『バーバー吉野』を観た(@ユーロスペース)

昨日ユーロスペースで観てきました。夕方の回だったんだけど、1時間まえで整理券は35番。その前の回は立ち見だったらしく、この回も満席。客層は20代後半から50代ぐらいまで。7割が女性。でも、始まると男性陣の笑い声が女性陣を圧倒していた。やっぱ男の子の物語だからね(監督・脚本は女性なのだから恐れ入る)。






映画の詳細は以前の日記を参照


3分に1回笑いを入れろと『刑事まつり』並みの条件が課せられたのかと思うほどに、どっかんどっかんウケてましたねえ。子供時代、特に山や川に囲まれた田舎に住んでた人なら経験したであろうエピソードのオンパレード。お約束の“秘密基地”とか登下校に出没する“変なオジサン”とかね。見せられるたびにあの日がフラッシュバック。これ書くと同郷の奴に完全にバレるけど、うちの近所に住んでた変なオヤジは“赤オヤジ”。いつも酒飲んでるから顔が赤いの。で、目を合わせるとこの映画で森下能幸が演じてた“ケケおじさん”よろしく、もの凄い勢いで追いかけられる。元競輪選手だから自転車乗ってる時に会うとたまんない。


‘吉野ガリ’姿は可愛い。出てくる小学生、みんな‘吉野ガリ’ってのは圧巻。普通のことしてるのにあの髪型だけで笑いがとれるのだから、監督のアイデア勝利だね。ただ、高学年になって、顔かたちががっしりしてくるとキモい。というわけで中学生になると‘吉野ガリ’は卒業。ちらしで使われた写真は映画の冒頭のシーンなんだけど、これがまた(笑)。映画では「何故、吉野ガリにするのか」ということにもちゃんと触れているので、ファンタジーのまま終わることはない。


エピソードはどれこれも面白いんだけど、全体的なストーリー構成は薄めだから、ちょっと物足りなさも残る。すっげー笑えて面白いんだけど、もう一つ何かが欲しくなる。あと、まあ、大人VS子供による“髪型対決”ってこともあり、「服装の乱れは心の乱れ!」「オン・ザ・まゆげ(by佐野史郎)」を流行らせた宮沢りえ主演ぼくらの七日間戦争ASIN:B00005J48T)を思い出した*1。あれは中学生の話だけど、まんま小学生に置き換えて貰えば話は早い。ただ、あれほどドラマチックじゃないので、笑いは『バーバー吉野』の方が大きいけど、ドラマの盛り上げ方は向こうの方がうまい。


ユーロスペースだけでの公開というのは勿体ないね。客の中に子供の姿が皆無だったのも寂しい。『クイール』みたいに現役小学生が大勢いる中で一度観てみたいと思った。



そういえば、先日観た宮沢りえ、激やせの後遺症がとれてようやく昔の顔に戻った気がする。



*1:実は、まんまのシーンもある(笑)。監督も確か30前半だから、まあ観てるだろうな。