『フライ,ダディ,フライ』を観た(@シネコン)

原作も読んでないし、当初は観に行くつもりなかったのだけど、評判がいいので行くことにしました。客層は小中学生の女子中心に、同じく中学生ぐらいの男子、そして20代後半〜30代ぐらいの女性がちらほらといった感じ。男の方が多いと思ってたんで、この客層は意外でした。8割入りぐらい。


『FLY,DADDY,FLY』 7/9(土)よりロードショー


【監督】成島出【原作・脚本】金城一紀【撮影】仙元誠三
【出演】岡田准一/堤真一/須藤元気/星井七瀬/松尾敏伸/愛華みれ/塩見三省/渋谷飛鳥/坂本真/青木崇高/広瀬剛進/浅野和之/温水洋一/徳井優/大河内浩/田口浩正/神戸浩/モロ師岡
121min/2005年


「今日から戦い方を教えてやるよ」


【STORY】愛する妻(愛華みれ)、高校生になる自慢の一人娘・はるか(星井七瀬)と幸せな家庭を築いていた平凡なサラリーマン、鈴木一(堤真一)。しかし、たまたま許した夜遊びで、はるかは見知らぬ男子高校生に顔面を殴打され入院。相手は石原(須藤元気)という、次期総理大臣候補を父に持つ高校生ボクシングチャンピオンだった。ただの痴話げんかだという相手側の言い分に、一瞬でも娘を疑ってしまった鈴木。そんな父の態度に心を閉ざしてしまうはるか。娘の敵を討つため、石原の通う高校に単身乗り込む鈴木だが、校舎から出てきたスンシン(岡田准一)に一発でKO。彼の仲間(松尾敏伸ら)から別の高校に来てしまったことを知らされる。事情を知ったスンシンらは、仇討ちに力を貸すことを約束。翌日から会社を休んでの鈴木の猛特訓が始まった……。

最初から最後まで微妙に物足りない感じがあって(それが何を由縁としてるのかが自分でも掴めないのだけど)、どっぷり浸かって思いっきりハマッたっていう風には最後までならず、どんなに盛り上がるシーンでも常にこちらのテンションは上限75%止まり、みたいな状態。にもかかわらず、気がつけば要所要所、それもものすごく単純な台詞で泣かされてるという、いったいこれは何なんでしょう。


堤真一は殴られるの上手いですね。これでもかというぐらいヘタレに映る。岡田准一はかなり身体を鍛えていて、肉付きの差からも「鈴木さん、そのカラダじゃ全然ダメだよ。もっと鍛えなきゃ」と思わされる。また、《鷹の舞》を踊るためにキャスティングされたのかと思うぐらい、舞のシーンにおけるスクリーン映えが良く、羽ばたく姿が松尾敏伸の語る台詞を見事に体現。ほんとにこのまま飛べるんじゃないかって思った。木の上でスンシンが生い立ちを語り鈴木からいたわって貰う場面、ここはとても良いシーンで、岡田君があと4,5才若ければ、会話の内容がもっとしっくりいったんじゃないかと思う(娘役の星井七瀬に比べると、堤真一とは“兄と弟”ぐらいの年齢差に見えてしまう。唯一弱さを見せる場面なので、これが“父と子”に無理なく見えると、もっとグッときたんじゃないかと)。


スンシンが自宅に一人でいるときに流れる音楽が「すっげー安川午朗みたい」と思ったら、ほんとにそうだった。安川さんは「安川節」ともいえる特有のメロディラインがあるのでわかりやすい。このときに流れる曲と岡田君の佇まいがまたよく合ってた。


しかし、いったい何が自分にとって物足りなかったんだろう。気分はそれほど盛り上がらない、でも泣けるっていう。演出が微妙にツボから外れていて、何か感情が抑え込まれてしまったんだろうか(明確な自覚症状ないけど・・・)。



尚、上映は8/5(金)まで