『放送禁止4』の<真実>とは?【あらすじ編】

−告知(2008/06/30付)−
『放送禁止4』がついにDVD発売されることとなりました。

放送禁止4 恐怖の隣人戦争 [DVD]

放送禁止4 恐怖の隣人戦争 [DVD]



ある事情によりお蔵入りになったテープを再編集して放送する(という設定の)『放送禁止シリーズ』。1年半ぶりに放送となった第4弾のお題は「戦慄の恐怖 隣人トラブルが引き起こす悲劇」


冒頭から恒例のテロップが登場。

事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない…


この番組は細部まで目を凝らしてごらん頂きたい
あなたには隠された真実が見えるだろうか?


というわけでまずは事件のあらましから。以下、ネタバレにつき、未見の方はご注意を。基本的に、既に観た人と「うちじゃ放送されないんじゃボケ!」とふてくされてる方を対象に書いてるので、今後放映される可能性のある関西、福岡、北海道、東海地区の方は、早まるな!('06年4月10日追記:現時点では4地域とも既に放送を終了してます)
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2003年9月、ある特集番組のため、隣家からの嫌がらせに悩む森下さん宅を取材に訪れる番組スタッフ。奥さんによれば、主な嫌がらせは「庭にゴミを撒かれる」「庭の家庭菜園に薬品を撒かれ枯らされる」「家の門に中傷のビラを貼られる」といったもの。ビラには「毒」「死」「懺悔せよ」「×」「呪われている」「神の天罰を」「裏切り者に死を」などの言葉が書かれていた。犯人の心当たりを尋ねると「お隣りの奥さんじゃないか」と。問題の隣家からは、狂言の演目を録音したと思わしきテープが大音量で流されていた。


森下さん一家は、夫・仁志(39歳)、妻・利香子(34歳)、息子・元気(8歳)の三人家族。2000年3月に一戸建てを購入し、この地に引っ越してきた。夫の仁志さんは営業部に所属し、いつも帰宅は11時過ぎ。夕飯は母子二人でとることが多いそうで、夜7時を過ぎた今もまだ帰ってこない。昆虫好きの元気くんが今一番気に入ってるのはカマキリ。理由を聞くと「カマがかっこいいから」とのこと。


夜11時45分になり、ようやく夫・仁志さんが帰宅。嫌がらせについて尋ねると、「朝から夜中まで仕事でほとんど家に居ないのであまりよくわからない。証拠もないのにお隣さんを犯人扱いするのも…」と妻とは異なる反応。インタビューの最中、突然リビングから悲鳴とガシャンという物音が! 慌てて駆けつけると無惨にも割られた窓ガラスを前に「突然何かが飛び込んできた」と語る妻。「ちょっと見てきて」と頼まれ、急いで夫は外へ飛び出す。スタッフも後を追う。しかし辺りを見回しても特に不審な人影は見当たらない。ガラスの破片は窓の外まで落ちていた。部屋に戻ると、妻が割れたガラスを片づけていた。電話が鳴ったので傍にいた息子が出るが、すぐ切れてしまった。


森下家が越してくる前から現在の家に居住してたというお隣りのUさん。年配の女性だが、妻・利香子さんとは会ってすぐに意気投合。引っ越してきた当初は一緒に買い物に行くほど仲が良かったとか。ところが、森下家が引っ越してきてから約1年後にご主人を亡くし、以来徐々に人が変わっていったという。「ご主人が亡くなる少し前、お茶会に誘われたので行ってみたら宗教の集まりだったことがある」と話す利香子さん。そのときは気持ち悪かったのですぐ帰ってしまったとか。夫・仁志さんも「妻を通して宗教に勧誘されたことがある」と。高額なお布施を要求されたので当然断ったが、その途端、Uさんの態度が豹変し嫌がらせをしてくるようになったそうだ。それが約1年前。


