2011年1月〜12月まで(「ラビット・ホラー3D」が今年のベスト映画です)

昨年1年間に観た映画・舞台・その他をまとめて列記。

1月

新作(洋画)「ソーシャル・ネットワーク

2月

新作(邦画)「海炭市叙景」「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」「KGカラテガール」「心中天使」

3月

新作(邦画)「冷たい熱帯魚(通算1回目)」「YOYOCHU SEXと代々木忠の世界」「死にゆく妻との旅路
旧作「フリーズ・ミー(石井隆監督)」

4月

新作(邦画)「紙風船(「あの星はいつ現はれるか」「命を弄ぶ男ふたり」「秘密の代償」「紙風船」)」「ピュ〜ぴる」
新作(洋画)「塔の上のラプンツェル(3D・吹替)」「ファンタスティックMr.FOX」「イリュージョニスト」「ランナウェイズ」

5月

新作(邦画)「婚前特急」「これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫」「まほろ駅前多田便利軒」「少女たちの羅針盤」「未来の記憶」「プリンセストヨトミ」「星を追う子ども
新作(洋画)「ザ・ライト エクソシストの真実」「英国王のスピーチ」「ブラック・スワン
旧作「<音響映画祭>ソウル・パワー(ジェフリー・レヴィー・ヒント監督)」「<音響映画祭>シカゴ(ロブ・マーシャル監督)」

6月

新作(邦画)「マイ・バック・ページ」「八日目の蝉」「軽蔑」「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」「奇跡(是枝裕和監督)」「デンデラ
新作(洋画)「スカイライン 征服」「SUPER 8
旧作「<音響映画祭>ヤング@ハート(スティーブン・ウォーカー監督)」「<午前十時の映画祭>アマデウス[ディレクターズカット版](ミロス・フォアマン監督)」「<午前十時の映画祭>ストリート・オブ・ファイヤー(ウォルター・ヒル監督)」

7月

新作(邦画)「VEIN 静脈」「人形にいる風景〜ドキュメント・オブ・百鬼どんどろ」「大鹿村騒動記」「コクリコ坂から」「死ね!死ね!シネマ」「怪談新耳袋殴り込み!劇場版<関東編>(トーク付)」
旧作「殺しのはらわた(篠崎誠監督)」
★舞台「ベッジ・パードン」(作演出・三谷幸喜 出演・野村萬斎 深津絵里 大泉洋 浦井健治 浅野和之)
その他「『緑子/MIDORI-KO』公開記念 黒坂NIGHT Vol.2(「変形作品第1弾」「海の唄」「ATAMA」「パパが飛んだ空」「餅兵衛」)」

8月

新作(邦画)「怪談新耳袋殴り込み!劇場版<沖縄編>(トーク付)」「極道兵器」「デッドボール」「ヘルドライバー」「AVN エイリアンVSニンジャ(トーク付)」「七つまでは神のうち」「古潤茶/富夫(舞台挨拶付)」
新作(洋画)「モンスターズ 地球外生命体」「ツリー・オブ・ライフ

9月

新作(邦画)「一枚のハガキ」「CALF夏の短編祭・Aプロ(「ホリデイ」「地獄先生」「ベルーガ」「Sunday」「TEGWON RHAPSODY 2011」「乱暴と待機」「NINIFUNI」)」「探偵はBARにいる」「神様のカルテ」「Image.Fukushima vol.2 in 東京(「無情素描」(トーク付))」「ラビット・ホラー3D(通算1,2,3回目)」「蛍火の杜へ」「家族X(舞台挨拶付)」「緑子 / MIDORIKO(トーク付)(通算1回目)」「マイブリッジの糸 Aプロ(本編+メイキング)」「マイブリッジの糸 Bプロ(本編+NFB作品集+山村浩二作品)」「監督失格」「スイッチを押すとき」
新作(洋画)「カンフーパンダ2(2D・吹替)」「くまのプーさん(吹替)」「サヴァイヴィング・ライフ」「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」「スーパー!」「ゴーストライター」「ロサンゼルス決戦」「サンクタム3D」「ピラニア3D」
旧作「Image.Fukushima vol.2 in 東京(「昭和群盗伝2 月の沙漠」(瀬々敬久監督))」

10月

新作(邦画)「エンディング・ノート(舞台挨拶付)」「極道めし」「緑子 / MIDORIKO(トーク付)(通算2回目)」「姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う(同時上映「純情NO.1」「静かな家」)」「モテキ」「僕たちは世界を変えることができない。」「ラビット・ホラー3D(通算4,5回目)」「シャッフル」「電人サボーガー」「一命3D」「スマグラー おまえの未来を運べ」
新作(洋画)「ファイナル・デッドブリッジ3D(吹替)」「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(3D・吹替)」

