写真と音声で見せる演出(火9『ファイアーボーイズ』第4話とCX『Trap-TV』)

とにかく鹿賀丈史がかっこいいと(私の中で)評判の『ファイアーボーイズめ組の大吾』。今回は鹿賀丈史演じる五味所長の過去を解き明かす回となっていた。クライマックスの救出シーンも、今回ばかりは鹿賀丈史。“テープに収められた五味所長の過去の救助場面を職員一同で聞く”という設定だったため、いつもとは違い、救出場面はテープに収められた声のみで表現。再現映像も一切無し。それ故に、出来上がりはまさにラジオドラマ状態だったわけだが、皮肉にも、迫力と緊迫感は、金をかけた普段の実写を遙かに上回っていた。演出家は事件の再現ドキュメントとかラジオドラマの演出の経験があるのだろうか。再現映像を挟むのではなく、現場写真を効果的に使った演出はお見事! 欲を言えば、音声に合わせてもう少しスピードつけて焼け爛れた出入り口の写真に寄っていってくれたら、こちらの感情とピタッとリンクしてより気持ち良かったのに。そして、あと2枚ぐらい別の写真も入れてくれたら個人的には大満足でした(これは単なる趣味)。


今回の演出は宮本理江子。「誰だ?新人か?」と思ったら、石坂理江子じゃないか。結婚して名字が変わったそうです。



見ながら、「なんかこの映像はデジャヴを感じるぞ・・・」と過去の記憶を辿って思い出したのが、深夜番組CX『Trap-TV』。


CX『Trap-TVとは、93年4-9月の半年に渡り、毎週木曜深夜にフジテレビで放送されてた知的推理番組である。毎回、吹越満演じる紳士が吉田朝演じるミステリー好きの紳士に問題を出す形で、ひとつの推理ドラマが展開されるのだが、吹越が話して聞かせる推理のネタとなる話の再現部分が、動画による再現VTRではなく、音声と写真のみで構成されていたのが、当時は非常に目新しく新鮮だった。また、使われた写真がどれも画的に非常に凝っていて、例えるなら、『ケイゾク』のタイトルバックで使われていた写真のようなクオリティ。毎回写真に謎解きのための重要なヒントが隠されているため、ビデオに録っては、一時停止して写真を眺め、あれやこれやと推理を巡らしたものである。今となっては制作スタッフが分からないのが残念。


『Trap-TV』のファンサイト「Trap-TV研究室」では画像付きで番組の内容がUPされてるため、興味をもった人は是非雰囲気を感じ取ってみてください。(2022.11.20追記:現在リンクしたファンサイトは閉鎖されています。代わりにYoutubeに全話UPされてるのでそちらでどうぞ)
Trap TV - YouTube
Trap-TV - Wikipedia



−追記−
今日は頭の中で『バックドラフト』のテーマが流れまくってる。刷り込みによるサブリミナル効果か・・・