にいやなおゆきの紙芝居アニメーション『人喰山』がすんごいことになっている件について

もう明日しか上映の機会がないので取り急ぎお伝えします! 


今日と明日の2日間にわたり渋谷アップリンクファクトリーで『W/3 兇々しきアニメーションの狂宴』という上映会が行われているのですが、この界隈では『ソドムの市』関連でお馴染みのにいやなおゆき(新谷尚之)氏も参加しており、タイトルからして気になる新作アニメーション『灰土警部の事件簿 人喰山』が上映されるというので心躍らせながらつい先ほど見てきたわけですが、これね、想像以上にスんゴイことになってました(笑)。


だいたいまあ、タイトルと予告からある程度のことは想像できるわけじゃないですか。連続殺人事件をを担当する灰土警部が現場検証のために山奥に分け入ったら食い散らかされた死体の山が!犯人はなんと山に棲む○○だった!警部危うし!みたいなね、そんな展開だろと。まあ、それは当たらずも遠からずで、それはすなわち「大好物な展開」だったわけですが、まさかその先があったなんて! これがねえ、なんちゅうかほんちゅうか(死語)、「18禁かも?」っていう意味が《グロ》じゃなく《エロ》の方だったなんてことをいったい誰が予想しただろうと(苦笑)。あえて喩えるなら、水木しげる先生が京極夏彦“妖怪シリーズ”を漫画化してくれと頼まれたのはいいが、仕事が重なり締め切り間際になって後半部分をアシスタントに入ったつのだじろうセンセに丸投げしたら、徹夜徹夜で朦朧としたつのだセンセがトチ狂って暗黒エロ漫画「蓮華伝説」のテイストを無断で加えてしまい、「こんなのどこで発表するんだよ!」と頭抱えた編集者さんがお蔵入りにしてたのを、にいや氏が倉庫から発掘、紙芝居アニメーションとして復刻、愛嬌溢れる活弁でもって驚愕の怪作に仕上げたのが本作、みたいな・・・ってスゲー伝わらねえ(猛省)。


ちなみに本作は、“モノクロ映像による紙芝居アニメーション”だけあって、劇場という真っ暗闇の空間すらも時には背景の一部となり作品を引き立ててくれてます。これは同時上映された旧作『納涼アニメ電球烏賊祭』にもいえることで、前にネットで見たときとはまるで印象が違うんですよ。断然映画館のスクリーンで観た方がイイ。


前の回では私が敬愛するアニメーション作家の黒坂圭太氏も来てたみたい。ソドムメンバーが駆けつけるという噂も。とにかく怪奇アニメーション好きというか暗黒アニメーション好きの方には超絶オススメの逸品なので、強風かもしんないけどガンバッテ駆けつけてみてください。ものすごく完成度の高い作品です。



W/3 兇々しきアニメーションの狂宴』※渋谷アップリンクファクトリー
2/24(日)(13:00/16:00/19:00)入場料金:¥1,200(19:00の回上映後に作家のトークあり)


予告編