渡辺謙と『たそがれ清兵衛』が米アカデミー賞候補に

第76回米アカデミー賞の各部門候補が昨日発表され、助演男優賞に『ラストサムライ』の渡辺謙外国語映画賞たそがれ清兵衛(英題・The Twilight Samurai)』山田洋次監督)がノミネートされた。


以下、詳細。

つい先日行われた第61回ゴールデングローブ賞授賞式出席のため渡米してた渡辺謙*1は、配給元であるワーナー・ブラザーズ本社で会見を開き、「夢の中にいるような一日。おまけのご褒美だと思っている。喜びを言葉で表すと“感謝”の一言です」と語り、「4人目が発表された時は、『ダメかも』と一瞬思った。名前が呼ばれてホッとした。でも、名字は変えないとだめかも*2」と笑わせた。『たそがれ清兵衛』に主演し『ラストサムライ』にも出演している真田広之は「清兵衛あってのラストサムライ。単なるブームに終わらせないよう、日本映画を盛り立てていきたい」とコメント。また会見を開いた山田洋次監督は、「全く想像だにしていなかった。大きなサプライズです」と冷静な口調で語った。監督への第一報はニューヨークにいる知人からもたらされたとのこと。真夜中、就寝中にかかってきた祝福の電話にはじめは「勘違いじゃないか?」と思ったそうだが、松竹の国際部、真田広之からと相次いで電話を貰い事実だと実感。電話口の監督の口調があまりに冷静だったため、真田からは「これはたいへんなこと。世界中から選ばれた誇りなんですよ!」と言われたそうだ。そして翌朝、大勢の報道陣に詰め掛けられたことで、ようやく「嬉しさがこみ上げてきた」という。


授賞式は2月29日(日本時間3月1日)、ハリウッドのコダックシアターで行われる。山田洋次監督は次回作『隠し剣 鬼の爪』(永瀬正敏主演)の撮影真っ只中だが、「無理しても行ければいいなとは思ってますが」と語った。


外国語映画賞は2002/11/1から2003/9/30に劇場公開された作品が対象で、各国から1本だけエントリーできる。今年の選考委員は、日本映画製作者連盟から依頼された映画評論家4名(佐藤忠男品田雄吉、野島孝一、渡辺祥子)。競ったのは『座頭市』(北野武監督)。


ラストサムライ』は謙さんのことばかりで「誰か真田広之も誉めてやれよ!」と思ってただけに、こういう形で真田さんに注目がいくのは素直に嬉しい。この人もJACの頃はめちゃくちゃ下手クソだったんだけど、いつの間にか日本映画をしょって立つとこまできちゃったんだなあ。『ラストサムライ』に関しては、アカデミー賞からは完全に漏れちゃったけど、個人的にはズゥイック監督に監督賞、トム・クルーズにプロデューサー賞をあげたい気分。公開前は貶してすまなかったよ、トム。あんたは本物だった。


去年の授賞式中継は小雪内藤剛志がナビゲーターだったが、今年はどうするのだろう。正直、そろそろBSに戻して欲しいのだが無理か? WOWOWの中継はつまんないんだ・・・。こうなったら、今度の放送でその理由を徹底分析してやる!


−追記(2004/03/01)−
今日アカデミー賞受賞者の発表があり、助演男優賞は下馬評どおり『ミスティック・リバー』のティム・ロビンスが獲得。外国語映画賞はカナダの『みなさん、さようなら』が受賞。授賞式前のインタビューでは真田さんも山田洋次監督も子供のようにはしゃいでいて、いい思い出作りになったようです。巨大オスカー像をバックにフラッシュを浴びた真田さんは、カメラマンに向かって「誰かこの写真を引き伸ばして送ってください」とまで頼んでました(笑)。


*1:惜しくも受賞はならず。『ミスティック・リバー』のティム・ロビンスが受賞

*2:候補者を発表したシガニー・ウィーバーが「ケン・ワタナ」と呼んだため