先週から都内の広範囲で感染者数が増加傾向にあり、いままで低く抑えてきた区が一気に3倍に増えたり（世田谷14→50人、江東区9→27人、北区8→24人、葛飾区1→12人、江戸川区8→24人）、多摩地域（特に23区隣接地域と中央線沿線）にも広がり始めてます。感染者の詳細を出してる江戸川区（東京・東の端 人口70万人）と八王子市（東京・西の端 人口58万人）で内訳を比較してみたところ、意外にも世代分布は異なっており、7月分を比較しただけでも江戸川区は20代が半数を占めるが全世代まんべんなく感染。八王子市は20代が圧倒的で20代とそこからの2次感染が9割を占め、30代の経路調査中が数名といった感じ。
感染症患者の詳細について：江戸川区
八王子市における新型コロナウイルス感染者の発生について：八王子市
ちなみに多摩地域は、都全体で見ると感染者数は常に1割程度で、小金井の病院クラスターが出たときにちょっと上がった程度です。
ところが、昨日大きな動きがありまして、これまで週合計でも13人（4月末）が最高だった八王子市が、7/15（水）、わずか1日で21人も出し「どうした！？」と思ったら、中央大学の運動部が八王子市内に借りてた合宿所（というか寮？）で居住者14人中10人が陽性となるクラスターが発生した模様。同時にTwitterの未確認情報ではあるけれど市内キャバクラでもクラスターが発生したらしく両者含めて21人。累計感染者数は97人となり、これまで多摩地区トップだった府中市（人口26万人 7/15時点91人）を抜いて単独トップに立ちました。ちなみに3位は西東京市（人口20万人 78人）、4位は町田市（人口43万人 70人）。それより下は40人台後半の調布市・三鷹市となっております。
新型コロナウイルス感染者発生について：中央大学
八王子市における新型コロナウイルス感染者の発生について：八王子市
みんなまとめて駅前の療養ホテルに入院ですかね（近くて良かったね）。
ちなみに↓こちらが第一波の頃の八王子の感染者。
4月1日〜4月30日の新型コロナウイルス感染者：八王子市（pdf）
4月に出た感染者35人の内訳をみると、50代が11人と最も多く、ついで60代7人、20代5人、40代5人、30代3人、70代2人、90代1人、20代未満1人となっており、クラスターはなく2次感染も1人から2，3人程度で終わってる。一方、7月（7月15日まで）に出た感染者41人の内訳をみると、20代が29人と最も多く、ついで30代5人（経路調査中4、不詳1）、40代1人（調査中）と続き、20歳未満2人・50代3人・70代1人の計6人はいずれも20代からの2次感染となっており、緊急事態宣言を挟んで感染傾向が様変わりしているのが興味深い。
| 20歳未満 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代 | 90代 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4/1〜4/30 | 0 | 5 | 3 | 5 | 11 | 7 | 7 | 0 | 1 | 35 |
| 7/1〜7/15 | 2 | 29 | 5 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 0 | 41 |
7月6日までに入院した人はもう全員退院・退所しており、今回陽性となった患者さんたちも長くて10日もあれば退所できる程度だといいですね。
新型コロナ患者の退院基準を再度見直し、「発症から10日経過かつ症状軽快から72時間経過」に短縮。無症状患者は「検体採取から6日経過後、2回の陰性確認で退院可」との新基準も - 厚生労働省（2020.6.15配信）
学生クラスターといえば、仙台でも学生クラスターが2カ所発生しました（内、1つは飲食店での宴会参加者）。
仙台市の専門学校でクラスターの可能性
仙台と富谷で１４人感染 １１人は東北工業大学の学生
学生の皆さん、ほんと気をつけて。
追記（7/19）：数日のタイムラグがありデータ反映に時間がかかりましたが、7/19発表の都データで八王子市が多摩地区最多になりました。府中とは1人差なので明日にはまた抜かれるかも。府中は人口的には八王子の半分にも満たず、人口密度も調布市より少ないぐらいのになんでこんな多いんだろ。また増えだしたので要警戒。
区市町村別患者数（都内発生分） 7月18日分の累計値（PDF）
追記（7/20）：府中に抜かれることなく更に積み増してる八王子市ですが、八王子にある宿泊料用施設（東京都・八王子市・八王子医師会が共同運営）の運営状況について市長の定例会見で報告がありました。
令和2年(2020年)7月20日 市長発表資料（pdf）
これによると、5/1（金）の開始以来、延べ461名が利用し、7/19時点で入院してるのは70名。日勤は医師1名・看護士2名以上・事務10名、夜間は看護士2名以上と事務5名体制で運営。日勤の事務には市職員1名も含まれ、入退室管理や食事の提供等を担当（延べ156人の職員が派遣された）。管理方法（警備体制や患者の出入り・移送方法等）についてのQ&Aについては↓こちらも参照されたし。
新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養施設の運営について：八王子市（更新日：令和2年7月3日）
都知事からの発表によると、7月は療養ホテルの借り上げ契約切り替え時期で、7/12〜15までは八王子の1カ所のみで対応してたらしい。7/16から豊島区のホテル1カ所でも受け入れを開始したが、連日数百名ずつ感染者が増えているため新たな療養ホテルを公募。約１０事業者のホテル約３０施設（約８０００室）の応募があり、現在十分な感染防止策がとれるか確認中。7月末には覚え書きを交わし運用を開始する予定とのこと。詳しくは↓こちらの記事を参照。
東京都内の軽症・無症状者向け宿泊施設がパンク寸前 新規感染者の急増で：東京新聞（2020.7.19配信）
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