今晩11:25よりNHK-BS2にてVガンダムが3話放送!(逆シャアは夜9:04から)

いやーもうついについにですよ(嬉)。先日『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を見に行ったら、アスカとか“天使の輪”とか出てくるから案の定またVガンが見たくなって、ニコ動行ったらサントラがいっぱい上がってたからamazonで一気買いして聞きまくってたら、ここにきて「BS2で放送する!」なんてビッグニュースが入り、今日のこの日にあわせて毎日ヘビロテして気持ち高めてまいったわけです。『機動戦士V(ヴィクトリー)ガンダム』とえいば、ガンダムシリーズ中、私がもっともハマって見てた作品(V2かっこいー!光の翼最強!)。しかしながら、作った富野由悠季総監督からは「失敗作」「DVDなんて買ってはいけない」と言われ、ガンダム業界でも下から数えた方が早いぐらいに不人気で(涙)、そもそも見てる人自体少ない。唯一の救いといえば、エヴァ庵野監督が「Vガンとセーラームーンにハマらなければエヴァ作る前にアニメをやめてたか、エヴァみたいなものを作る気にはならなかったかもしれない」と擁護してくれたことと、最近また活動を再開したリンドバーグのギタリスト・川添智久氏が歌う主題歌「STAND UP TO THE VICTORY」がどこに出しても恥ずかしくないぐらいにアニソンの王道を行っててめっちゃカッコエエっていうことや、大河ドラマ風林火山』や『砂の器』、野島ドラマの作曲家として知られる千住明氏が自他共に認める最高のサウンドトラックを作り上げてくれていまだに「自信作」と誇ってくれてること、そして人気の無さがかえってファン一人一人の愛着度を高めたってことぐらいでしょうかね(え?)。とりあえず「Vガンって名前は聞くけど見たことねえ」っていう人は、今晩NHK-BS2にて放送されるので・・・見てくださいっ!(byシャクティ

BS2「ガンダム宇宙世紀大全・第五夜」7/31(金)午後9:00〜午前0:40の放送内容
夜9:00〜 宇宙世紀の歴史が動いた(9)
出演:氷川竜介 内藤啓史アナウンサー
夜9:04ごろ〜 劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
1988年/原案:矢立肇 原作・監督:富野由悠季 声の出演:古谷徹 ほか
夜11:04ごろ〜 福井晴敏が語るガンダムUC
出演:福井晴敏 小倉信也(設定考証担当) 古林英明(ガンダムエース前編集長)
夜11:25ごろ〜 テレビ版「機動戦士Vガンダム
1993−1994年/原作:矢立肇富野由悠季 総監督:富野由悠季 声の出演:阪口大助 ほか
第2話「マシンと会った日」
第14話「ジブラルタル攻防」
第51話「天使たちの昇天」(最終回)
深夜0:36ごろ〜 宇宙世紀の歴史が動いた(10)
出演:氷川竜介 内藤啓史アナウンサー

まあ、放送されるって喜んだのはいいけど、ここでのVガンは「一応宇宙世紀(UC)シリーズなんで入れてみました」「でも特にコメントはありません」的な扱いっぽいかなあ(悲)。まあいいです。そんなもんです。『逆シャア』の後にやった『F91』なんて放送すらされませんから、NHKさんという大手テレビ局で流して頂けるだけでもありがたいことです(自虐)。


尚、Vガンダムの主人公・ウッソは、劇中で大人たちからものすごい子供扱いされるのですが、それもそのはず、彼は若干13才。おそらくガンダム史上最年少パイロットじゃないかと思います。13才の子供がガンダムに乗るというのがどういう状況なのかは、『釣りキチ三平』や『ALLWAYS三丁目の夕日』でおなじみ子役の須賀健太クンがガンダムに乗ってるところを想像して頂ければわかりやすいのではないでしょうか。子供を戦争の最前線に立たせることで相対した大人たちが現状の異常性に気づくという構図がたびたびとられるのがVガンの特徴のひとつでもあります。


放送が終わったら絶対また聞きたくなるのでこれを置いておきます。
機動戦士Vガンダム』第1期OP「STAND UP TO THE VICTORY」

ちなみに歌詞は富野監督が書いてます。「終わりのないディフェンスでもいい」かあ。


音楽の話をもう少し詳しくしておくと、千住明さんの作ったVガンのサントラは3枚出ています(正確には4枚)。

機動戦士Vガンダム SCORE 1

機動戦士Vガンダム SCORE 1

機動戦士Vガンダム SCORE 2

機動戦士Vガンダム SCORE 2

機動戦士Vガンダム SCORE 3

機動戦士Vガンダム SCORE 3

当時のTVアニメとしては珍しいフルオーケストラで録音され、千住さん自身が当時もってた自らの引き出しの全てを使い果たした自信作と推すほどの入魂作品だけあって、ファンはもちろん、Vガンを制作した富野監督自身も「幸せ」と手放しで褒め称えるほど素敵な楽曲がたくさん詰まってる訳なんですが、私が個人的に一番好きなのは2枚目の「SCORE 2」です。

冒頭から好きな旋律の楽曲が続くというのもあるけれど(今回放送される「ジブラルタル攻防」でも使われまくりです)、悲壮な曲から優しい曲に勇ましい曲まで曲調もバラエティに富んでおり、合間に挟まれるボーカル入りの挿入歌が前後のオーケストラ曲から浮いてないので、クラシック方面や映画のサントラ好きにも躊躇なくすすめられるアルバムです。


そして千住さんといえばアニメのサントラ以外にもドラマや映画といろいろ手がけていてですね、ぶっちゃけ手がけすぎて似てる楽曲もたくさんあるのですが(汗)、例えば↓こちらの7分過ぎに収録されてるその名も「Vガンダム」という曲をまずお聞き頂きたい。

「機動戦士Vガンダム」〜交響組曲第二番 THOUSAND NESTS

「機動戦士Vガンダム」〜交響組曲第二番 THOUSAND NESTS


実は千住さん、以前にG1レースで流れるような競馬音楽も手がけておりまして、この曲がその競馬曲にソックリだということは公然の秘密です(苦笑)。

去年府中競馬場でこの曲聞いたとき普段全然ギャンブルに興味ないくせに「よーし!1レースやったるぜ!」って気分になったのはこのためか?



ちなみに↓こちらは『風林火山』のオープニングテーマをVガンの映像にあててもなんの違和感もないということで作られたMAD。

(映像は第50話「憎しみが呼ぶ対決」の“リーンホース特攻”(左がMAD、右が実際のシーン)。リーンホースに乗ったジイサンたちが「あとは年寄りに任せろ」と若者を全員退艦させてジイサンたちだけで敵艦隊に特攻をかける最終回直前の名シーン。これも今夜放送して欲しかった。)



千住さんといえば、既にプレミア価格になってしまった映画「226サウンドトラックなんかもなかなかいいんですけどね。

重厚で悲壮感溢れる楽曲のオンパレード。ちょっと坂本節入ってます(実はVガンもちょっと坂本節入ってます)。



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