香川照之、歌舞伎座の舞台で涙ぐむ

今朝テレビで、歌舞伎座で行われた『出口のない海』完成披露試写会の模様が放送されてた。歌舞伎座の前には赤絨毯が敷かれ、報道陣が待ちかまえる中を、市川海老蔵上野樹里伊勢谷友介といった出演者が一人、また一人と足早に歩いてゆく。その中にひとり、赤絨毯に足をおろすとなんとも言えない感慨深げな表情で歌舞伎座を見上げ、それからゆっくりと歩き出す男がいた。香川照之だった。ああ、そういえば彼は猿之助さんの息子だったよねと思い出し、何をコメントしたのかとスポーツ新聞を漁るも、どの記事も海老蔵と試写会に来てた安倍官房長官のことばかりで、彼のことには一切触れてない。なんでい、がっかりだよ!と思ったら、さすが映画サイト。シネマトゥデイが詳しくレポしてくれてた。

そして、舞台上には、もう1人涙ぐむ男がいた。香川照之。父は歌舞伎俳優の三代目市川猿之助、母は女優の浜木綿子というサラブレッドでありながらも、香川が2歳のときに両親は離婚。浜が女手ひとつで、香川を育てた。俳優としてデビューしたあとは、“猿之助の息子”というイメージを払拭するかのように、ひたすら俳優業に打ち込んできた。父が踏んでいた舞台。違う運命があったならば、歌舞伎役者として立っていたかもしれない場所。41歳、誰もがその実力を認める立派な“役者”として、歌舞伎座の舞台に上がった香川は、涙ぐみながら花道を歩いた。そして、「自分が知らなかった場所……、そして自分が立つなんて想像もできなかったこの場所。40歳にして、初めて歌舞伎座を歩けました。海老蔵くん、ありがとう」と香川が話すと、客席からは大きな拍手が鳴り響いた。歌舞伎役者、市川海老蔵にとって最高の映画デビューとなった本作の披露試写は、香川にとっても忘れられない夜になった。


市川海老蔵、歌舞伎座で豪華試写会!香川照之も涙@シネマトゥデイ


猿之助さんのドキュメンタリーだったかな? ずいぶんと前に、複雑な想いを抱えた市川猿之助香川照之父子の対面シーンをテレビで目撃したことがあって、その時のことをふと思い出した。寺島しのぶもそうだけど、歌舞伎役者の子供に生まれながら親と同じ道を歩まなかった/歩めなかった人の歌舞伎世界に対する想いってのは、こちらが考える以上のもんなんだろうな。