WOWOWドラマ『理由』を見た

いま、始まった。小説(宮部みゆき『理由』)の内容はすっかり忘れちまったが、これはちょっと面白そうだ(わくわく)。豪華キャストだし。なんか、時代を30年ぐらい遡ったかのような色づかいだなあ。パートカラーか総天然色かってなとこだね。宝生舞が太った!(驚愕) 演出はツボだーー(嬉)。いいぞーいいぞー。このままの雰囲気で最後までいってくれ。演出も昭和だ! 時代錯誤だー! いったい誰が撮ってるんだ。公式観てきた。大林宣彦だったーーー! 90年代の話なのになんでセットがどれもこれも昭和臭いんだよぉ。車のシーンがさ、窓から見える風景が全部合成(嬉)。感動だあ。石田家の話になったらダレてきたな。あおいちゃんが見れるのは嬉しいが…。こえー。ラスト、怖ええええ。「さーつーじーんじーけーんーが むーすーぶきーずなーーーー♪」 夢に出そうな歌だ。これは出演者で歌ってんのかな。麿赤兒は確実にいるだろ。そして終わった・・・。

WOWOWドラマ『理由』(原作:宮部みゆき 演出:大林宣彦


出演: 村田雄浩/岸部一徳/久本雅美/風吹ジュン/宝生舞/松田洋治/小林聡美/大和田伸也/松田美由紀/古手川祐子/立川談志/永六輔/勝野洋/宮崎あおい/麿赤兒/赤座美代子/小林稔侍/石橋蓮司/河原さぶ/細山田隆人/伊藤歩/加瀬亮/南田洋子/片岡鶴太郎/渡辺えり子/柄本明/柳沢慎吾/峰岸徹/島崎和歌子/高橋かおり/裕木奈江/菅井きん/根岸季衣/山田辰夫/ベンガル/左時枝/入江若葉/山本晋也/渡辺裕之/嶋田久作/中江有里ほか

理由 特別版 [DVD]

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事件の関係者の証言を主体に、所々再現映像を交えた作りで、原作とほぼ同じ形式で物語は進んでゆく。宮部みゆきがドラマ化をOKした決めてもそこにあったようだ。再現部分になると、途端に照明がどぎつくなり映像のカラーバランスがおかしくなる。公式に載せられた長〜い宮部×大林対談を読むと、宮部みゆき大絶賛のご様子。散々な出来だった『模倣犯』の後ってこともあうんだろうけど、実に嬉しそうに対談に応じており、まあ、それも分かるかなと。


読んで納得したのが、撮影について。テレビ欄では「HV(ハイビジョン)」ってなってるんだけど、演技やセット、カメラワークといったトータル的なもののせいもあるが、70年代の映画なんじゃないかと錯覚するような質感や空気感のシーンがいくつもあって、車の中のシーンなどは「どう見てもフィルムだろ」って仕上がりだったもんで、技術的なことはよくわからないけど、ハイビジョンで撮ってフィルムライクに加工でもしたのかなあなんて適当に思ってたら、ほんとにフィルム撮影だった(笑)。ミニDVで撮影したのは空や田舎の風景だけらしい。照明も意図的に「古典的な虚構のカラー・ライティング」をやってもらったそうで、もうね、すごいっすよ〜(嬉)。アホみたいに総天然色(笑)。これがなかなかにサスペンスを盛り上げる。盛り上げすぎて、普通のシーンが退屈になるぐらい。音楽もジャズが多様され昔っぽい雰囲気。ここらへんの徹底ぶりにはものすごいものがある。大概、現代の役者使って現代の町並みで撮れば、どんなにマネしても今っぽさが画に出るもんなんだけど、目眩がするほどに60〜70年代。恐るべき再現力。CG合成の虚構シーンは、さすがSFファンタジーの大家(笑)。窓から見える風景はほとんど作り物ですか(笑)。ラストで高層マンションから加瀬君が転落するシーンなど、一瞬、「え!? また切り絵?」って思うぐらいに合成センスが変だし、エンディングでは出演者が歌ってるとおぼしき奇妙なオリジナルソングを延々流すわで、やっぱ『HOUSE ハウス』精神は健在ですな(笑)。『漂流教室』はクソでしたが(爆)。私は、石井輝男より、この人の方がよっぽどいかれてると思う。


