『カナリア』まもなく公開(3/12〜4/22まで)

“オウムの子供たち”をモチーフに、昨年、塩田明彦監督が史上最多の台風を呼び寄せながら撮り上げたカナリアが、いよいよ今週末から公開される。製作したオフィス・シロウズ代表、佐々木史郎氏によれば(こちら)、『カナリア*1というタイトルは、毒ガスを検知するために連れて行かれる籠の小鳥“カナリア”から名づけたそうだ(やっぱり!)*2第2回日本映画エンジェル大賞にこの企画を持ち込み、製作資金を獲得してきたのは『アンテナ』の松田広子プロデューサー。eigafan.comによるインタビューでは、主役二人のキャスティング理由、現場での監督の印象、脚本執筆中の塩田監督のもとへ少女・由希のキャラクターが“降りてきた”ときの話*3など、製作に纏わる裏話をいろいろと語っていてなかなか興味深い(記事はこちら)。エンディングテーマには、ここのところ映画づいてる向井秀徳の『自問自答』が採用されている(映画のために録り直したとか)。しかし美月ちゃん、この子と同一人物とは思えないよ。

『カナリア』 3/12(土)〜4/22まで


【監督・脚本】塩田明彦 【撮影】山崎裕【音楽】大友良英
【出演】石田法嗣/谷村美月/西島秀俊/りょう/つぐみ/甲田益也子/水橋研二/戸田昌宏/品川徹/井上雪子
132min/ビスタサイズ/2004年
□上映館:渋谷アミューズCQN新宿武蔵野館


あれから10年、神もいないこの地上を 子供たちは走りつづける
奪われたから、取り戻す



【STORY】少年の名は光一(石田法嗣)、12歳。母(甲田益也子)に連れられ、カルト教団ニルヴァーナ》の施設で妹とともに数年を過ごしたが、カルト崩壊後、関西の児童相談所に預けられた。だが祖父は、光一より4つ年下の妹、朝子だけを引き取っていく。母の行方はわからないままだ。光一は偶然助けた少女・由希(谷村美月)とともに、引き離された妹と母を取り戻すため、東京にいる祖父の元へと向かう。ワゴン車で旅をする謎めいた二人の女性・咲樹(りょう)と梢(つぐみ)、《ニルヴァーナ》で子どもたちの教育係だった伊沢(西島秀俊)…、さまざまな形で「家族」を作ろうとしている大人たちに助けられながら、光一と由希は旅をつづける。互いに反発し合いながらも、次第に心を開き、絆を結んでいく二人。だがその先には、自分たちの運命を大きく揺さぶる出来事が待ち受けていた……。


アミューズCQNでは3/12(土)10:45の回上映後に初日舞台挨拶あり。ゲストは塩田明彦監督、石田法嗣谷村美月西島秀俊甲田益也子を予定(追記:初日舞台挨拶の模様)。


−追記−
トークショーが決定しました。

4/2(土) 7:30の回終映後
 ゲスト:向井秀徳ZAZEN BOYS)×塩田明彦監督

4/9(土) 4:35の回終映後
 ゲスト:森達也監督(『A』『A2』)×塩田明彦監督

4/10(日) 4:35の回終映後
 ゲスト:谷村美月×塩田明彦監督


【関連記事】
塩田監督、谷村&石田インタビュー(動画)
石田法嗣&谷村美月インタビュー
塩田明彦監督インタビュー1
塩田監督Q&A(2004/11/20 東京フィルメックス2004)



*1:余談だが、オウム真理教の脱会者によって作られた会も「カナリヤの会」という名である。

*2:「事件当時のサティアン強制捜査で、機動隊が毒ガス検知用にカナリアの籠を持って踏み込んでいたけれど、あんなか弱い生き物が危険の最前線に立たされていたのが印象的だった。その姿は映画の中の少年たちと重なる(佐々木氏・談)」

*3:「ある時監督が『由希が一晩ずっと喋ってたんだよ』と言ったんです。頭の中でずっと少女が自分の身の上を関西弁で喋っていたらしいです。監督にはそういう時があるらしくて、、、(松田氏・談)」