年末に頼んだ給湯器が届いたが、湯なし生活が長すぎてお湯の使いどころが思い出せない

年末に壊れた我が家の給湯器。給湯器自体は90年代製だった事もあり、修理部品がなければ買い換えでと腹はくくっていたため金銭的ストレスに対してはそれほどのショックはなかった。ところが、当時は秋頃から「給湯器壊れたらヤバい」「9月に頼んだ給湯器がまだ届かない」と言われていた時期。「まさかウチが…しかもこの真冬に?!どうやって暮らす?」「大掃除これからなのにお湯が無いって!」とまあ半パニックですわ。とにかく店が正月休みに入る前に必要な物は手に入れておかねばと奔走する。


まず真っ先に銭湯を探し、職場から家までの途中に銭湯があることは確認。ただし、世間はコロナ禍。しかも仕事が繁忙期で銭湯に通う体力があるとも思えず、なんとか家でシャワーが浴びれないかと、一日中ネットで「お湯が出ない環境下において身体を洗う方法」を検索。結果、世の中には「家に風呂釜はあるがシャワーがついてない人」「給湯器のない工場で洗い物をしたいと簡易シャワーを工作する人」「真冬の海でサーフィンした後、持参したお湯でシャワーを浴びる人」などさまざまな先駆者の存在に「人間って強いな」と勇気づけられる。と同時に、不安が高まると「給湯器 壊れた」でTwitter検索しては「苦しいのは自分だけじゃない」と心落ち着かせる。


給湯器を頼んだ業者からは「ニュース等でご存じだとは思いますが、10月に頼んだ給湯器がまだ届いてない状態で、1月はほぼ無理だと思います。入荷状況の報告は2月以降からでもよろしいでしょうか」と言われ、「春まで無理なんだろうな」と覚悟を決める(曰く「電話が来ると入荷したのかと思って一瞬喜んじゃうから、無いなら頻繁な報告は要らない」と客から言われるらしい)。


そんな中、一番の心の支えとなってくれたのは「真冬の海でサーフィンした後、持参したお湯でシャワーを浴びる人々」の存在。彼らは気温3℃の真冬の海に、ポリタンクにお湯を詰めてサーフィンに行き、海からあがったらそれで身体を洗っているんですよ。なんたる猛者。「家にシャワーが無い人々」もポリタンクにお湯を詰め簡易シャワーを設置して使っており、「amazonでポリタンクを検索するとやたらおしゃれな保温カバーをオススメされるのはそういうことだったのか」と合点がいく。どうせ災害用にも1つぐらいはポリタンク持ってた方がいいと思い、使い勝手のいいサイズはどれだろうとサーファーブログをいろいろ調べて、熱に対する耐久性も考慮しサーファー御用達のポリタンク(12リットル)を2個購入。

電気ケトルを1個買い足し、45℃のお湯を最短で作る「お湯:水」の配分を探して(計算式はこちら)、ポリタンクにお湯を詰めて使い始めたところ、すっかり心が安定。「あれ? 私、給湯器がなくても生きていけるかも!」という謎の自信がついてきたので、給湯器が壊れてパニックになった人はまず1個、10リットルサイズの耐熱ポリタンクをまず1個買って欲しい。それでひとまず心を安定させ、そのあとで、自分にとって何が必要なのかじっくり考えると余計な買い物をしなくて済みます(正直、簡易シャワーも買ったけどものすごい勢いでお湯がなくなるので要らんかった。風呂釜に水をためて6時間かけてお湯にする器具もあったけど、数万円。もともとシャワー派だしせっかちな自分には向いてないと購入は見送ったが正解だったと思う)。


冬場、朝起きて、ポリタンク1個にお湯を詰め、顔を洗って朝シャン。夜はポリタンク2個にお湯を詰めて身体を洗う生活。当初こそ、洗髪はリンスインシャンプー、身体は被災経験のある友人からの助言で重曹水で洗うなどしたが、次第に馴れて、普通にシャンプー、リンス、ボディシャンプーに変更。洗う時の何が大変って、泡が多けりゃ多いほど、洗い流すために大量の水を使うんですよ。だから馴れないうちは少しでも泡が出ないようにと工夫してたのが、しばらくすると身体が冷水に慣れるので(笑)、冷水シャワーで泡を洗い流し、かけ湯でしめるという技が使えるようになり日常を取り戻せると。
特に、お湯の温度によって満足度が大幅に異なることがわかったのが大きかった。40度程度のお湯をいくら浴びても身体はあたたまらない。ところが45度程度のお湯なら、洗面器1杯でも身体がポカポカしてる。この5度の差が如何に大きいか。この人体の不思議に気づけたことによってお風呂ライフが劇的に変わった。
ちなみに、ポリタンク2個分(24L)のお湯(45℃)を作るのに要する時間は、1リットルの電気ケトル2個で20分ぐらい(沸くのに5分。20分で8リットルの熱湯。それを18℃程度の水16リットルで割ると45度のお湯が24リットル出来る)。24リットルって風呂釜に溜めると、足首に届くかどうかの水位。「お鍋にお湯を沸かして風呂釜に溜めてた」という人をたまに見かけたけど尊敬した。

【計算式】
100℃×8L+18℃×16L=a℃×24L
800+288=24a
1088=24a
a=1088/24=45℃

尚、冬場で水道管から直接水を出すと水温は11〜13℃程度。これを↑計算式に当てはめると42度程度にしかならないため、常温18℃に戻すため、毎朝、ポリタンクやペットボトルに夜使う分の水をくみ置いてから仕事に行ってた。