今後のことを考え不安で涙ぐむ妻。「Uさんの所へ行って話をつけてきて」と夫に懇願するが、「証拠が無きゃ行政だって動いてくれないよ」となかなか腰を上げてくれない。煮え切らない態度に業を煮やしたのか、妻は嫌がらせ行為の瞬間を押さえるべく、スタッフに隠しカメラの設置をお願いする。


翌日、早速カメラを設置し撮影を開始するスタッフ。室内に設置したモニターで監視するが、夕方近くになってもUさんは現れない。妻によると「いつも夫がいないときに嫌がらせしに来てるようだ」とのこと。しばらく様子を見てると、ようやくUさんが姿を現した。案の定、手にはゴミ袋を持っている…。


まずは庭の垣根越しに森下さん宅へゴミをまき散らすUさん。その後、家庭菜園に何か液体をまき散らし、玄関に回って門にビラを貼り付ける。その後、森下さん宅に面した自宅2階窓でタバコをふかし、吸い殻を投げ入れ、森下さん宅に向かって人差し指で大きく「×」を描いた。


その映像を帰宅した夫・仁志さんに見せると、ようやく重い腰をあげる決意をしてくれた。

「近隣住民」への苦情件数はH8年時点で5,265件だったものがH15年には13,503件にまで増えている。「ピンポンダッシュされたり、ゴミを荒らされたり、風呂の音がうるさいとか、終いには雨の音がうるさいとまで難癖をつけてくるようになった」と語る体験者・Tさん。統計によればトラブルの内容は「1位・違法駐車、2位・生活音、3位・ペット飼育・・・」と続くそうだ。犬飼弁護士によれば、「近隣トラブルで一番多いのは音の問題。今までは隣同士のコミュニケーションの中で解決してきたが、コミュニティが崩壊した現代ではうまくゆかず、同じ音でも気に入らないとトラブルに発展。生活音を規制する法律はない。トラブルがエスカレートすると殺人に発展することもある」とのこと。


Uさんの知人である喫茶店のマスターによれば、Uさんはもともととても気さくでいい人だったという。ご主人が亡くなってから人が変わったのは宗教のせいじゃないかと。ご主人はコーヒー好きで、よく店にも飲みに来たが、奥さんが宗教に凝りだし早くやめてほしいとよく愚痴っていたそうだ。その宗教とは「拝んで呪い殺す」という噂が立っており、この辺りじゃご主人もUさんに呪い殺されたんじゃないかと噂されている。


ねばり強く交渉を続けた結果、Uさんから話を聞けることに。祭壇の置かれた薄暗い部屋に通されるスタッフ。祭壇にはロウソクや「×」印の書かれた白い紙の貼られた小さな木枠、ご主人の写真、その脇には茶色のマグカップが置かれていた。「あの家には悪霊がとりついてる」と語るUさん。「旦那は会社の女性と浮気をしており、奥さんはそのことを知って旦那を深く憎んでる」と。そして2001年4月に急性心不全でご主人を亡くしたことについても触れ、「あの家が災いを持ってきたせいだ」と語ったUさんは、「あいつらは悪魔だ。私が呪い殺してやる」と祭壇に向かい何やらお経を唱え始めた。


森下さん夫妻に話すと、常軌を逸した理由に夫はもうお手上げといった表情。「警察に任せるしかない」と言い出すと、妻が「ちょっと来て」と夫を別室に連れて行った。しばらくすると口論を始める二人。「警察に行く前に私たちで話しに行こうよ」「いやー、もう無理だよ」「だって警察に行ったらあなたがしたことも話さなきゃいけないじゃない。Uさん、TV局の人たちに絶対喋ってるよ」「おいおい、あれいつのことだと思ってるんだよ。別に喋られたっていいよ。だって、あれはもう済んだことだもん。終わったことだもん」「どうして? あなたがあんな女とあんなことするからこういうことになっちゃうんじゃない!」「ちがうよ、何興奮してんだよ」。ヒステリックに罵倒し出す妻を置いて、夫は二階へ退散。泣き崩れる妻。