11月

新作(邦画)「緑子 / MIDORIKO(トーク付)(通算3回目)」「UNDERWATER LOVE-おんなの河童-」「ステキな金縛り」「<第21回映画祭TAMA CINEMA FORUM>冷たい熱帯魚(トーク付)(通算2回目)」「指輪をはめたい」「サラリーマンNEO劇場版(笑)」「吉祥寺の朝日奈くん」「ネムリユスリカ」「天使突抜六丁目」「恋の罪」「アントキノイノチ」「映画 怪物くん(2D)」
新作(洋画)「ランゴ」「ミッション:8ミニッツ」「コンテイジョン」「インモータルズ(3D)」「カウボーイ&エイリアン」「<第21回映画祭TAMA CINEMA FORUM>ドリーム・ホーム」「パラノーマル・アクティビティ3」「マネーボール

12月

新作(邦画)「トーキョードリフター」「孤独な惑星」「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX
新作(洋画)「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(3D・吹替)」「ブリューゲルの動く絵」「リアル・スティール」「宇宙人ポール」「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」「永遠の僕たち」
その他「夜のポエティズムvol41/『緑子』の黒坂圭太を徹底解剖する!(「みみず物語」「Agitated Screams of Maggots(Dir en greyのPV)」「連句アニメーション『冬の日』第23句」他)」


というわけで昨年の締め映画は加瀬くんが出てたガス・ヴァン・サント監督「永遠の僕たち」でした。


振り返ってみると、1〜3月は仕事が忙しくて休みも体力も無かったことと震災の関係で例年になく映画を観なかった3ヶ月でした。震災後初映画は「塔の上のラプンツェル」だったかな。これは選んだ自分を褒めてあげたくなるぐらい現実逃避にピッタリな映画だった。2011年はあまり都心に出なかったこともあり、いつになく洋画を観る回数が増えたのが特徴的。イベントとしては黒坂圭太「緑子」公開祭りと「殴り込み劇場版」公開祭りが楽しかった。そしてなんと言っても『ラビット・ホラー3D』ですよ。私の3D観を180度変えた革命的作品。これのおかげでどんだけ金使わされたことか(笑)。劇場に5回観に行ったけど全然見飽きないし、「3D映画ってここまでできるのか」と毎回こぼれる笑みが抑えきれなかった。この映画の3Dのすごいところは「実在感」なんだよね。画面に大写しになった人物を見たときに「でかい!」ではなく「近い!」っていう感覚を想起させることに成功してるのが本作の革命的なところ。それも一瞬じゃなくて永続的に。「近い」っていうのはつまり、物理的には数メートル、十数メートル離れたところに映し出された映像にもかかわらず、あたかも自分の手の届く距離、“パーソナルスペースが犯されると感じてしまうほどの距離”に人物が存在してると錯覚させるほどの実在感を獲得してるということで、言い換えるなら「誰かが撮った映像をスクリーンに映して見てる」のではなく「ファインダー越しに撮影を見てるキャメラマンの視点に同化できる」っていうこと。「映像を見てる」のではなく「ファインダー越しに実物を見ている」という感覚。映像の世界に入り込むというよりは、スクリーンという垣根が無くなるって言った方がいいかもしれない。本編見ながら、スクリーンに大写しにされる香川照之の背中に「近っ!」「だから近いってー!」と何度つぶやいたことか。故にお願いだから『貞子3D』チームはラビットホラー方式でやってほしい。このやり方なら絶対貞子をスクリーンのこちらに呼び出すことができる。あと個人的に主人公視点のみで作ったサスペンス映画をラビットホラー方式で1回撮って欲しい。囮捜査で周り敵だらけのアジトに潜入する捜査官とかこれで撮ったら臨場感ハンパ無いと思う。あと隠しカメラものでもいいし、なんといってもやっぱミクロキッズね。3Dがきつすぎるので子供には見せられないけど(ダメじゃん)、あの距離感に巨大昆虫がいたら嬉しくて発狂すると思う。あと鏡や光を多用した映画も1回作って欲しいし、呪怨伽耶ちゃんにも1回階段から下りてきてほしいし、あとあと(以下略)。

ラビット・ホラー3D [Blu-ray]

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というわけで『ラビットホラー3D』チームには私が個人的にイノベーション賞をあげます。おめでとうございました!(パチパチパチ)


ちなみに今年期待の3D映画は2月25日公開の『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(ヴィム・ヴェンダース監督)と3月3日公開の『世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶』(ヴェルナー・ヘルツォーク監督)です。

尚、ヴェンダース監督が東京国際映画祭来日中に行った特別講義で3Dの現状と可能性についていろいろと述べています。興味のある方はどうぞ。
ヴィム・ヴェンダース講演@東京藝術大学20111026 - Toggeter