『クイール』を観た(@シネコン)

仕事も一段落したんで、今日は久々に平日に休み貰って近所のシネコンに入り浸り、映画三昧してきました。まず1本目が『クイール』。予想外にも客の7割近くが小学生で、しかも170席が満席。ああ、いまが春休みだってことすっかり忘れてたよ(鬱)。


クイール [DVD]


原作「盲導犬クイールの一生」(ISBN:4163572600 )は未読。んで、感想。


監督は崔洋一だし*1、出演者のメンツは単館でもおかしくないぐらい地味なのに、なんで全国ロードショーなんだ? なんでこんなに子供がたくさん来てるんだ?(しかも友達同士で) イヌか? 全てはイヌなのか?…と思ったら、観て納得。久々に王道の子供向け映画を観た気がしました。文部科学省推薦が付いてないのが不思議なくらい*2


子供だらけの中で観たせいもあるけど、これは、映画館で観るより、小学校の体育館に全校生徒集めて友達とみんなで観るのが一番楽しいと思う。泣かせ部分は最後に少しあるだけで、全般的にはコミカルなシーンや台詞がほとんどだし、クイールはどこまでもかわいい。夏休みとか春休みにテレ東で朝10時ぐらいからよく流してた映画『小麦色の天使』とか『アフリカの鳥』なんかを思い出したな。劇中の音楽からも、エンドロールで映される子供が描いたクイールの絵やラストの「おわり」の文字からも、製作陣の「僕ら子供向けに作ってます!」という意志が見て取れる。


クイールとそれを取り巻く周囲の人間、特に椎名桔平小林薫とのやりとりは面白かった。椎名桔平に関しては、普段の役柄からすると少し意外なキャラクターを飄々と演じており、それがとても良かった。訓練士役で黒谷友香水橋研二が出ていたけど、顔をほとんど映して貰えない上に、調教してるシーンばかりなので、本物の訓練士に間違えられる*3のはしょうがないのかも。特に水橋君はいつも通り一般人オーラ全開だ(笑)。


クイールの一生を描く映画なのは分かるが、老犬になったクイールの部分は蛇足かな。
(※この後に『テキサス・チェーンソー』と『ロード・オブ・ザ・リング』も観ました。感想はこちら。)



関係ないが、「男優倶楽部」に連載されている長塚圭史の対談コーナーのゲストが、今回*4大森南朋だった。二人とも、有名俳優を父に持つと言うことで、親父と共演した時のエピソードを披露しあっていたのだが、これがなかなか面白い。やはり本人たちより周りの方が気を遣うんだなあ(笑)。そういえば、数ヶ月前にどっかの雑誌のインタビュアーが大森南朋に向かって「僕、先日、麿赤兒さんにインタビューしたんですけど、麿さんに会われたことってありますか?」と素で問いかけ、「え、それって冗談で言ってるのかな?」と苦笑され、読んでるこちらも頭がクラッとなったことがあった。



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*1:あとで知ったが崔監督は大の犬好きらしい

*2:イヌの脱糞シーンを延々と映したのがいけなかったのか?

*3:黒谷が上沼恵美子の番組にゲストで来た時に語ってた。「うちのイヌも訓練してくれないか?」と頼まれたこともあるそうだ。

*4:表紙は椎名桔平