忙しくてまだ見てないんだけど、当初から気になってた点がひとつだけあるので、補足調査した結果をメモしておきます。
『黒い看護婦』公式サイト（2月13日金曜夜10時〜11時52分 フジテレビ「赤と黒のゲキジョー」枠）
フジテレビ「黒い看護婦」で有名監督がクレジット拒否！（＠週刊文春WEB 2015.02.18配信）
「黒い看護婦」問題 フジテレビ亀山社長の謝罪なき弁明会見（＠週刊文春WEB 2015.03.05）
最初に騒動を報じた文春の記事（2/18配信）にこうあるんだけど、、、
「6月には発注どおりの92分間の完パケ(CMなどを考慮し、途中であらすじなどのダイジェストカットも盛り込んだ「完全パッケージ」の略)で制作会社に納品されていました」（ドラマ関係者）
「去年の暮れに制作会社から『74分に削って欲しい』と連絡がありました。『とんでもない！』というのが第一声でした。作り手としては主人公をただのキワモノにはしたくなくて、人間性を描くさじ加減にこだわって作りましたから。『深夜枠になっても全編を放送して欲しい』と訴えましたが、『枠は動かせない』と交渉の余地はなかった。」（平山監督）
当日の放送時間は午後10時〜11時52分。通常この枠は午後9時〜10時52分に放送されるが、この日は四大陸フィギュアの中継が入ったため、1時間繰り下げての放送となった。ただしトータル時間は通常通りの112分で短縮された様子はない。「112分の枠で本編92分なら削る必要ないじゃん。まさか38分もCM流したの？」てとこがどーしても引っかかって、とりあえず本編の時間数を（自動チャプターのCMカットで）簡易的に調べてみた。その結果、本編の総時間数は報道された74分ではなく94分弱（CM17分弱）。完パケとほぼ同じだった。仮に記事にあるとおり本編74分に削ったのなら、短縮された90分枠で放送するのが妥当だと思うが、実際は通常通りの112分枠で放送され本編も94分（+CM17分）だった。時間だけ見ると、枠が短縮された様子もなければ本編が削られた様子もなくつじつまが合っていない。
ただし今回の騒動はフジの亀山社長も認めており、文春の取材に応じたフジテレビ側も本編カットを認めているため、騒動の経緯については報道された通りなんだろう。しかしながら記載されてる時間については、あまりに矛盾が大きいので、もう一度調べ直して正確な時間を掲載し直した方がいいように思う。
2度目に配信された文春の記事冒頭に「18分短縮して放送した」と書かれてることから察するに、当初は夜9時〜11時10分の130分枠で放送する予定だったのだろう（『OUT』の平山秀幸監督が大竹しのぶ・寺島しのぶら主演で“実録犯罪ドラマ”を撮るんだもん。そりゃあ拡大するでしょ）。ところが、同じ日にフィギュア中継が入ることになり、1時間繰り下げの10時スタートに変更。深夜との番組調整がうまくいかず、放送時間の短縮（といってもさすがに通常の112分枠は死守する）を余儀なくされたフジ側は、110分近くあった本編を18分カットすることを決断するも監督が拒否（まあね、さすがに18分はないわ）。仕方なくフジ側で編集し本編94分（+CM17分）で放送したと。でも、それはそれでちょっとおかしいんだよね。2月放送で、昨年の暮れに短縮が決まったのなら、112分枠で制作されてる他の未放送作品と差し替えて、改編期で放送時間ぐちゃぐちゃになってる頃に改めて編成しなおせばよかったんだよ（いやそれができないんですよ＞どうして？ 前日にどっかの看護士が患者殺害で逮捕されたら即差し替えるくせに。放送日なんて誰もたいして気にしやしないよ。この日に放送しないとお蔵入りになりますっていうなら話は別だけど）。どうしてもこの日に『黒い看護婦』を放送したかった理由がなんかあるんだろうか（今年度中に放送しないと経理的に拙いことになり来年度の予算配分に影響するとか？）。
仮に「いや、時間合ってます！記事に掲載された通りです！」てことになると、それはそれで闇が深い。放送された本編と完パケの時間がほぼ同じことから、放送されたのはフジが編集した〈短縮バージョン〉ではなく、平山監督が納品した〈完パケ〉だということになる。にもかかわらず、文春の取材を受けたフジテレビはカットしてないものをカットしたと言った。ドラマの仕上がりに多少でも不満を持った視聴者が報道を見れば「フジが監督の意向を無視してカットしたせいでこうなったのか！」と不満を憤りに変え容赦なくフジに投げつけるだろう。が、批判はすべて視聴者の知らぬまに、フジを通り越して平山監督自身に突き刺さっていた、というゲスい世界が水面下で広がってるというわけですね。恐ろしい。・・・って、もちろん冗談ですよ！ 本気にしないように！ 文春が時間を書き間違えてるだけです。
そういや、制作スタッフもクレジット掲載を辞退したという話だったのでエンドロールを確認してみた。クレジットされてたのは医療指導・医療監修・看護指導・方言指導と広報のスタッフ、そして公式サイトにも掲載されてる脚本、編成企画、プロデューサーのみ。もちろん出演者はクレジットされてます。
