『渋谷怪談/渋谷怪談2』を観た(@渋谷シネ・ラ・セット)

渋谷シネ・ラ・セットで2本続けて観てきました。客は15人ぐらい。アイドルオタク風な年齢不詳のお兄さんたちと、ホラー目当てで来た10-20代のカップル(男女or女女)という不思議な客層でした。今日は映画館の外で工事があったみたいで、換気口から入ってくる外の音がうるさいうるさい。あれはなんとかならんもんかなあ。

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映画の詳細は以前の日記を参照。



いやー、怖くないとかなんとかいろいろ言っちゃったけど、やっぱ三池崇史は演出力ありますわ。…て、もちろん、この映画の監督は三池じゃないですよ。分かってます。三池崇史が撮ったホラーは『着信アリ』。『渋谷怪談』は堀江慶です。でもなんでそんなことを思ったのかというと、三池崇史堀江慶も心霊ホラーは初心者なんですよ。だから数あるお手本を見様見真似で撮り上げてきてるという点では同じ。にもかかわらず、きちんと水準までもってきた『着信アリ』に比べ、『渋谷怪談』は(ヒロインがかわいく撮れてたということを除き)全てがダメダメ。この違いは何なのだろう…。同じようなシーンを見比べても「怖いのは苦手で普段ホラーは観ない」と言ってる三池の方が出来がいい。結局、三池崇史というのは、プロデューサーの要求に合わせていろんなタイプの映画を撮りまくってきたことが功をそうし、慣れない分野でもそれなりの水準のものを撮れるだけの演出力をしっかりと身に付けてるんだと思う。一方堀江慶は、映画監督としてはまだ駆け出しなうえ、“心霊大好きっ子”ってわけでもないから、技術力を感性で補うこともできない。まあ、監督が素人ならホラーを撮り慣れたベテランをスタッフに配すれば良いだけの話なんだけど、『渋谷怪談』の場合、画作りの片翼を担う撮影カメラマンも新人なうえに、脚本もダメダメときてる。音響効果も、、、ただ鳴らせばいいってもんじゃないんだよなあ。


全体的に見て、堀北真希イメージ・ムービーとしてはよく出来てると思う。真希ちゃん、かわいい(笑)。魅力は十分に伝わった。


役者に罪はない。でも製作陣は一度ぐらい反省会開いといた方がいいと思うぞ。


−追記−
思い出した。観ながら三池監督を思い出したのは、核となる設定が『着信アリ』とかぶってたからだ。

それから、、、これは個人的な意見だけど、日本の心霊ホラーは伝統芸能と同じだと思うのですよ。話のパターンは限られてるから、見せ方の部分でどんな工夫がこらせるか、どれだけ新しい感性を提示できるかってとこだと思うんだな。そのためにはまず見せ方の基礎がきちんとわかってないといけない(型を知らずに型破りはできないってこと)。『渋谷怪談』に関しては、その基礎の部分で「うーん、これはどうだろう?」て演出が目に付いてしまった。例えば病室で意識不明状態にある水川あさみ堀北真希に鍵を渡すシーンとか、永澤俊矢車に撥ねられるシーンとかね。後者に関しては、基礎というより、黒沢清が好んで使うあの技がデフォルトになりつつあるんだから、轢かれた瞬間を見せるなら素直に模倣すればいいのになあなんて思った。そしてやはり脚本が、、、。愚痴は尽きないです(苦笑)。


−追記2−
今後、アジアもの(香港・韓国・タイ3監督による競作『THREE/臨死』)と日本もののオムニバス・ホラーが上映されるようです。予告編が流れてたけど、そろそろ黒髪が床や壁からわさわさ伸びてくるという技は禁じ手にしませんか?(苦笑) 模倣するなら、もう少し見せ方を工夫するかオリジナリティを加味してくんないと、あまりに多すぎてさすがに食傷ぎみです。