安易な数あわせは賞の価値を下げるだけだと思う

第50回ブルーリボン賞各賞のノミネートが発表された。見てない作品もあるんで世間の評判でしか判断できないものもあるんだけど、いろいろ納得いかない。
「腑抜けども−」4部門に絡む ブルーリボン賞のノミネート作品決まる(@中日スポーツ)


まずは主演男優賞から一言。

阿部サダヲ「舞妓Haaaan!!!」小栗旬「クローズZERO」オダギリジョー「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」加瀬亮それでもボクはやってない国分太一「しゃべれども しゃべれども」

小栗旬の作品名に「キサラギ」の名がないのは何故? これじゃ「キサラギ」での演技は「クローズZERO」に比べるとイマイチだったみたいじゃん。地味だけどいい仕事してますよ。


ついで、主演女優賞。

麻生久美子「夕凪の街 桜の国」内田有紀クワイエットルームにようこそ佐藤江梨子腑抜けども、悲しみの愛を見せろ沢尻エリカクローズド・ノート竹内結子サイドカーに犬

沢尻エリカはいらんのでは? そんなに良かったの?(観てないので私は判断できないけどそういう評判は聞いたことない) 一応、「映画への姿勢、人柄」も選考対象になってるんだし、この映画の初日舞台挨拶で彼女が行った失態は別の意味できちんと評価してあげねばダメでしょ。エリカ姐さん自体は好きだし、彼女が芝居で見せる「強さ」っていうのはクボヅカ並みなので潰れるには惜しい存在。また別の機会にノミネートしてあげて。


助演男優賞

伊東四朗「しゃべれども しゃべれども」「舞妓Haaaan!!!」香川照之キサラギ三浦友和「松ケ根乱射事件」光石研「めがね」山田孝之「クローズZERO」

山田孝之は「クローズZERO」で“芹沢多摩雄”という役に出会い、何を演じても本質的な部分でのウェットさが滲み出てしまういままでの芝居から完全に抜け出したんで、そういうときにきちんと周りが見て評価してあげるのは本人にとってすごく意義のあることだと思う(第46回で助演男優賞に輝いた山本太郎とかもそうだよね)。逆に、昨年「ゆれる」の演技で助演男優賞を受賞した香川照之を「キサラギ」程度で再びノミネートするのってどうなの? 絶対賞なんてあげないでほしい。


助演女優賞

(同点票で6人)蒼井優クワイエットルームにようこそ樹木希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」佐津川愛美腑抜けども、悲しみの愛を見せろ永作博美腑抜けども、悲しみの愛を見せろ宮本信子眉山−びざん−」もたいまさこ「めがね」

ブルーリボン以外の賞でもずーっと気になってるんだけど、永作博美の評価が「腑抜けども〜」の演技のみってのが全く納得できない。永作ちゃん推してるスポーツ新聞の記者は全員「気球クラブ、その後」も見るべき! あっちの方がもっともっとイイんだから、そういうとこきちんと見て評価してほしい。


監督賞。

佐藤祐市キサラギ周防正行それでもボクはやってない堤幸彦包帯クラブ三池崇史「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」山下敦弘「松ケ根乱射事件」「天然コケッコー

何故三池さんは「ジャンゴ」だけでのノミネートなんだろ。山下監督が2本のっけてるから紙面の都合で「クローズ」省いてるわけじゃないよね。


最後に新人賞。

新垣結衣「恋空」夏帆天然コケッコー北乃きい幸福な食卓佐津川愛美腑抜けども、悲しみの愛を見せろ林遣都「バッテリー」

今年は若手女優の頑張りが目立ったよね。誰かひとり選ぶために他を落とすのがこんなにつらい年もない。複数人受賞でよろしく。



ブルーリボン賞といえば、日本アカデミー賞と違い、もらう側にとって一番権威のある賞。公開本数が多すぎてついていけないのはわかるけど、受賞者が選ばれた折りには様々な作品をしっかり見比べた中で選んでるんだってことが受賞した本人に伝わる講評であって欲しいなと思います。


発表は1月下旬。結果や如何に?


-追記(1/23)-
結果が発表されました。
ガッキー新人賞、麻生久美子主演女優賞!ブルーリボン賞発表

第50回ブルーリボン賞受賞結果は次の通り。
▽作品賞 「キサラギ」(佐藤祐市監督)
▽監督賞 周防正行(「それでもボクはやってない」)
▽主演男優賞 加瀬亮(「それでもボクはやってない」)
▽主演女優賞 麻生久美子(「夕凪の街 桜の国」)
助演男優賞 三浦友和(「ALWAYS 続・三丁目の夕日「転々」など6本)
助演女優賞 永作博美(「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」)
▽新人賞 新垣結衣(「恋するマドリ」「ワルボロ」「恋空」)
▽外国映画賞 「ドリームガールズ」(パラマウント映画配給)
▽特別賞 故植木等

やっぱり、永作ちゃんは『腑抜け〜』だけか。。。