全監督全脚本家インタビューが収録された「ケータイ捜査官7」オフィシャルブックがついに発売!

ついに発売!ってもう発売されてるんですけどね。ようやく手に入れて読み終わりました。

ケータイ捜査官7オフィシャルブック カーテンコール

ケータイ捜査官7オフィシャルブック カーテンコール

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(※amazonが画像載っけてくれないので楽天もつけてみました)


アニメ畑の人が書いた脚本をVシネ畑の監督陣が撮るという、プロダクションI.G.&三池崇史の人脈なくしては生まれないような異色タッグマッチで制作された『ケータイ捜査官7』。それだけに、三池さんとか押井さんといった有名どころだけじゃなく、他のスタッフからも裏話がいっぱい聞きたいなあ、できればインタビュー本か無理ならスタッフだけ集めて新宿ロフトでイベントやってくれんかなあと切望してただけに、関わった監督・脚本家全員からインタビューとったこの本は待ちに待った待望の1冊であり、ほんとにほんとにありがとうございました。だって1話しか書いてない脚本家さんにもちゃーんとインタビューとってるんですよ! しかも一人2ページも。ほんとに目の付け所がステキです。


これね、なにが一番驚いたって、シリーズ構成・脚本を担当した冨岡淳広さんですよ。三池監督との2ショット写真が掲載されてるんだけど、どう見てもVシネ俳優と監督にしか見えない(え?そこ?)。ぶっちゃけ三池さんより強面です(笑)。


インタビューでいえば、「並列分散リンクは使い捨てのネタのつもりで書いた(山口宏(脚本)・談)」てのは意外でしたね。冨岡さんと監修を担当した苫米地さんの間であらかじめ決まってたことなのかと思ってました。CGチームが頑張りすぎて、見てるこちらがドン引きするぐらい生理的に気持ち悪く表現できちゃったのがいけなかったんでしょうか?(苦笑) あと「テレ東なんて途中で社長と会長が出てきて「視聴率は気にしなくていい。思うようにどんどんやってください」って言い切りましたから(三池崇史監督・談)」とかさ、そういうことは早く教えといて下さいよ。こっちは視聴率見るたびにすごく心配してたんですから(というかテレ東より視聴率も制作費もあるくせに堪え性のないどこかの局の社長と会長に爪のあかでものませたい)。それから着身シーンについて「武将が鎧を着けるイメージです(森下勝司P・談)」とか、「ソフトバンク孫社長『24』のファンだって聞いたので、アンダーアンカー本部のセットは『24』のCPUをイメージした(辻裕之西海謙一郎監督・談)」とか(笑)、「ええー!?」ていうような裏話が盛りだくさんで非常におもしろかったです。


読んでて嬉しかったのが、「実写の脚本を書くのは初めて」というアニメ畑の脚本家さんたちが「すごく楽しかった」とか「またやりたい」って言ってくれたり、自分がメインで書いたキャラクター(それも俳優さんが演じた方)をとても気に入ってくれて「このキャラでもっとこんな話も書きたかった」って言ってくれたり。逆に普段生身の人間ばかり撮ってるVシネ畑の監督さんがフォンブレイバーに対する思い入れを熱く語ってくれてるのとか聞いてると、こちらもついつい顔がにやけてしまいます。


最後は壮絶な《別れ》で締めくくった『ケータイ捜査官7』ですが、インタビュー読んで「やっぱ三池監督っていろいろ考えてるんだなあ」と改めて思わされたのがこの部分。

三池 携帯電話と人間ってお別れ慣れしてるんですよ。昔だったら1つのオモチャと別れるのってすごく悲しかったのに、今は新しいものが出たら取り替えるのが当たり前になっている。

「お別れ慣れ」って言われてみるとそうかも。


それから『URL』というホラーエピソードを撮った鶴田法男監督が、窪田正孝クンが異常な恐がりで撮影に支障が出るぐらいだったと語っており、それ聞いて腑に落ちたことがひとつあったんだけど、『URL』の回で「ケータイの画面に心霊動画が映し出され、それを凝視してケイタが涙目になる」っていうシーンがあったのね。今までに何本も心霊もの見てきたけど、心霊動画を見て「涙目になって固まる」っていう芝居を見たのはこれが初めてだったのよ(たぶん)。一瞬驚いたんだけど、すぐに「ああでもこのリアクション、ありだな。逆にいままでなんで無かったんだろ」って思って、なんかすごく新鮮に感じ、「さすが、窪田クン!やるね!」なんて思ってたんだけど、あれは「ケータイ画面に怖い映像が映ってるって想像しただけでほんとに怖くなってっきちゃって気付いたら涙目になってた」ってオチだったのかい?(苦笑)


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というわけで、本にはまだまだたくさんの裏話が載っております。ファンの皆さん、書店に行った際はお忘れ無く!