『マッハ!!!!!!!!』を観た(@シネコン)

先日、近所のシネコンで観てきました。私が「近所のシネコン」って書く場合、9割方立川シネマシティってとこなんだけど、今度新しく別館ができたんですよ(残念ながら『マッハ!!!!!!!!』は旧館の方)。別館体験レポートを読むと「『スウィングガールズ』は絶対ここで観ろ!」(意訳)ってことなので非常に楽しみにしてます(…その前に『スパイダーマン2』で初体験かな。てか『華氏911』『誰も知らない』もここじゃん。ラッキー!)。ここのところ安料金の日*1に観ようと画策すれど、体調のこともあってスケジュールの都合がつかず、何本もメジャー系映画を見逃しているので、仕方なく会員証を作ることにした*2。手続きしてる間、3人ぐらいおっちゃんやサラリーマンが横でチケット買っていったんだけど、皆「マッハ1枚」って言ってたのがあまりに期待通り(笑)。私が観た回の客は25人ぐらい。レイトショーということもあり客層は20代を中心としたカップルか男といった感じでした。


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映画の詳細は公式サイトを参照。んで、感想。


トニー・ジャーは素晴らしくステキな“ムエタイ馬鹿”でした。「どうせCMで美味しいとこ全部みせちゃってるんだろ?」なんて心配は杞憂に終わるぐらい、めくるめく格闘シーンの連続で、全てがガチ。ヤツは“手加減”って言葉を知らないね。必ずやとどめを刺しにいく。あのヒジ撃ちじゃ、死ぬだろ。やられるスタントマンも痛みに耐えてよく頑張った。最後のヤラレ役なんて頭からドパーッって血流してたけど本物なんじゃないの? 行動を共にする年食った内山君(ジョージ)と広末涼子(ムエ)のキャラ設定も非常に正しい。小沢真珠(ムエの姉)に萌えー。


しかしなんだろう…。良かったんだけど、いまひとつ物足りない。お笑い要素が多分に盛り込まれていることから、ジャッキー映画を一番のお手本にしているんだろう。でも主演のトニー・ジャーはジャッキーほど器用ではない(と思う)。男前で真面目なムエタイ馬鹿はあくまでも二の線。肉体的には往年のジャッキーに匹敵する素晴らしさだが、台詞は少なく演技的な見せ場はない。技巧が必要なお笑い部分を担うのはもっぱら年食った内山君の方。彼はいい味出してます。ただサモ・ハン・キンポーではないので、格闘シーンにはほとんど参加しない。アクションシーンはともかく、肉弾戦になると彼の絡みが減って、極端にお笑い要素が少なくなる。しかも、戦いは常にガチ。やりすぎでこっちが引きそうになるぐらいのガチ。常に押せ押せで攻められるのでちょっと飽きてしまった。例えば、ジャッキー映画でお馴染み、椅子や机を使った格闘場面も『マッハ!!!!!!!!』には盛り込まれているのだけど、それら小道具はあくまでも<肉体の強靱さを見せつけるため>に使われているんだよね。殴られても避けない。殴られるだけ殴られて、それでも倒れないとこを見せつけるための小道具。ジャッキー映画のように<技のバリエーションを見せるため>の小道具として使われることはないんだ。そこがなんだか物足りない…。強さで押すなら、ジャッキー系よりリー・リンチェイを目指した方がいいんじゃない? 


なんにせよ、トニー・ジャーは間違いなく逸材なので、いい作品と巡り会ってじゃんじゃか華麗な技をスクリーンに残していってください。


ところで、自分が観たのは「吹き替え版」だったんだけど、これって字幕版より面白いんじゃなかろうか。声優さん、すごい上手いんだもん。両方観た人の感想が知りたい。私的にトニー・ジャー坂口憲二のイメージだったので、声は勝手に脳内変換させてもらった。エンディングではお約束通りメイキング映像あり。燃えさかる火を消そうとしてる時のトニーはちょっとアホの子のようで可笑しい。無邪気な笑顔も見られます。エンディング曲(もちろん歌入り)は非常に気に入ったので、ビデオが出たら必ずやMDに録音してやるぜ!


*1:レイトショー(1200円)や水曜レディースデイ(1000円)

*2:会員料金は1300円で安料金の日より高めなんです。昔は1200円だったのになあ…。