  さーつじーんじーけーんーが むーすーぶきーずなーーーー♪



−追記−
あれ? もう1回ちゃんと見たら「HV」って書いてないや。ハイビジョンってのは勘違いか…。昼間には『ねらわれた学園』もやってたようで、気づくの遅かった。*1



【関連記事】
『理由』映画化記念対談 宮部みゆき×大林宣彦

*1:『理由』もやるの知ったの1分前だもん。危ない危ない

『ドラムライン』を観た(@シネクイント)

昨日シネクイントで観てきました。初回1000円ということもあってか、平日なのに8割ぐらいの入り。やはりブラスバンド目当てが多いようで、年齢層も20代から60代までと幅広く、2:8ぐらいの割合で女性の方が多かった。劇場側もそれを当て込んでか、来日公演の決まった『ブラスト!』やこれから公開される『永遠のモータウン』の予告を真っ先に流してた。でも、あの客層で『ババアゾーン』の予告を観るのは辛いっすよ(苦笑)。
作品の詳細は以下の通り。

『ドラムライン』 4/10(土)〜5/28(金)まで


【監督】チャールズ・ストーン3世【脚本】ショーン・シェップス
【音楽】ジョン・パウエル 【音楽製作総指揮】ダラス・オースティン【配給】20世紀フォクス映画
【出演】ニック・キャノン/ゾーイ・サルダナ/オーランド・ジョーンズ/レオナルド・ロバーツ
119min/アメリカ/ビスタサイズ/2002年
□上映館:シネクイント


【STORY】天才的なドラムの腕前を買われ、アトランタにあるA&T大学の名門マーチング・バンドにスカウトされたデヴォン(ニック・キャノン)。A&T大学はライバル校モーリス・ブラウン大学との優勝を賭けた対決を控えていた。入部早々鮮やかなテクニックで周囲を圧倒するデヴォンだが、協調性のない彼の態度は「1バンド、1サウンド」を守るチーム・リーダー、ショーン(レオナルド・ロバーツ)の反感を買い、早々に対立。自らの才能に溺れたデヴォンの言動は、やがてバンド・メンバーや監督(オーランド・ジョーンズ)との決定的な軋轢を生むことに…。

ドラムライン [DVD]

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不覚にも泣きましたね(笑)。ドラマ部分に関しては、王道の割にキャラクター設定甘いし、話の作りやドラマの盛り上げ方もヘタクソで、脚本のおかげで泣いたと思われるのはムカツク! そこは断固否定しときたい。ぼろくそ言ってるけど、ブラバン経験者なら迷わず観とけ、ドラムの音に血湧き肉躍る奴も迷わず観に行け、『SLAM DUNK』読んでミッチーの「安西先生、バスケがしたいです」にだだ泣きする奴もできれば観にいっとけってな作品には仕上がってます。マーチングバンド、ドラム対決は間違いなくいいっすよ〜!(嬉) サントラ即買いして、1,15,16曲だけつなぎリピートしまくり*1


以下ちょっとネタバレ。


中身はあらすじ読んだ通りのスポ根青春もので、結末の展開も想像通り。それ以上でもそれ以下でもないのだけれど、なんだろなあ…。「お前にはバンドに対する愛があった」とか「そんなに叩きたければ一人でやれ。でも客が求めてるのはバンドの音なんだ」なんて臭い台詞にいちいちうるっときちゃうのは、部活やってた頃の思い入れ180%のせいなのか、はたまたスポ根アニメ、大映テレビに毒され脳内補完がゆきすぎたせいなのか…。やっぱり紙のピアノじゃダメなんだ!*2 監督がミュージッククリップ出身ということもあって、メインとなるドラムバトルシーンは、音だけじゃなく映像的にも迫力がある。撮影カメラが違うんですかね? スティックやシンバルの動く軌跡がものすごく鮮明なんですよ。で、決勝大会のパフォーマンスで、またうるっと涙が…。欲を言えば、ラストのドラムバトルでリーダーとデヴォンによるツインソロパートも観たかった。あと、ライバル校の大会での曲が俗物すぎで、あれで同点決勝っつーのは解せない。

*1:2-14曲は演奏曲ではなく挿入歌なのでパス。

*2:いや、そんな台詞、映画にはないです。誤解なきよう。