上野国立科学博物館「化け物の文化誌展」に行く

最終日だったのでかなり早起きして行ってきました。にもかかわらず既に結構な人が…。これ以上増える前にとまず一番のお目当てだったミイラを堪能。間近で見るとさすがに骨格のアンバランスさが気になり、「どっからどうみても作り物です。本当にありがとうございました」という気持ちになるのだが、それはそれ。穴が開くほど見つめても「それぞれの部位はどういった動物のどこの部位なのか? どういう加工工程を踏んでこのように形成されたのか」ということについての解答が得られないので、「これが最後、これが最後」とついつい何度も眺めに行ってしまう。展示物の大半は絵や書籍だったが、天狗の持ち物、人魚の爪・歯(どう見ても獣の爪・鮫の歯)、リュウグウノツカイのホルマリン漬けといったものから、漫画『陰陽師』の原画(!)まであった。


しかしながら、実はどの展示物より一番感銘を受けたのは、第2展示場に掲げられてた寺田寅彦『化け物の進化』からの抜粋文だったりする。「おまえはオレか?」と言いたくなるほどの内容で、覚えて帰ろうと頑張ったけど「科学の目的は実に化け物を探し出すことである。この世界がいかに多くの化け物で満たされるかを教えることである。」「化け物教育は、少年時代のわれわれの科学知識に対する興味を阻害しなかった。むしろますます鼓舞したように思われる。」「宇宙は怪異に満ちている。あらゆる科学の書物は百鬼夜行絵巻物である。それらを紐解いてその怪異に戦慄しなくなったら、科学は死んでしまうのである。」ぐらいしかムリだった...orz。


しかーし!


ネットの神さまは我を見捨てやしなかった(嬉)!
寺田寅彦『化け物の進化』@青空文庫