話題の西村賢太をコンプリートしてゆくことに決めた!

この2週間、「ラジカントロプス2.0 文学賞メッタ斬りSP(前後編)」ばかり繰り返し聞き続けてたら、芥川賞を獲った西村賢太の小説を読まねばならない気がしてきて、映画芸術買うついでに本屋のオススメコーナーをのぞいてみたところ、芥川賞受賞作『苦役列車』(単行本)と一緒に運良くデビュー作『けがれなき酒のへど』が収録された文庫本『暗渠の宿』が並んでたので、定価362円と非常にリーズナブルなデビュー作の方を即購入。飯屋でご飯喰いながら一気に読んだ。

暗渠の宿 (新潮文庫)

暗渠の宿 (新潮文庫)

いやこれ、買って大正解。主人公の人間性があまりにしょーもなくて笑いが止まらない(蛭子さんを見てるみたい)。下衆でサイテーながら「相思相愛の彼女を作ることが夢」という男子中学生並のピュアマインドを兼ね備えた主人公が、テレクラや援交は不純だと風俗通いで運命の相手をひたすら探すも、買い集めた蔵書を売って作った大金をソープで出会った女性にあっさり騙し取られるという流れに終始ニヤニヤ笑いを抑えることができない。純文学っていうからどんなカタッ苦しい作品かと思ったけど、吉田豪のダメ漫画家インタビューを読んでるようなエピソードのオンパレードでひたすら可笑しい。伊集院光が「最近身の回りで起こったむかつくこと」について語るときの自虐を交えた罵倒表現が大好物な人なら絶対気に入ると思う。amazonレビュー読んだら他の作品も全部こんな感じなのかw。それは集めざるを得ない。出版社さん、どんどん文庫化して。できれば湯浅さん率いる『四畳半神話大系』チームにノイタミナでアニメ化してもらいたい。


-追記-
西村作品の時系列リスト。
http://www.webdoku.jp/column/sugie/2011/01/24/103721.html