『Deep Imagination』『マインド・ゲーム(英語字幕版)』まもなく公開(7/1〜7/14まで)

「MEMORIES」「アニマトリックス」「マインド・ゲーム」そして年末に公開される新作「鉄コン筋クリート」と、常に挑戦的な姿勢でイマージネーション溢れる作品を世に送り出し続けるクリエーター集団、スタジオ4℃。彼らが過去に制作した短編4本に、本邦初公開となる新作「ガラクタの町」を加えた作品集『Deep Imagination ディープ・イマジネーション─創造する遺伝子たち─』が明日から渋谷Q-AXシネマにて公開される。各作品を担当するのは、小原秀一(「大砲の街(「MEMORIES」)」作画、CM「Qoo(日本コカ・コーラ)」)、小林治(「Paradise Kiss」監督)、中澤一登(「キル・ビルVol.1」アニメパート監督)、村木靖(「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」原画)、伊東伸高(「マインド・ゲーム」原画)の5人。同じ制作会社でもメインクリエイターが変わることによってどの程度違いが出るのか、それでも変わらず残るスタジオ4℃としての色は何かなど、この機会に見比べてみてはいかがでしょうか。


『Deep Imagination─創造する遺伝子たち─』 7/1(土)〜7/14(金)まで
□上映館:渋谷Q-AXシネマ


【上映作品】
『ダンぺトリー教授の憂鬱』アニメーション / 10min.
監督:小原秀一 声の出演:麻生智久/青山美帆
“酔いどれ博士、ダンペトリーが、パペット人形Jr.を操り「UFOはなぜジグザクに飛ぶのか?」をわかりやすく(?)解説。”


『End of the world』 (11min04s.)
監督:小林治 キャスト(声の出演):宍戸留美柿沼紫乃緑川光エナポゥロリータ18号) 他
“独特のキャラクターデザイン、ストリート感覚あふれる世界観がロリータ18号の音楽と共に見る者を圧倒する。 ”


『COMEDY』(10min30s.)
監督:中澤一登 声の出演:緑川光/前田愛
シューベルト「魔王」を題材に「黒い剣士」の冒険を圧倒的な画力で描く。”


『彼岸』(8min28s.)
監督:村木靖 声の出演:今村直樹/田中大文/山本圭一郎
“銃弾とミサイルが飛び交い硝煙が立ち込める戦場で、機械兵器を駆る一人の兵士が「彼岸(ひがん)」で見たものとは・・・? ”


『ガラクタの町』(13min25s.)※新作
監督:伊東伸高 声の出演:川綱治加来/小泉雄詩/横田剛基
“ある夏の日、商店街の片隅で小さなロボットと出会った少年。機械を次々に食べ体がどんどん伸びて行くロボット。一人と一体の小さな冒険の結末とは…。”


STUDIO4℃公式サイト
STUDIO4℃ A子の部屋 ※田中栄子プロデューサー公式ブログ

賞味50分ちょいの作品ということで、料金は一般/大高1000エン。『マインド・ゲーム(英語字幕版)』の半券を提示すると700エンで観ることができます。


【関連】
アニメの作画を語ろう〜小原秀一インタビュー
「VISION 小林治の世界」 ※監督公式サイト
傑作短編「COMEDY」で監督デビュー〜中澤一登インタビュー



そして、同じく明日より『Deep Imagination』と交互上映でリバイバル公開されるのが、2004年に公開されるや、『ハウルの動く城』『イノセンス』『スチームボーイ』『アップルシード』等の並みいる強豪を抑え、文化庁メディア芸術賞、大藤信郎賞といった国内主要アニメーション賞をかっさらった天才アニメーター・湯浅政明の映画初監督作品マインド・ゲーム(もちろんこれもスタジオ4℃が制作してます)。本作に関しては出来うる限りデカいスクリーンで観て一緒にクジラに飲み込まれて欲しいので、DVDでしか観たことないという方も是非この機会に足を運んで頂きたい。尚、今回上映されるのは「英語字幕版」。昨年、カナダのモントリオールで開かれた「第9回ファンタジア国際映画祭」で、作品賞・監督賞・脚本賞・映像技術特別賞・ベストアニメーション賞等6部門を受賞しているので、そこらへんから「もっと外国の人にも観てもらいたい」と思いこのような計らいになったのかもしれません。

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『MIND GAME マインド・ゲーム(英語字幕版)』7/1(土)〜7/14(金)まで 



【監督・脚本】湯浅政明【原作】ロビン西作画監督】末吉裕一郎【音楽】山本精一【アニメーション制作】 STUDIO4℃
【声の出演】今田耕司/藤井隆/山口智充/中條健一/前田沙耶香/たくませいこ/坂田利夫/島木譲二
103min/スコープサイズ/2004年
□上映館:渋谷Q-AXシネマ




【STORY】はつ恋の女の子みょん(前田沙耶香)に再会した西(今田耕司)だったが、みょんちゃん一家を追う借金取りに絡まれ殺されてしまう。黄泉の世界で、無様な死に様を見せつけられた西。「なんて無様な人生、なんて醜い死に方、まだ20歳なのに…」 生への執念と気合いだけをたよりに猛ダッシュで復活した西は、最悪な状況から人生をリスタートさせられる。なんとか乗り切るも、今度は巨大なクジラに呑み込まれ腹の中へ。そこには30年以上も腹の中で暮らし続ける不思議なじーさん(藤井隆)がいた……。

料金は一般/学生1300エン。『Deep Imagination』の半券を提示すると1000エンで観ることができます。


尚、WOWOWでは8月より湯浅監督の新作テレビアニメ『ケモノヅメ』の放送がスタートします(といってもHVだけかな?)。こちらの制作は、スタジオ4℃とはライバル関係にありながら『マインド・ゲーム』公開期間中、わざわざ自社サイト内に応援ページを立ち上げ、「ああ、この想い…応援せずにはいられない」「どっこいアニメは生きていた!」「みんなワクワクして作ったんだろうな」などの数々のコメントで賞賛し続けたマッドハウス。いったいどんなコラボが実現するのか、こちらも楽しみです。


【関連】
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