夫・仁志さんの不倫について、妻・利香子さんは以前Uさんに相談していた。しかしそれは昔の話で、仁志さんは既にその女性と別れて利香子さんとの家庭を精一杯やっていこうと考えていた。しかし妻は、他人にあまり知られたくない家庭の事情をUさんに話してしまったことから、それが公にならないよう円満解決を望んだ。


数日後、朝食中の森下家を訪れるスタッフ。今日はこの後、Uさん宅へ話し合いに行き、それで埒が明かなければ警察に行くつもりだと話す仁志さん。コーヒーを飲もうと茶色のマグカップを掴んだ仁志さんに、ふざけて元気君がぶつかった。カップを落とし座椅子はビチャビチャ。妻が新しいの入れるよと言ったが、「いい」と言って着替えに行く仁志さん。その後二人はUさん宅へ。取材は遠慮してほしいということで、森下さん宅で待つスタッフ。元気君が画用紙に×をいっぱい描いて遊んでた。机の上には虫かごが。「それ何?」と聞くと「カマキリ!」と嬉しそうに見せてくれた。中には2匹のカマキリが。大きいカマキリの上に一回り小さなカマキリが乗っていた。「大きい方がメスで小さい方がオスだよ」と教えてくれる元気君。


話し合いを終え戻ってきた森下夫妻。ホッとした表情で「拍子抜けするぐらいちゃんと話ができた」と語り、「ご主人が亡くなって寂しかったんだろうねえ」と感想をもらす夫。嫌がらせについても謝罪してくれたそうで、妻も「気が楽になった」と笑顔を見せた。元気君に寄り添い、3人で虫かごの中のカマキリを見つめる。携帯が鳴り、部屋を出ていく夫。どうやら仕事の電話らしい。外で長々と喋っていた。


その日以来、Uさんからの嫌がらせはピタッとおさまり、取材も終了。




・・・しかし1ヶ月後。


再び妻・利香子さんから連絡を受け森下家を訪れると、元気君が腹痛を訴え高熱を出して寝込んでいた。「Uさんから貰ったドーナツを食べたらこうなった」と語る妻。コーヒーを入れ、気持ちを落ち着けようとするがおさまらない。「おかしいよ。殺そうとしてる」と怒りに震える妻を「落ち着こうよ」となだめる夫。その態度に更に怒りを爆発させた妻は「息子が死んでもいいの? そんなこと言えるのはあんたが浮気してるからでしょ? あんたがあのつまんない女といる間に子どもが死のうとしてるのよ!」とスゴイ剣幕で夫をなじりだす。夫を叩き「あのババアのとこに行ってきてよ!」と叫び泣き崩れる妻。しばらくして夫は決意したのか、ぐいっとコーヒーを飲み干し、Uさん宅へ向かった。Uさんからカメラを断られたので、カメラポジションを探し裏手に周るスタッフ。祭壇のある部屋に仁志さんは通されていた。「うちになんの怨みがあるんだ! 答えてください!」と激昂して詰め寄る仁志さん。座ってじっと聞いてたUさんだが、しばらくするとお経を唱え出した。すると突然、胸を押さえて苦しみ倒れる仁志さん。祭壇に向かい「エイッ!エイッ!」と人差し指で空を斬り続けるUさん。そのたびに仁志さんがもがき苦しみ、しまいには泡を吹いて呼吸が止まってしまった。驚いたスタッフはすぐさまUさん宅に入り、救急車を呼びに外に駆け出す。そのとき、森下さん宅の2階窓に二つの人影が見えた。。。


数時間後、夫・仁志さんは亡くなった。医師によると、急性の心不全だという。糖尿病などの病気であればあの若さでも起こりうるケースだが、その可能性は見受けられず、心理的なストレスで心臓に過度な負担がかかったのではないかとのこと。毒物の検出も無し。警察も仁志さんの死に事件性はないと判断した。