4月に入っても業者からは「給湯器入荷の目処経たず」の連絡。リンナイのホームページでも入荷困難のお知らせが出てる状態。
弊社商品 納期遅延に関するお詫びとご案内 - Rinnai ※2022.4.14付
弊社商品 納期遅延に関するお詫びとご案内 - Rinnai ※2022.7.11付
幸い、例年より早く気温が上がり、冬場の常温が16〜18℃(水道管から直接だと11〜13℃)だったのが、常温で20℃を越えるようになったおかげで「お湯:水」の配分が変わり、電気ケトルで熱湯を作る回数も短縮(電気代に優しい)。暑くてポリタンク2個のお湯が使い切れなくなってくる。GWに入る前にはポリタンク1個しか使わなくなっていた。


7月半ば、連日の猛暑に朝晩シャワー。「朝に冷水シャワー浴びるとしばらく快適」「冬より夏場の方がシャワー重要」と思い始めた頃、ようやく「給湯器入荷しました」の連絡。ただし、予定が混んでて設置工事は7月末になるとのこと。正直、とっくの昔にガス解約してて、基本料すら電気代に回したいぐらいの状況だったので「8月でいいです」と返答。


8月、連日40度に迫る勢いの猛暑が続き、給湯器ついてないのに蛇口をひねるとお湯が出てくる状態(笑)でようやく給湯器がついた。製造年月が「22年6月」ってどんだけ新品なのよ。リモコンが進化し、時刻表示できるのが地味に嬉しい。年末に買った入浴剤を入れ(笑)、久し振りの家でのお風呂。心ゆくまで浸かり、心ゆくまで洗う。満足。しかし、使い切れなかった大量のお湯が排水口へと消えてゆくのを眺め、去来したのは「勿体ない…」。もうしばらく、泡流しは水シャワー、〆と予洗いでお湯シャワーでいいかな。油物の食器洗いにお湯を使おうと思ってたのに、お湯の電源を入れる習慣が完全に廃れていたため洗い終わる頃に「あ、お湯!」と気づく。初夏にお湯で洗わないと布巾が匂ってくることに気づき洗った後でレンチンするようになっていたが、「これからはそれもしなくて済むんだ」と思っていたはずなのに、お湯で洗うの忘れてやっぱりレンチン。そもそも「いま、ガス代ってどんなもの? 点火にも電気代使うなら、その電気代、エアコンに回したい」などと考えてるとお湯を使うタイミングがどんどんわからなくなってくる。お湯って、いつ使うのがベストなんだろう。冷水に身体が耐えられなくなったら? 給湯器が付いたらやろうと思ってたことがたくさんあったはずなんだが…。


今回の経験で得た教訓

  • ガスが止まっても電気で代用可能(電気が止まると死ぬ)。
  • 使わないガスはとっとと解約(東京ガスだったが引っ越し以外だと電話でしか解約できないため、いろいろ引き止められてめんどくさいのかと思ったが、理由を問われ「給湯器壊れてしばらく入荷しない。コンロは電気のみ」と言ったらあっさり解約。Q&A読んだら季節で解約する人もいるらしく「光熱費がこんだけ高騰すればそれもありだな」と新たな知見を得る。閉栓は立ち会い不要なので簡単。基本料も日割り計算。給湯器設置前に開栓手続き忘れずに)

 TOKYO GAS 『 使用停止 』 内のFAQ(Q.しばらくガスを使わないので一時的にガスを止めたい)

  • お湯で大切なのは「量」ではなく「温度」。真冬に40℃は問題外。42℃は微妙。かけ湯なのに、真冬にもかかわらず身体がポカポカしてお風呂に浸かったような満足度が得られるのは45℃前後だけ。体感はあてにならないので温度計で計測し45℃を死守せよ。
  • 汗疱には重曹水。重曹水で身体を洗う経験なんてする機会なかったから、これが一番の収穫だったかもしれない。指先や掌に水疱ができる「汗疱」という皮膚炎があるのだが、掌にできた水疱から水が抜けず薬を塗っても治らないという人は、一度重曹水を試してみてほしい。濃いめの重曹水で手をこすり洗いすると数時間で水疱内の水が抜けてくるのよ。水が抜ければ薬が患部に浸透しやすくなるので汗疱に悩んでる人、かゆくて仕方が無くて「塩をすり込んだら水抜けるんじゃね?」とか思ってる人は、1回試してみてほしい。掃除用に重曹水作って常備してあるので、いまでは手が痒くなったら重曹水でこすり洗ってかゆみを治めてる。皮膚炎に悩む寝たきり高齢者を重曹水で沐浴させたら症状がよくなったという報告はあるんだけど、汗疱に重曹水を使った事例というのがなかなか見つからなくて、どういう作用でそうなるのかはよくわからない。
  • 春を過ぎたら、布巾はお湯で洗うか、洗ったあとにレンチンしろ(雑菌が繁殖して匂う)。


「キャンプが趣味になれば難なくいろんなグッズが揃うんだろうなあ」とは何度も思ったけど、「真冬でもガスがなくて生きていけた!」ていうのは良い自信につながった。折角給湯器ついたのに「真冬でもガスなして生きていけたんだから、夏場にガス要らんよ」「秋までガス解約して基本料700円を電気代に回したい」っていう葛藤がすごい。


そういや、いま「給湯器 壊れた」でTwitter検索すると、「落雷で給湯器壊れた」がたくさん引っかかるのでゲリラ豪雨にはお気を付け下さい(ってどうやって気をつけるんだろ)。




ちなみに給湯器が壊れる予兆。昨年、夏場に40度設定なのに熱湯が出ることがあって、「猛暑で水の温度が高いからね」なんてのほほんと過ごしてたんだけど、いま思えばあれが予兆だったんだと思う。