『GOEMON』を観た(@シネコン)

『GOEMON』を見てきました。キリキリが前作より成長していてちょっと寂しい(笑)。石川五右衛門を主人公に、信長、光秀、秀吉、家康、光成といった有名戦国キャラを使って史実とフィクションを漫画的に大胆に組み替えてるだけあって(スペシャルサンクスに武論尊の名があったけど…)、本人が脚本参加してるにもかかわらず細かいことが気にならない人なら楽しめる話にちゃんとなっていたことにまず驚きました。


背景美術に力をいれて書き割りを多用し、合成感をわざと残して東欧のアートアニメーションを彷彿とさせるような映像に作り上げてた『CASSHERN』から一転、あからさまに3Dゲーム寄りな映像になってしまった今作ですが、思ったよりイヤじゃなかったです。私普段まったくゲームやらない人間ですが(というか2Dから3D主流になった時点で卒業した)、コレ見たら3Dゲーム好きの人の気持ちがちょっとわかった気がしました。スクリーンが大きいので、余計に自分がゲームの世界に入ってるような錯覚を覚えやすいんだと思う。だから「DVDで見ればいいや」と思ってる人が同じ感覚を味わうかっていうとそれはちょっと難しいと思うので劇場で見れる人は一度は劇場で見た方がいいと思う。ゲーム的といっても3D酔いするほどじゃないし、前作で「目が疲れる」って言ってた人は今回の方が見やすいんじゃないかな(私は前作の方が好きですが)。今回は戦闘シーンがあまり面白くないのでもうちょっと短めにしといて欲しかったですね(せっかくドラマでテンション上げてもこれでは・・・)。っていうかね、これ誰に一番オススメしたいかっていったら、大河ドラマ天地人』を毎回じくじたる思いで見てる視聴者ですよ! 私もご多分にもれず「上田衆はいつになったらキャラ立ちさせてもらえるのか」「兼続また泣いた」「兼続またおつかい」「殿は兼続に甘すぎ」「また空見上げた」と愚痴っては、スタパで役者陣から「大河出演が決まり史実を勉強し役作りに励んだ」と聞かされるたびに申し訳ない気持ちでいっぱいなりながら毎週これを義務感だけで消化してますが、『天地人』と同じ時代、本能寺の変から関ヶ原の戦いまでを描いた『GOEMON』における登場人物たちの“キャラ立ちの良さ”“オトコマエ具合”に惚れ惚れしちゃいましたよ。やさ男だらけの『天地人』の1800倍ぐらいキャラ盛りされてる出演陣。どんだけ盛ったら気が済むのかと。なんといっても織田信長がかっこよすぎる! あまりに貫禄ありすぎて中村橋之助だってしばしわからなかったぐらい。今後は「天地人シンケンジャーとタイムスクープハンターを見習え!」に「GOEMON」が追加されることがこれで確定しました。特に笑ったのが光秀殺害シーン。天地人の「本能寺の回」を見た人は絶対見に行くべき! だってね、明智光秀が初音(長澤まさみ)に首絞められるシーンあるじゃん。史実にないオリジナルエピソードにもかかわらず、初音が某人物に変わっただけで、演出もカットの見せ方も場所も全くおんなじなの!(笑) もうビックリしたわ。なんでこんなとこでシンクロニシティ?! 「GOEMON」のDVDが出るまで「本能寺の回」消せなくなったじゃん!