一瀬隆重プロデューサーの「オズ」が倒産へ、そして新たに・・・

遅ればせながらフォロー。7/1(日)に突然オズの公式サイト(および一瀬Pのブログ)が落ちて読めなくなったという報告が入り、「新作の情報が出たばかりだし、うるう秒関係のトラブルじゃね?」なんて悠長にかまえてたら、まさかの倒産だった模様。


とりあえず初出は7/4(水)の文化通信かな。
一瀬隆重氏の「オズ」が法的整理を決定(@文化通信.com) 


リンク先は既に定期購読者以外読めなくなってるので、7/7(土)に映画.comにUPされた“文化通信”名義の記事を紹介。

一瀬隆重氏の「オズ」が法的整理を決定(@映画.com)


映画プロデューサーの一瀬隆重氏が代表取締役を務める「(株)オズ」が、法的整理をすることを意思決定した。


同社の財務状態は、ここ数年にわたり債務超過の状態が続き、一瀬代表をはじめ従業員も一丸となって経営状態の改善や、資金調達、大口の債権者への支払期限延期の依頼など、会社存続のために奔走してきたが、今後の会社運営のための資金の手当てがつかないため、法的整理することを決めた。ただ、現在会社に申請のための資金もないことから、法的整理の申請には時間がかかりそうだとしている。


一瀬氏は、初メジャー作品でエグゼクティブプロデューサーを務めた「帝都物語」(1988)が興行収入18億円を記録。89年にオズ、92年にはロサンゼルスに「オズラ・ピクチャーズ」を設立し、以降、中田秀夫監督、清水崇監督とのコンビで “ジャパニーズホラー” を牽引した。


04年には「呪怨」をリメイクしてプロデュースした「THE JUON 呪怨」が全米興収1位を記録する大ヒットとなり、ハリウッドも注目する日本人プロデューサーのひとりとなった。近年のプロデュース作品は、「ゴースト もういちど抱きしめたい」(10)、「犬とあなたの物語 いぬのえいが」(11)など。(文化通信)

申請にも資金が必要なのか。ちなみにオズが製作した最後の公開作品は、私が記憶してる限りだとネイチャードキュメンタリー映画日本列島 いきものたちの物語』(今年2月4日公開)。


そして海を越えたハリウッドでも一報が報じられた。米国時間の7/5(木)早朝にVariety誌によって出された記事が↓こちら。

'Grudge' producer to file for bankruptcy(@Vriety)


TOKYO -- J Horror producer Takashige Ichise, whose credits including the original Japanese "Ring" and "Grudge" movie franchises, as well as three Hollywood pics based on the latter, has decided to liquidate his production company Oz. (中略)


Ichise's latest completed pic is the shocker "7500," which is helmed by "Grudge" series maestro Takashi Shimizu, and is skedded for a 2013 release.

基本的に文化通信の記事を訳した内容なので中略。ただ最後の1行のみ「一瀬氏の最新作は『呪怨』シリーズの清水崇が監督するショック映画『7500』。2013年に公開予定」とのアメリカ独自の記事が追加されてる。


これを受けてハリウッドチャンネルが日本時間の7/6に出した記事が↓こちら。

「リング」「呪怨」…Jホラーブームの立役者、一瀬隆重のオズ倒産へ(@ハリウッドチャンネル)


Jホラーの先駆けとなった「リング」(98)、「呪怨」(99)の株式会社オズが、法的整理の手続きに入っていることがわかった。米ヴァラエティが報じている。


 株式会社オズの負債額や申し立ての正式な日付は明らかになっていないが、法的整理の手続き費用すらもままならない状況だったという。また現在、同社の代表取締役一瀬隆重の公式ブログやウェブサイト等もすべて閉鎖されている。(以下略)

というわけで最初に戻り、「ブログが落ちてる!」という報告がちょこちょことあがり始めたのが7/1(日)。一瀬Pの「TAKA ICHISE BLOG」はアンテナ登録してあるんだけど、履歴によれば、最終更新日は「June 04, 2012」の模様。まだキャッシュが残ってるのでGoogleで「TAKA ICHISE BLOG」と検索してみてください。



で、ここからが問題で、一瀬Pは5月頃のブログで現在映画を2本製作中とのたまってたわけですよ。それが↓こちら。

『高速ばぁば』監督:内藤瑛亮 出演:未来穂香,北山詩織,後藤郁,岡田義徳
『カルト』監督:白石晃士 出演:あびる優,岩佐真悠子,入来茉里,三浦涼介

「これどうなるの?(汗)」と思ったら、製作はオズではなく、ダブル・フィールド(W Field Inc.)という会社(これまでに手がけた作品名みてるとアルチンボルトっぽいんだけど違うの?と思ったら、アルチンボルトの平田樹彦副社長が社長になって『マイマイ新子』作ったあとにマッドハウスを辞めた丸田順悟プロデューサーが取締役やってる会社だった。契約監督に「仮面ライダー フォーゼ」の坂本浩一監督の名前も入ってて現在長澤奈央主演でアクション映画『トラベラーズ』を製作中)。こちらの会社説明によれば、今回一瀬さんをプロデューサーに迎えてホラー3作品(『高速ばぁば』『カルト』と鶴田法男監督『トーク・トゥ・ザ・デッド』)を企画し制作したということなので、この3作品についてはひとまず安心かな(こちらのツイートによれば瀬々さんの新作も進行中とのこと)。


ちなみに、ハリウッド映画『7500』(http://www.7500movie.com/)と『高速ばぁば』の予告は↓こちら。




ん、、、丸田順悟?   と、一瀬P?  ・・・なにか覚えがある。


(・・・ブログ内検索中・・・)


あ! あれはそういうことだったのかああああああああ!


いやね、以前にこちらでも書きましたが、マッドハウスの元社長である丸田順悟プロデューサーは山口県出身で、山口県防府市が舞台となっているアニメ映画『マイマイ新子と千年の魔法』を片渕監督に作らせた大恩人なんですよ。その人が『マイマイ新子』が公開されてしばらくしてから、マッドハウスを辞めたんですね(ちょうど高橋洋監督の『恐怖』が公開された頃です)。で、私はその一報を一瀬Pのブログを読んで知ったわけですよ。まさかあれが、こうつながるとは!


一時代を築いたあのオズがなくなるのは寂しいけど、一瀬Pにはこの局面をなんとか乗り切ってまた頑張って欲しいです。


追記(2015.9.14)
ようやく破産手続きが開始されました。随分時間かかったね。

「リング」「らせん」など手がけた映画製作会社・オズが破産へ(@ITmedia ビジネスオンライン ) 2015年09月14日 15時05分 更新


帝国データバンクによると「リング」「らせん」などを手がけた映画製作会社のオズ(東京都江東区)が9月9日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。最近は大きなヒット作に恵まれず、資金繰りが悪化していたという。(以下略)