成仏できない父の霊

CX「こたえてちょーだい」の心霊特集って、いつもほのぼのとしてて好きなんだけど、今日のは非常に珍しいパターンで面白かった。ここのメイン(?)霊能者はつのだじろうの漫画でお馴染み、西塔恵*1。この番組では毎回、西塔さんがミスターちんと共に幽霊が出て困るというお宅に伺い、何故霊が出るのかその原因を解き明かしては、「もう出ないでちょーだい」と説得するか成仏させるかして問題解決するんだけど、今回伺ったのは、数年前に亡くなった父の霊が妹に憑依して困るというお宅だった。


家にはいると、応対に出たのは20代ぐらいの姉と妹。もちろん全身ぼかしが入ってるので、顔や表情などはわからない。応接間のソファーに座り話を聞いてると、妹が突然、話してる最中に体をピクピク上下に動かし出した。何事かと思ったら、なんと、いま喋っているのは妹ではなく、お父さんなのだという。あまりに自然な人格交代に半笑いのミスターちん。「いつもこんな感じなんです」と語る姉。お父さんはこうやって、しょっちゅう会話の途中に出てきては、家族と会話を楽しむんだそうだ。なんで妹に取り憑いているのかとお父さんに尋ねると、波長があっちゃったんだという。死んでから4年ぐらいはただの浮遊霊だったんだけど、たまたま妹と強烈に波長があっちゃって、その瞬間、中に入ることが出来たんだという。お姉さんにもためしたんだけど、ダメだったらしい。ただ、中に入ったのはいいけど、今度は出られなくなっちゃって「どうしたら成仏できるんですかねえ」と途方に暮れるお父さん。お経をあげてもらったこともあるそうだが、何を言ってるのかさっぱりわからなくてダメだったらしい。「この子の中にいるのは居心地がいいし、でもこのままじゃいけないし」と言いながら、「あの世ってどんな所なんですか? どれぐらい向こうにいるもんなんですか?」と不安げに次々と質問を浴びせるお父さん。尋ねられた西塔さんも「いや、私も行ったことはないですからねえ…」と困りながら、とりあえず、聞いた話を教えてあげた。お父さん、成仏するのはいいんだけど、この先自分がどんなところに行くのかとても不安なんだという。だから、妹の体の中から出なきゃという気持ちがある反面、先々の不安を考えると出たくないという気持ちもあり、ずるずると来てしまったらしい。一見、家族仲良くやってるならこのままでもいいじゃないかと思うのだが、西塔さん曰く「お父さんが妹さんに憑依したままだと、その霊的匂いを感じ取って、悪い霊が妹さんによってくる危険性がある」んだそうだ。そもそもお父さんが浮遊霊になってしまったのは、お母さんが病気がちで、それなのに自分が先に死んでしまい、残された家族がちゃんとやっていけるのか心配でしょうがなかったからだという。それを聞いた姉は、「しっかりやってゆくから心配しないで」と励ました。


成仏の儀は仏壇の前で行われることとなった。ここを入り口に上に上がってもらうんだという。お母さんも出席して、母、姉、妹が揃ったところで、お別れとなった。妹の口を借り、奥さんと姉にお別れを言うお父さん。そして、妹の体から西塔さんの体へ。西塔さんの体に入った瞬間、ようやく抜けられた喜びから号泣するお父さん。周りみんなもらい泣き。そして、西塔さんの口を借り、妹にお礼を言って、あの世へと旅立っていった。。。


霊能者にあの世について尋ねる幽霊は初めて見た。その瞬間誰もがツッコミ入れただろう。「おまえがきくなよ! 行けばわかる!」と。


ちなみに、お父さんが出てくると体がピクピクするのは、霊的な波動が強すぎるからなんだそうだ。ちょっと納得。



*1:この人、私が子供の頃からいるけど全然変わらないねー