『Shall we Dance?』を観た(@シネコン)

客は7,80人ぐらい。初回とは言え、初日で半分も入ってなくて大丈夫なのか? そして驚いたのがその年齢層。高いですよー。見た感じじゃ60代中心で、男女比は2:8ぐらい。客層は夫婦、母娘、一人で来てる女性といった感じですかね。


映画の詳細は以下の通り。

『Shall we Dance?』 05年4月23日公開


【監督】ピーター・チェルソム
【出演】リチャード・ギア/ジェニファー・ロペス/スーザン・サランドン/スタンリー・トゥッチ/リサ・アン・ウォルター/アニタジレット/リチャード・ジェンキン
106min/アメリカ/2004年


【STORY】シカゴの弁護士ジョン・クラークは、デパートで働く妻と二人の子供に囲まれ、仕事も順調、家庭も円満で何不自由ない生活を送っていた。しかし、生き生きとした家族とは対照的な自分に、どこか虚しさを感じ始める。そんなある日、帰宅途中のジョンは、電車の窓から見上げたダンス教室の窓辺に、寂しげな表情で佇む美しい女性ポリーナの姿を目に留める。次の日も、その次の日も。彼女のことが気になりダンス教室の扉を叩いたジョンだったが、次第に社交ダンスそのものの魅力にはまってゆく……。


単純に面白かったです。ジェニファー・ロペスには言いたいことがあるけど(笑)、ラテンの彼女をこの役に配した時点で草刈民代にはなれないことは分かってたし、役所広司が演じた役も設定が変わっていて、妻への比重がオリジナルより大きくなってた分、劇中における彼女の存在が薄くなってたのでまあいいかと。何より、脇役がとにかく驚くほどオリジナルに忠実だったのでそれだけでもリメイクとしては御の字って感じですね。


とにかくキャスティングした人はエライ。オリジナルをちゃんと観てないとこんなに細部の味わいまでそっくりな人は見つけられないですよ。もちろんそれにきちんと応えてくれた役者陣もエライ。周防監督のオリジナルを最後に観たのはもう5年以上前なので、誰が出てる?と聞かれてもパッと思い出せるのは役所広司草刈民代竹中直人草村礼子ぐらいだった。ところが、向こうの役者がスクリーンに出てくるたびに「あ、この人、渡辺えり子か」「田口くん!」「この探偵さんはアレだ。柄本明だ」と次々オリジナルの役者が頭に浮かんでくる。ところがダンス仲間で一人だけ最後まで思い出せない人がいた。若い兄ちゃんで、「これ誰がやってたっけ?」ってずーっと考えながら観てたけど全然ダメ。結局パンフレット見てようやくわかったのが、徳井優。彼の役だけ設定が全く変えられちゃってたんだね。ちなみに役所広司の奥さんも思い出せなかった。さっき調べたら原日出子と判明。だからこの二人に関してはオリジナルと変わってます。でもそれ以外はほんとビックリするよ。


予告で観たとおり竹中直人役のスタンリー・トゥッチはオリジナルと全く同じだった。長髪のカツラで顔は見えないのに、ダンス教室でチラッと映った瞬間、一発で分かる。身体のくねり具合といい、妙なテンションといい、気持ち悪さの種類が全く一緒(笑)。スタンリー・トゥッチ自信もノリノリだったそうだし、あれは一見の価値あり。そしてもう一人。渡辺えり子役のリサ・アン・ウォルター。ベット・ミドラーを小さくした感じの人で、渡辺えり子と同じくハスキーボイス。彼女はほんとに良くて、ジェニファー・ロペスの存在感が薄くなってた分、ダンス教室にいる女性陣では一番魅力を振りまいてたんじゃないかな。ダンス大会のシーンで、ラテンの毒々しい姿から一転、優美な衣装に着替えて登場した時なんて、ほんと見違えるようにキレイになっちゃって…。ハリウッド版竹中直人渡辺えり子のコンビはどのシーンも非常に楽しかったので、とっととビデオ出してほしい。また観たい。


主人公の設定が少し変わってしまったので、ラストもオリジナルとは若干違ったものになっているけど、アメリカと言うことを考えれば、どちらの改変も納得できるものだった。ダンス教室に足を踏み入れるまでの描写はもう少しなんとかとならなかったのだろうかと思うけど、まあ、ジェニファー・ロペスなのだから仕方ない。彼女も踊り自体は素晴らしかったです。でも、それだけというか…。草刈民代とは違い非常に幼い感じの女性になってしまってるし、あまり魅力は感じられない。妻役のスーザン・サランドンに比重をおいてくれたのはほんとに良かった。ジェニロペを中心に物語を回されたら見てらんないもの。


とりあえず言えることは、草刈民代役所広司を期待してもガッカリするだけです。止めといた方がいい。しかしそこさえクリアしてしまえば、非常にうまくいったリメイクだと思う。とにかく脇役陣は素晴らしいですよ。エンディング曲は合ってないけどね(苦笑)。挿入歌が良かったんだから、もうちょっと余韻に浸らせてくれよ。エンドロールが流れた瞬間ほとんどの客が帰り出すのも仕方がない。