ボキャブラリーの壁

はてなダイアリーを始めてそろそろ半年経つが、自分自身について気づいちゃったことがある。それは、感想を書く際、作品の傾向によって明らかに筆の滑りのいいジャンルと悪いジャンルがある、という如何ともしがたい現実。しかも滑りの良さは作品の面白さに関係がない。いわゆる<ボキャブラリーの壁>ってやつですよ。故に滑りの悪いジャンルで書きたいことがある時はストレスがたまる。たまるならやめればいいんだが、そう単純にはいかないんだな。勢いに任せて書き始めるのだが、思うこと感じることは多々あっても、それを表現する言葉が見つからず、結果「いい感じだった」とか適当な言葉で終わらせてしまう己のボキャ貧ぶりに、またストレス。そんな時は、他人の感想を読み漁り、気持ちの代弁者を探すのが一番なんだが、うまくフィットする感想に出会えなかったり、己の書きたい意欲の方が勝ってしまう場合もあるわけで、まあ、難しいところです。


なぜこんな話をし出したのかというと、篠田氏の訃報を聞いて以来、ネットでその名を見かけると、氏の撮った画が頭の中にすっと浮かんでくるわけですよ。そのたびに何かこうまとまらない感情が映像と共にぶわっと出てくるんだけど、それをうまく言葉に変換し吐き出すことができないため、もやもやした何かが消化されることなくどんどんどんどん溜まってゆき、悶々としてくるわけです。


ああ、こういうときは本屋にゆきたい。でっかいでっかい本屋にゆきたい。