PFF2012で上映される『贖罪 インターナショナル・バージョン』について

うっかりしてた。もうチケット発売してたのね。先日、ユーロスペースで行われた『連続ドラマW 贖罪』トークショー付き一挙上映会(ゲスト:黒沢清監督×森山未來)に行ってきたのですが、9/18(火)から開催される「第34回ぴあフィルムフェスティバル」で上映される『贖罪 インターナショナル・バージョン』の編集内容について、黒沢監督から次のような説明があったので、観に行こうかどうか悩んでる方がいたら参考までにお伝えしておきます。

まず、上映時間は4時間半。各話冒頭にバラバラに挿入されていた過去の殺人事件をまず冒頭で一気に見せるような編集にしたのでそこが一番の見所ではないかと。カットしたシーン自体は、そもそも繰り返しのシーンが多いのでそれほど多くはなく、監督自身は編集でカットしてゆく作業がとても好きなので、編集が終わったばかりということもあり、現時点ではこのインターナショナル・バージョンが一番好きなバージョンだそうです。尚、この作品は現在、ヴェネチア映画祭トロント映画祭、サン・セバスチャン映画祭、ナント三大陸映画祭、釜山映画祭での上映が決まっているとのこと。「休憩時間はないのか?」という問いに、ヴェネチアからインターナショナル・バージョンを作ってくれとオファーされたときに、休憩のことは特に言われなかったため休憩ポイントを挟まずに編集したそうで、実際の上映で休憩をどうするのかは監督自身もわからないとのことです。「蒼井優さんの川辺での告白シーンが終わるとなんの余韻もなくすぐ小池栄子さんのシーンが始まる」そうなので、ドラマ版を見慣れてる人はちょっととまどうかもしれません。


ちなみに第1話「フランス人形」(蒼井優森山未來出演)で「蝶のさなぎの背中から蜂が…」という台詞のシーンがあるんだけど、もともと台本上では何も台詞が書かれていない無言のシーンで、森山君が「何か台詞を言いたい」と監督に頼んだところ、撮影前日に急遽考えてきてくれたんだそうです。監督自身は、つないでみてダメだったらカットすればいいやぐらいの気持ちで撮ったんだけど、何度編集してもカットされることなく残ってしまう。試写で見せたらプロデューサーもあのシーンいいねと言ってくれるなど評判が良く、もちろん今回のインターナショナル・バージョンにもカットされることなく盛り込まれてるということです。


あと、監督曰く、ドラマを作る上で一番苦労したのが、脚本。原作が女性視点だということもあり、出てくる男が原作では皆ろくでもない人物として描かれており(苦笑)、敵役でちょっとだけの出演ならともかく、主役並みに出ずっぱりなのにまるでいいところがないというのはいかがなものかということもあり、男の自分としては彼らのいいところ、人間的な側面を少しでもすくってあげることを使命として頑張ったと。「海外の映画祭ではおそらくフェミニズム映画としての質問も受けることになりますよね」というような話をふると、「原作がそうなんですけど、、、僕がそれを答えなきゃいけないんですよね」と少々悩んでおられました(笑)。


というわけでチケットは↓こちらからどうぞ。中央・後方は残席残りわずかとなっております。
http://ticket.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=1236729&rlsCd=001&lotRlsCd=

2012/9/22(土・祝) 14:00 開演 ( 13:45 開場 )
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール (東京都)
テレビドラマに挑戦!WOWOWドラマをみる。 上映作品:贖罪