先日買った長編ホラー小説『最恐の幽霊屋敷』『予言の島』読了。どちらも面白かった。
『最恐の幽霊屋敷』(大島清昭著)
ホラーと本格ミステリーしか読まない私にはオカルトとミステリーのバランスがほど良い塩梅で配置され、今まで見てきた中で“最恐”というより“最強”の幽霊屋敷だった。巻末の解説読んだら、著者自身も怪談・妖怪好きで、島田・綾辻・京極・森博嗣ら本格ミステリーからの影響を語ってるようなので波長が合うのだろう。いろんな幽霊が出てくるんだがどのエピソードも面白く、連ドラにしてくんないかなあ。時系列に並べ替えるとエッシャーの騙し絵みたいなことになり、卵と鶏、どっちが先かよくわからなくなってかえって混乱するので並べ替えはオススメしません!
↓↓↓ちょいネタバレ↓↓↓あの人があの人なのはすぐわかった。経歴聞いた時からあの2人には事件解決のためにタッグを組んで欲しかったんで、話し始めた瞬間すぐピンときたし、その願いが叶わなかった寂しさから「どうしてこんなことになってしまったのか」と時系列に並べ替えたら、騙し絵に迷い込んでしまったので並べ替えはほんとにオススメしません!
↑↑↑ネタバレ終了↑↑↑
『予言の島』(澤村伊智著)
こっちもオカルトとミステリーが混ざった話で、昭和・平成のオカルトネタがふんだに盛り込まれた前半は懐かしさも相まって、主人公たち3人とオカルトの聖地巡礼に来たような気分になり*1非常に面白かった。後半ちょっと失速するが、最後の最後でそんなことすら忘れるほどのものすごい超特大級の狐に摘まれ、しばし呆然。「待て待て待て! なるほど、あの違和感、全て伏線だったのか・・・いやでもそれにしたって・・・無理があるだろ! 無理じゃね?(半信半疑)」といま2周目を読んでる最中。
(追記:2周目読了。後半の失速感を補うために終盤のアレを付け足して再構築したのかと思ったけど、2周目読んでみたら、微塵も失速しておらず、後半こそがメインに感じられたので、この小説は1周目がウォーミングアップ、2周目こそが本番で、2周目に照準を合わせて全体が構築されてる気がした。なので「最後のアレは蛇足だよ」と感じた人ほど2度読み必須。しかし想像以上だったな。あんながっつり出てきていたとは)また長編ホラー買ってこよ。やっぱ長編は読後の満足感が違う。
そういえば、、、
宮部みゆきが2018年より小説新潮で不定期連載していた小説『Ghost Story』が幽霊屋敷ものなんだけど、全然書籍化のお知らせが来ない。不定期すぎて連載終了してるのかもわからん。書籍化しないとかあるのかな? 首をなご〜〜〜して待ってます。
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*1:それが仕掛けの副産物だとも知らずに・・・