年代別に見た男性の死因順位が示される。30代の死亡原因は1位・自殺、2位・事故、3位・心疾患。40代は1位・ガン、2位・自殺、3位・心疾患。50代は1位・ガン、2位・心疾患、3位・自殺。60代、70代は1位・ガン、2位・心疾患、3位・脳血管疾患。


それから3週間後、妻と息子はあの家を離れ市内のマンションに引っ越していた。スタッフが様子を見に行くと、どことなく晴れ晴れとした様子で「くよくよしても仕方ないので、第2の人生だと思って元気と二人頑張っていこうと思う」と語る利香子さん。「呪い」を立証することは難しいので裁判に訴えたりなどもする気はないとのこと。そこへ元気君が帰ってきた。虫かごの中のカマキリが一匹になったのを見てスタッフが尋ねると「大きい方が小さい方を食べちゃったから」と答える元気君。家の隅には「×」印の描かれた紙が貼られた小さな木枠が飾られていた。これは、どこかで・・・・・・


そこから映像がフラッシュバック。バックには<狂言のテープ>が流れ出す。


Uさん宅の祭壇に飾られた×印、利香子さんの新居に飾られた×印、死因を説明する医師の後ろに飾られていた額の中にも×印。2階窓から森下家に向かって空に×印を描くUさんの姿。元気君が出るとすぐ切れる電話、携帯に電話が掛かり外で長話する夫、帰宅した夫が玄関前で女性とキスしてる隠しカメラの映像。家の外側に落ちてる窓ガラスの破片。Uさんのご主人の写真の横に置かれた茶色のマグカップ。亡くなる直前に同じ茶色のマグカップでコーヒーを飲み干す夫。ビラに書かれた「毒」の文字。「エイ!」というかけ声にあわせもだえ苦しむ夫。救急車を呼びに外へ飛び出したカメラマンが捉えた森下さん宅2階窓に映る二つの人影、スローモーションでよく見ると妻と息子がUさん宅に向かって×印を描いていた。。。



あなたには真実が見えましたか?


そして雌カマキリの映像を次のようなテロップが取り囲む。


事実を積み上げることが必ずしも真実に結びつくとは限らない…



(補足:大音量でUさん宅から流れてきた《狂言のテープ》。その演目は「鎌腹」。)


文字にしてみると、やはり今回はヒントがあからさまだなあと思う(カマキリ出し過ぎ)。大雑把な真相は、「一度は切れたと思っていた夫と会社の女の子と不倫関係が裏で続いていたことを知った妻が、かねてから相談していたUさんと結託し、夫を毒殺。Uさんに誘われて入った新興宗教団体の力を借りて、ニセの死亡診断書を書いて貰った」というところだろう。まあ、宗教団体はタダじゃ手伝わないよねえ、おかしな噂の立ってる宗教団体のようだし、お布施の額も高額なんだって? 元気君はどうしてカマキリが好きになったんだろう・・・というあたりから妄想を膨らますといろいろと広がる話もあるんだけど、なかなか今回は補強してくれる情報がない(『3』はいっぱいあったのに)。「家庭菜園を枯らされる」っていう突飛な設定も除草剤で毒殺してくれれば無駄にならなかったんだけどなあ。実在する人物による話やデータであれだけ「騒音トラブル」について触れてるのに、そっち方面へのミスディレクションが何もないのもツマラナイ。浮気発覚の時期によっては宗教団体の関わり具合が少し変わってくるので、ここははっきり示して欲しかった。


叙述トリックとしては物足りないけど、愛憎ドラマとしての面白さは前回より上だったと思う(『2』を観た人は全然物足りないそうだけど)。何度見ても、奥さんはイイなあ。ヘタレな旦那さんを追い込む姿とか、終わった後の嬉しそうな顔とか、1回失敗してるだけに必死な感じとそこからの開放感が伝わってきてたまらないものがあります。




解決編は後日改めて。意外と忙しくて時間がなかった(汗)。


−追記−
解決編書きました↓




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