が「家のお墓、満杯であと1個ぐらいしか骨壺入らないかも」て悩んでたの思い出して、ご先祖サンの遺骨をみんなですりつぶして粉にする儀式があってもいいかなと思った。「クレイジージャーニー」復活したら、佐藤さん、タイの遺体洗い祭りに行ってくれないかなあ。土葬された何千という無縁仏を何年かに一度数百人で掘り出して洗い清める祭り。絵面は壮絶なんだけど、神聖な仏教儀式として行われ、参加者みんな笑顔で多幸感がすごいのよ。


祭りに最近参加した人のレポが上がってたので、詳しくは↓こちらでどうぞ(リンク先はそこまで壮絶な絵面ではないです)。
【閲覧注意】タイの無縁仏の墓の洗骨に参加した話【人骨画像多数】|在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と|note



私は死体写真家でお馴染み釣崎さんの『ジャンクフィルム』ていうドキュメンタリー映画で観て、初めてこの祭りの存在を知ったんだけど、、、

●EPISODE 12 華僑報徳善堂 火化先友法會
タイの民間レスキュー報徳堂が運営する龍山墓苑は隊員が運んだ無縁仏が土葬される場所である。敷地は広大だが次々と運ばれる遺体でじき飽和状態になってしまうため、機会を見て、新たな遺体の場所の確保のために古い遺体を掘り出して洗い清め、火葬に付す必要がある。なお、この行事を実質的に運営するのは敬虔な仏教徒の市民ボランティアだ。

今なら「華僑報徳善堂 火化先友法會」でYoutube検索すると釣崎さんが件の動画をあげてるので自己責任でどうぞ。私は当時これ見て、大いに価値観揺さぶられました(↓リンク貼ってみたけど肉付きのいい骨も多数含まれるため当然年齢制限かかってます)。
華僑報徳善堂 火化先友法會 / Poh Tek Tung Foundation, Cremation Service for the Late Friends (2004) - Youtube
久し振りに観たけど、やっぱ参加したい気分になる。ただ、当時トークショーで聞いた話によると「臭いは相当すごい」らしいのでそこだけがネック。


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