続編作らないという縛りを撤回し、スピラー主演でジブリの病んだ世界から少年キャラを救い出してほしい

借りぐらしのアリエッティ』観てきました。サラウンドをフルに活用した音や映像はとても満足。でもね、、、


以下ネタバレ。
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何故家政婦のハルさんはあそこまで陰湿に、終始不快な人物として描かれなければならなかったのか。何故翔は“ヒロインを助ける王子様”的立ち位置にありながらたいしたフォローもなく無神経な言動を振りまく少年として描かれねばならなかったのか。自分が種族最後の生き残りかもしれないと不安になってる少女に唐突に「君たちは滅びゆく種族だ」とか「人類はどれぐらいいるか知ってる?六〇億人だよ(※細かい部分はうろ覚え)」とか言うかい? 心臓病だかなんだかしらんが涼しげな顔で唐突に言い放つその姿に身震いしたわ。その後失言を挽回できるほどの濃密な交流もなく、終始人間的な魅力が薄いというか・・・(いいのは顔ぐらい?)。『ゲド戦記』の時に「暗い」とかなんとかみんなしてゴローちゃんのこといろいろ言ってたけど、さすがに同じようなことが二作続くとジブリ自体に陰気で鬱屈した空気が蔓延していてそれがキャラクターの生命力に影響してるとしか思えない。


ただこの映画にも救いがあって、それがスピラー。見た目もキャラクターも完全に『未来少年コナン』のジムシーである種の懐かしさが湧くキャラなんだけど、ひ弱で頭でっかちな翔とは正反対。野性的で自活力に溢れ、見るからに“足指力強そうな”彼がその場にいるだけで、ワクワクするような出来事、手に汗握るような活劇が起こりそうな予感、期待感で胸が高鳴る。彼が出たせいで完全に翔の立場がなくなってしまった。だって、ヒロインのナイトとしてどちらがふさわしいかなんて一目瞭然。どちらと行動を共にした方が話が面白くなるかって言ったら圧倒的にスピラーですよ。むしろ何故、スピラーなんて魅力的なキャラがいながら彼とアリエッティの冒険活劇を制作陣が夢想しないのか理解できない。


というわけで制作が予定されてるゴローちゃんと高畑さんの新作が終わったら、次の長編は『スピラーとアリエッティの大冒険』でお願いします。時代の反映かなにかしらんけど、鬱々とした内向的な少年主人公はもう飽き飽きです!


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ネタバレ終了。


追記。アリエッティを観て「これって山岳映画?」と思われた方には、見立ての数々が素晴らしい室内山岳映画の最高峰『屋根裏のポムネンカ』をオススメしておきます。