日常洋画劇場

小学生の時、学校から帰ってきた後にすることといえば、友達と遊びに行くかテレビを見ることのどちらかだった。家にいる時は、大抵、テレビ東京でやってる吹き替え洋画か、テレ朝でやってる土曜ワイド劇場の再放送を見ていたんだけど、子供だったこともあって、大人になって思い返したときに「いったいあの作品はどれなんだろう?」と再び見たいと思っても作品名が特定できないものばかりで困ることが多い。


その中でも、特に気になってたのが2つある。ひとつは、女の人がやっとの思いで建物から出ると、町には死体が溢れていて、ゴミ収集車に次々と死体が放り込まれてゆくという映画。話は全然覚えてないんだけど、そのシーンだけは鮮明に覚えていて、何故か『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』だと思いこみ、テレビで再放映するのをずっと待ってた時期もあった。もうひとつは、これも内容はよく覚えてないんだけど、リゾート地にあるヤシの木とか生えたちょっと高級そうなマンションで住人たちが次々と変な寄生虫に襲われるという映画。


ネットをやるようになって、前者は解決した。映画の掲示板で質問した時に、「それはデビッド・クローネンバーグの『ラビッド』だよ」と教えてもらったのだ。ビデオがレンタル屋に置いてないもんで、いまだこの目で確認できていないのだが、見覚えのある映像が映画サイト「最低映画館」『ラビッド』紹介ページに載っていたので確信が持てた。


後者は洋泉社の「日常洋画劇場」を読んで「これかな?」というものに行き当たった。同じくデビッド・クローネンバーグの『シーバース』だ。マンションの住人が寄生虫に襲われる映画、しかもテレ東でやったというのがこれしかない。ただ、前述した「最低映画館」の『シーバース』紹介ページで画像を確認したが、マンションの風景が映ってないのでまだちょっと確信がもてずにいる。


もし自分がクローネンバーグ・ファンだったら、どちらの作品も彼が撮ってると知った時点で、小学生の時のあの体験が全て影響してるんだなと運命的なモノを感じただろうが、そうはならなかったなあ。「なんだ、どっちもクローネンバーグかよ!」とは思ったけど(笑)。



ちなみに、「日常洋画劇場」って2冊出てるんだけど、いま見たら値段が違うのね。自分がもってるのは97年出版分だけど、2002年に出された方が同じタイトルなのに値段が高い。もしかして内容も違うの?

日常洋画劇場―映画のことはぜんぶTVで学んだ! (映画秘宝コレクション)

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