『貞子3D』観て中学生軍団とホラー映画を観る楽しさだけ満喫して帰ってきたでござる、の巻

現在公開中の『貞子3D』が興収10億にいきそうだとか。そりゃそうだろ。2週目と4週目の週末に観に行ったけどどちらもよく入ってたもん。「え? 2回も観に行ったの?」という声が聞こえてきそうだが、だってしょうがないじゃん。すげえ楽しかったんだもん。周りで観てた中学生軍団のリアクションが。 中学生だらけの中で観たんだけど、あんなにも悲鳴をあげ、ざわめき、ツッコミ、そして笑いに包まれたホラー鑑賞は久しぶりだよ。もう楽しくって楽しくって、お化け屋敷に中学生を引率するって仕事があるなら即引き受けたいと思ったぐらい。オープニング前の会場のざわめき、期待感の高まりは凄まじく、ちょうど左隣が一人で観に来てる大学生男子、右隣が男女混合4人で観に来てる男子中学生というポジションで観てたんだけど、右隣の男子中学生が怖いの苦手なんだろうね(笑)。始まる前から「俺、もう無理」ってずっと言ってて、よく小さい時って毛布とかかぶりながら怖い番組見るじゃん。あんな感じで、膝にのっけてた上着を目元までかぶりだして、明らかに顔を背けはじめるわけさ。ほんと微笑ましい。かわいい。いじめたいw(こらっ!)。ベタなおどかしに気持ちいいぐらいにひっかかってくれて、ドーン!「キャー!」ドーン!「キャー!」のつるべ打ちですよ(笑)。この映画、後半になると貞子がまさかのモンスター化し、廃墟にむらがる多数のモンスター貞子を超能力少女・石原さとみが粉砕しまくるというゲーム展開になってゆくんだけど、さすがの中学生も「あれ? もしかして笑っていいのかな?」って学習し始めるんだよね。石原さとみが貞子をやっつけるたびに笑いが大きくなってゆき、最後にはすっかりリラックスして、エンディングで倒れた石原さとみ瀬戸康史くんが抱き寄せ見つめ合うシーンになると、前方に陣取ってた男子中学生軍団が「チューするの?」「チューするの?」「キスしろ」「キスしろ」とうるせーの(笑。実際にチューしたかどうかは劇場でお確かめください)。その一方で、左隣の一人で観に来た男子大学生は終始ため息。「俺の知ってる貞子はこんなんじゃねー」感を終始ため息で主張しないと気が済まないんだろう。その気持ちはよくわかる。が、ここはもう別モノと割り切って遊園地のアトラクションとして楽しむ技を身につけた方がいい。



んで、この初回時の楽しかった思い出が忘れられず、上映終了間際にもう1回観に行ったわけですよ、性懲りもなく。だってほんとに楽しかったんだもん。でも、これがね、、、失敗だった。運がなかったんだね。思いのほか客の年齢層が上がっており、女子中学生軍団はいたものの、あとは一人で観に来た男子中学生がチラホラと、カップルとか20代以上中心の客構成で、運良く外国人グループがきてたので「これは期待できるかも」と胸躍らせて観てたんだけど、前半の心霊シーンで女子中学生軍団がキャーキャー喜んでくれた以外は、後半のモンスター展開で外人さんがちょとざわついた程度で、まあほとんど反応してくれなくなり、となりのカップルで見てた兄ちゃんはためいきつくし、上映前はあんなに興奮してた外人さんも全然騒いでくれないし、「リアクションなしで2度観るのはちょっときついわ」とか「1回でやめとくべきだった」とか「1700円のもとをどこでとろう」とかとかいろいろ後悔しながら劇場をあとにしたのでした。


というわけで、家庭教師のバイトをやってる大学生は教え子の中学生たちを5,6人引き連れて一緒に観に行くと一人で観に行くより数百倍楽しめると思います。作品自体の見所は、モンスター貞子のインパクトと石原さとみ無双(これはほんと笑うよ。初見は)。3Dに関しては、井戸から落ちてくる貞子とパソコンやケータイ画面が大写しになるカットは非常によく出来てたんであそこは何度観ても楽しめると思います。それ以外は3Dかかってるシーンとそうじゃないシーンの差が激しくて「2D→3D変換と3Dカメラの混合じゃねーの?」と思ったけど、パンフ読んだら3Dカメラで全部撮ったって書いてあって「うーん」ってなった。



結論としては、貞子への期待感はいまだ色あせない。だからこそ、吸引力のある貞子を使って中学生が楽しんでくれるホラー映画を2年に1本ぐらいは作ってほしい(小学生をターゲットにっていうといまのご時世じゃ『怪談レストラン』ぐらいぬるい表現に落ち着いちゃうので中学生ターゲットで)。ていうか私はこの子らともう一度劇場で『リング』が観たいです。あの恐怖体験をいまの中学生たちと共有したいんです。だから角川さん、『リング』をそのまま3D化してください。それが無理なら、鶴田法男監督に言って鶴田さんの“ひらひら幽霊(長い黒髪や服の袖・裾をひらひらさせながらゆったりと迫り来る女幽霊)”を3Dで表現してください。私はお台場で体験したときのレイヤーの違う人がまさにそこにいるかのような実在感がいまだ忘れられないんですよ(あのときもたくさんの子供がそこら中で悲鳴上げてて、一緒に観てた大人たち大爆笑だった)。



あ、見所もう1個あった。石原さとみちゃんの中学生時代を演じた平祐奈ちゃんがめちゃ可愛い。ちょっと谷村美月ちゃんに似た顔立ちで、リトル貞子って役があるなら是非この子にやってもらいたいぐらいの正統派美少女。正直、橋本愛ちゃんよりも貞子っぽいと思う(橋本愛ちゃんのキャスティングは完全に『Another』への布石だよね)。事務所の宣材写真より映画の方が断然かわいいし存在感が素晴らしいので貞子3Dのスチールを宣材写真にしたらいいのに(調べたら平愛梨の妹だった!)。