『樹の海』まもなく公開(6/25〜8/6まで)

自殺の名所で知られる青木ヶ原樹海を舞台に4つのストーリーが交錯する樹の海が今週末から公開される。監督は降旗康男高橋伴明佐々部清らのもとで長年助監督を務めてきた瀧本智行。念願の監督デビューとなる本作では脚本も手がけており、公式サイトの監督コメント(こちら)には、売れっ子助監督からの脱却へ向けて「映画を撮るぞ!」と脚本を書き始めた時の苦悩や、不安や焦燥といった言葉では括れない、どうしようもない気分にどっぷり浸かって気づいたことなどについていろいろと綴られており、「この時のこの心情、この感覚がそのまま映画で表現されてるのかしら」と想像すると、なかなかに期待させられるものがあります。ちなみに本作は、昨年の東京国際映画祭《日本映画・ある視点》部門で作品賞と特別賞(津田寛治の演技に対し)を受賞。

『樹の海』 6/25(土)〜8/6(金)まで


【監督】瀧本智行【脚本】青島武/瀧本智行【撮影】柴主高秀
【出演】萩原聖人/井川遥/池内博之/津田寛治/塩見三省/余貴美子/大杉漣/小嶺麗奈/小山田サユリ/中村麻美/田村泰二郎/宮本大誠/田中要次/でんでん/蟹江一平
119min/2004年
□上映館:渋谷シネ・アミューズ


【STORY】
ヤクザにそそのかされ5億円を横領した朝倉(萩原聖人)は、口封じの為に殺され樹海に棄てられる。奇跡的に一命は取り留めるが、行く当ても無く樹海を彷徨い歩くうち、今まさに自殺しようとしている中年男・田中と出会う。「止めないで下さい!」。田中の悲痛な叫びに、慌ててその場から逃げ出す朝倉だったが……。
悪辣な090金融を営むタツヤ(池内博之)の携帯電話に、夜逃げした顧客・北村今日子から突然の着信が入った。自殺しようと樹海へ入ったが足を挫いて動けない、というSOSだった。今度こそ逃すまい。今日子を助けるべく、樹海の奥へ奥へと足を踏み入れるタツヤだったが、突如言い知れぬ不安に襲われる。この森の奥に、本当に今日子はいるのだろうか……。
平凡な日常生活を送る山田(津田寛治)は、探偵の三枝(塩見三省)に突然呼び出され写真を見せられる。そこには若い女と一緒に自分が写っていた。三枝が言うには、その女性はこの写真を持って樹海で自殺したらしい。しかし山田は、その女性にもその写真にも見覚えが無い。自殺の理由を知りたいという三枝の切なる願いを受けて、山田は必死に記憶を辿るのだった……。
駅の売店で働く映子(井川遥)には“ストーカー”という過去があった。それまでのキャリアも何もかも捨て、郊外でひっそりと暮らす映子だが、思いも寄らぬ形で、ストーカー行為の相手・渡辺と再会してしまう。しかし彼は映子を覚えていなかった…。打ちひしがれた映子は、“樹海”へ向かうバスへと乗り込んでいた……。



樹の海』公式BLOG http://kinoumi.ameblo.jp/


6/25(土)は10:40の回上映後、13:20の回上映前に初日舞台挨拶あり。ゲストはどちらも瀧本智行監督、萩原聖人津田寛治塩見三省を予定。当日朝10:00より整理券配布。(追記:初日舞台挨拶の模様


−追記−
トークショーティーチインが決定しました。

7/11(月) 16:00の回上映後トークショー
 ゲスト(予定):井川遥瀧本智行監督
7/12(火) 16:00の回上映後ティーチイン
 ゲスト(予定):清水康之(自殺対策支援センター ライフリンク代表)、瀧本智行監督


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