先日公開された映画『君の顔では泣けない』のあらすじを読んだら、私が2015年に劇場で観て大号泣した、こゆび侍第13回公演『やぶれた虹のなおしかた』を思い出してしまった。
『やぶれた虹のなおしかた』は、高校生の時、すれ違いざまに肩が触れ合ったという些細なきっかけで入れ替わった同級生の男女が、元に戻れないという現実に絶望し、受け入れ、互いにもう二度と会わないと決めて、それぞれが相手の人生を生き続け、25年後に再会をはたすところから始まる物語。互いに41歳。女性側(元男性)は結婚して家業の喫茶店を継ぎ、夫と高校生になる娘と暮らしてる。男性側(元女性)はまだ独身で恋人に妊娠を告げられても自分の子供とは思えず結婚には踏み切れずにいた。男性側の両親は健在だが、女性側の両親は入れ替わり後に他界。唯一そのときだけ連絡をとりあったが、元女性は葬儀に行くことはしなかった。ある日、元女性は街中でかつての自分そっくりな女子高生を見かけ、いてもたってもいられず後をつけ、それが25年前、自分と入れ替わった元男性が産んだ娘だと知る。一度は諦めた高校生活。それを謳歌する自分とそっくりな娘の姿に、25年間押さえつけてきた感情が爆発。暴走した行為によって、元男性が守ってきた生活、夫や娘との絆に亀裂が入る。本来の人生を取り戻すべく、再度入れ替わりを試みる二人だったが・・・という話。
あまりに結末がつらくて、10年経ったいまでも時折思い出しては「テレ東さん、ドラマ化してあの家族の行く末をこゆび侍の作家さんに書いてもらえないか?」と思ったもんだが、予告を見てびっくり。同じ題材がまったく別のところから現れた。
映画『君の顔では泣けない』は2021年に出版された君嶋彼方の小説が原作で、入れ替わった男女の15年間の物語を描いている。高校生で入れ替わり、男性側(元女性)は独身、女性側(元男性)は結婚もして夫と娘がいるとほぼ同じ条件なので、15年(入れ代わり前後の期間が同じ)と25年(入れ替わった後の方がはるかに長い)という入れ替わり期間の違いだったり、15年間連絡を取り続けた二人と25年間一切会わなかった二人といった違いがどのように表れるのか気になるところ。