『僕たちは世界を変えることができない』を観た(@シネコン)

『僕たちは世界を変えることができない』観てきたよ。これね、「深作健太監督の作品って苦手です」って言う人は今回絶対大丈夫だから観に行ってみて。「てことは健太ファンにとってはイマイチな映画?」と思われるかもしれんけど、そういう人は「カンボジアに小学校を建てる若者の話らしい」程度の予備知識で向井理松坂桃李若手俳優目当てに軽い気持ちで観に来た若い女の子たちが、劇場で何を見せられてるのか楽しみに来てください。Eテレで地上波放送されたら間違いなく「あれ? ETV特集始まったの?」て間違えるぐらいのガチ・ドキュメンタリーが挿入されていて、ガイドによる解説のもと、エイズの蔓延や地雷原で遊ぶ子供たちといった今現在のカンボジアの状況だけではなく、ポルポト政権下で行われた拷問、虐殺、過酷な労働といった過去の悲惨な歴史を、各種資料館を巡り、当時の様子を伝えるエグい絵画や頭蓋骨の山、幼児を打ちつけて殺してた“人殺しの木(KILLING TREE)”の実物等を見ながら、演者・観客が一緒になって20分ぐらいかけて徹底的に学ばされてる姿を見ることができると思います。でも、この時間がこの映画にとってはほんとに必要なんですよね。カンボジアのことを何も知らずに軽い気持ちで学校を建てようと思った主人公たちと、カンボジアのことを何も知らずに軽い気持ちでこの映画を観に来た観客の心を共に打ち砕いてくれて、日本に帰ってきたときのとまどいを上手く共有できるという。。。